かって、レーザーディスクの特別版で濃いオマケのついたボックスセットが
限定発売されておりましたが、さすがに、DVDになると、さらに濃厚度が
増し、あだやおろそかには見ることができません。
(「T2」で凝りてんのにまたぞろ、こんなんリリースしてからに!爆。
 いくら時間があっても足りまへんがな!苦笑)

閑話休題。

「ファンタジア」
本編映像は、かってのレーザーディスク化の際にフィルムのレストアを実行
してあるマスターにさらに磨きをかけた「THX仕様」で、なにも言うこと
はありません。とても、60年も前の作品とは思えない美しさ!

さすがに音声面では、古めかしさを感じますが、それを補ってあまりある映
像に、しばし、時を忘れてしまいます。ストコフスキーとミッキーのかけあ
い場面も落涙ものです。50代の方なら、かって、力道山のプロレス放送と
交互にオンエアされていた「ディズニーランド」をご覧になってらしたこと
と思います。「ファンタジーの世界」の回で、この作品の「メイキング」と
「魔法使いの弟子」を完全放映し、そのインパクトたるや、今の「MTV」
クリエイターさんたちは、何度も見てしかるべき内容でした!
メロディとビートに完全シンクロさせた画期的な映像表現、あ、今さら、
こんなこと書くまでもないですね。

「ファンタジア2000」
そして、先年、ディズニーの甥にあたる、ロイ・ディズニーの指揮のもと、
おじさんであるウォルトが「ホントはこうしたかった!」っていう巨大画面で、
今風の「ファンタジア」が公開されました。IMAXの超ビッグなスクリーンに
投影される最新の3DCGと2Dアニメーションとの見事なコラボレーションに
最初から最後まで、口あきっぱなしで見ておりました。

惜しむらくは、
旧版にもあった「魔法使いの弟子」が、さすがに、巨大画面では「フィルム粒子
の荒れ」に起因する見づらさと、音声レンジの狭さに古さを感じてしまったこと。

DVDでも、このことを意識してか、「2000」版では画面サイズをふたまわり
小さくして収録されていました。おかげで完全なノートリミング状態(上下左右共
黒みが出る)で楽しむことができます(笑)

少し専門的な話になりますが、「2000」は「デジタル・トランスファー」が
なされています。「バグズ・ライフ」もそうでしたね。コンピューターで生成さ
れたデータをデジタルのまんまDVDに収録した、と、おおざっぱにお考えくだ
さい。普通、コンピューター生成されたデータは、フィルムに転換する必要があ
りますよね。で、このフィルム原版をもとにビデオ化するワケなんですが、昨今
のデジタル事情では、元データからのダイレクト・インプットを可能にしてくれ、
結果、よりいっそう鮮明、かつ、本来、クリエイターが創造した内容に限りなく
ちかい「映像と音」をものにすることができるようになったのです。既に、東京
の一部ではフィルムを使わない、デジタル・ビデオ・ソースをDLPシステムと
呼ばれる特殊な方式で上映する常設館もできています。近い将来、フィルムを使
わないこの方式が普通になるのかもしれません。

「Legacy」

それぞれに大量の特典映像が収録されています(日本でも同内容)が、さらに
多くの特典のみのDVDがこの「Legacy」。残念ながら、日本では発売されて
おりません。DVDならではのインタラクティヴな楽しみ方もできるコンテンツ
もあり、ぜひ、ご覧いただきたいディスクです。

ひとつだけ、ご紹介しましょう。

「運命」、そう、ベートーベンの「5番」ですね。これをモチーフにした映像を
もちいて、「管楽器」のみ、「弦楽器」のみ、「打楽器」のみ、といった選択を
することで、あの♪ダ、ダ、ダ、ダア〜ンから十数小節を、それぞれのパートのみ
で聴ける!なんて、お遊びが用意されています。タイコ屋である私ははじめて、
打楽器のみの「運命」が、いかに、しょぼいもんであるか!を知りました(笑)

さて、今回はこのぐらいで終わらせていただきますが、最後に日本の供給元さんに
お願いがあります。

どうか、この「3枚組」を日本でもリリースする努力をしてください!
版権の問題なんでしょうか? それとも、マーケティングの結果なんでしょうか?
もし、後者なら、そのマーケティングは完全に現実に即してはいませんぜ!

MOZ NAKANO

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