ブックレビュー

  『巴里・妖都変』田中芳樹著
ISBN4-334-07371-9 C0293
レビュー:[雀部]&[彼方]
   
講談社ノベルズ 740円 講談社ノベルズ 740円
光文社カッパノベルズ 781円
警視総監をも恐れさせる史上最強・最悪の女性警察官僚、薬師寺涼子、巴里に見参!
発端:
 各国の捜査官を招いて特別講義がおこなわれることになったソルボンヌ大学に派遣されることになった、日本の代表の“ドラよけお涼”こと薬師寺涼子警視。そして、当然のごとく同行(お守り役か、はたまた下僕としてか)させられることになった泉田警部補。
 花の巴里〜に着いた早々、老人が猿に似た怪物に脳ミソを吸い尽くされて殺されるという怪奇事件に出くわし、またまた首を突っ込む羽目に・・・



[雀部]  これまでは講談社から出ていたのですが、何故か今回は光文社からですね^^; 
 これも"ドラよけお涼"さまの祟りかな(笑) 
[彼方]  そうでしたっけ・・・。と、お涼シリーズを発掘してみましたが、ほんとに出版社変わってますね(^^;。普段から、本を買うときは、著者とイラストで買うという偏った事してるんで、あまり出版社とか気にしてないんですよ(^^;。
 それに、田中さんって、既に新書から文庫とか、文庫から新書とか、 (新作までの繋ぎなのか^^;)良くやってるので、出版社が変わっても、まぁそんなものかと(^^;。むしろ、リメイクまで付き合ってるファンに取ってみれば、新作が読めるんだから祟りだなんて、お涼さまに叱られてしまいます:-)。

# 言ってるはしから、夏の魔術がリメイクされてるし(^^;。

[雀部]  三作目で、すでにマンネリ化の兆しも見えてきたとの声もありますが、彼方さんはどう感じられましたか。
[彼方]  マンネリと言っても、このシリーズのフォーマットが「お涼がむちゃくちゃやって、周りが巻込まれて、泉田クンが止めに入るけどいつの間にか参謀役になっている。でもって、創竜伝の様に政治業者とその周辺の悪事について、作中にシニカルにまぶす。」ですから、作を重ねればマンネリになってしまうのはしょうがないかと。それでも今回は、舞台を警視庁から離れてパリにしてますし、目先は変わってるかと。後は、マンネリ打破のためには「冥王星篇」とか「地底王国篇」を期待しましょう:-)。
[雀部]  それと、お涼さまの幼い頃からの宿命のライバルとして登場したはずの室町警視も、泉田警部補に恋してからは、お凉さま vs 室町警視の対決シーンも、火花の散り方が少な目になってしまったような気が・・・
[彼方]  お由紀は今回、地の利:-)がありませんでしたからねぇ。 やはり、言葉の通じない異国ではお由紀と言えども不安で、おとなしくせざるを得なかったんでしょう。と言うわけで、今回は特にお由紀の方が湿ってしまって火花が起きにくかったようです(^^;。
 泉田クンの方ですけど、激しい火花が散っていても仲裁に入ると、何故かお由紀が提案にのってくれるのは何故か、ということに気がつかないのは相変らずです(^^;。
[雀部]  まあ、あの泉田警部補の天然ボケぶりも、このシリーズの魅力のひとつであるとは言えますね(^o^)/
[彼方]  前々作、前作と、お涼の普段の言動には出てこないけど、時折垣間見せる、ひょっとしたらお涼も気づいてないかもしれない愛情 (と言って良いのかな?) 表現と、それに*全然*気づいていないニブい泉田クンのやりとりがじれったくて、いままでの田中作品とは違って好きだったんですが、今回のパリ篇では、普段の職場を離れて気が緩んだのか、結構ストレートに出てきてしまってるので、意外とゆーか知らない一面を見たようで、読んでてなんだか落ち着かなかったりします。で、泉田クンはニブいのは相変らずなんですけど、お涼への対し方が、今までは「君子危うきに近づかず」的だったのが、許容というかかなり好意的になってきたのは、朱に混じってしまったのかなぁと思ったのでした。
[雀部]  あ、ドラマにしたら、お涼さんを誰がやるか?なかなか超のつく美貌で、タカピーな女優さんというと思いつきませんネェ。彼方さんはどう思われますか?
[彼方]  アニメ化するなら、ドラよけならぬ、林原・ドラマタ・リナ・めぐみさんさんでしょう。「悪人に人権はない」を言わせるのはこの人以外には(^^;。
[雀部]  私、知らなかったんですが、ドラゴンスレイヤーでリナの声を出している声優さんなんですね。なるほど適役かもヽ(^o^)丿
[雀部]
48歳、歯科医、SF者、ハードSF研所員
ホームページは、http://www.sasabe.com
[彼方]
コンピュータシステムのお守となんでも屋さん。アニメとSFが趣味。  最近、ハードなSFが少なくて寂しい。また、たれぱんだとともにたれて、こげ ぱんとともにやさぐれてるらしいヽ(^^;)ぉぃぉぃ  ペンネームの彼方は、@niftyで使用しているハンドルです。

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