
吉原の妓楼で、次々と客が変死する。いずれも朝、首に組み紐を絡ませて冷たくなっていたという。百夜は同心の依頼で吉原へ向かうが……
《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》ラストとなる第113話。


著者が三十年あまりにわたって体験、収集してきた怪奇譚の数々。 本書の執筆を始めた途端起きた怪異現象を含む自身の体験から、知人の心霊エピソードまで、「嘘偽りなく」百話収録した実録怪談集が今、甦る!

《貸し物屋お庸》シリーズが、ついに完結。感動の最終巻!ということで、作者の平谷美樹先生にまたインタビューをお願いすることになりました。
平谷先生、今回もよろしくお願いいたします。
8月17日[エフエム岩手]の「夕刊ラジオ」、今回は阿部アナとの朗読が無くて残念でした。
「大阪芸大スカイキャンパス」の話題が出てましたが、“分厚い台本があったが、全然それは使わなかった。”とおっしゃってましたね(笑)
台本の内容は4回の収録でほとんど触れたのですが、順番が話の進み方でずいぶん変わっていったのです(笑)
台本通りに進まないのは、わたしの講演なんかも原稿通り進まなかったりしますし、慣れているので不都合はありませんでしたが。
幾つかでました。内容は失念しましたが、ちゃんと回答しました。なにより多くの人がメモをとっていたのに感心しました。
小説家志望の方が多かったのかなぁ。まあ私もたぶんメモりますけれど(笑)
OBCラジオ大阪の番組「大阪芸大スカイキャンパス」での放送(8/3~8/24)を聞かせて貰って、まだ平谷先生にうかがってない事柄も多かったです(汗;)
塚本英邦副学長と田中光敏映像学科学科長のお二人がインタビュアーでした。
以下、ヘッダが[平谷]の部分は、私が聞き取ってテキストにおこした部分です。
ググると、重直の死後、徳川家綱の裁定で弟二人が分割相続(盛岡八万石と八戸二万石)したそうで、ここらへんの事情も話のネタになりそうですね
生前にもたくさんネタがあります。参勤遅参とか、沿岸でオランダ船が座礁したりとか。「実はこういう裏があったのでは?」という話を創りたいと思っています。
既に色々考えられているのですね。
平谷先生のご出身地である久慈市には、2016年の夏にお邪魔してます。ツアーガイド氏が、なんと平谷先生を存じ上げて無いというので、プッシュした思い出が(汗;)
久慈駅から琥珀博物館に行きました。
恐竜天国・琥珀天国の文字も見えます。
『賢治と妖精琥珀』は、“琥珀と言えば久慈、妖精琥珀が絡むなら、主人公は鉱物の専門家で人工宝石の商売も考えていた「石っこ賢さん」こと宮沢賢治”という連想から出来上がったとうかがいましたが。
本好きの人なら知っているかもしれないけど、わたし、ネームバリューがないんです(苦笑)
「賢治と妖精琥珀」のネタを思いついたのはずっと昔。虫入りの琥珀があると知った時に「虫じゃなくて妖精が閉じ込められていたら面白いんじゃないか」って考えたのが最初です。
二〇年くらいほったらかしにしていて、琥珀→久慈→岩手の話で琥珀が絡むなら主人公は「石っこ賢さん」ってなったんです。
クライトン氏の《ジュラシックパーク》では、恐竜の血を吸った蚊が閉じ込められた琥珀から、恐竜のDNAを抽出して復活させるというネタでしたが、作者が異なると違う物語になるのですね。
小4くらいから、書き出した。
最初に読んだのは、西条八十の推理もの「幽霊の塔」(ジュニア探偵小説)、次は少年探偵団。小遣いがなくなったので、じゃあ自分で書こうと、探偵ものを書いた。
百物語の新装版が出る。(2026.7.15)
実際に体験した心霊現象を集めたモノ。一章は全部実体験。残りも7~8割は実体験です。
『百物語 実録怪談集』インタビューした記憶はあるのですが、不明なので(汗;)
私はそっち方面の感覚が全くないので、いつも残念な気持ちいっぱいで読ませてもらうのですが、怪異現象に出会う条件とかはあるのでしょうか。
条件ですか。あるのならわたしも知りたいです(笑)
条件があるなら再現性もあるわけで、それなら実験ができます。
ですよね。怪異現象を再現することが出来れば、研究が進みもはや怪異では無くなるから、それはそれで残念な気もします(汗;)
二回目の放送では
小説を書きたいシーズン、マンガを書きたいシーズンがある。
大阪芸大の入試は、学科試験は無く実技試験しかなかった。独学だったが、デッサンには自信があった。
在学当時に描いていたのは、アクリル画でSF画ぼかった。大宇宙に浮かんだ壊れた宇宙船のアップを100号くらいの大きさで描いていた。(芸術学部美術学科守谷ゼミ)
大学で100号超えのサイズで描けるのがもの凄く嬉しかった。
卒業制作は、金属でできたユニコーンとアンドロイドの少女の画。
SF画を主に描いていたので、守谷先生からはあまり指導とか講評を受けられなかった。「平谷のは、う~んこんなもんだろう」と。
SF系とかファンタジー系の画を描く人は他にはいらっしゃらなかったのでしょうか?
SF好きな奴がいましたから、そいつは描いてましたね。
小説も書いていた、好きだったのは半村良さんと平井和正さん。
小松左京先生も講師とされていた(1978~84)。学部が違ったけれど、講義を聴きに行った。頭がでかかった(笑)ものすごく詰まっているんだろうなと思った。(2016年に、小松左京ライブラリから、直筆原稿、創作メモなどが大阪芸術大学に寄託されてます)
流行のSFより昔のSFのほうが好きだった。処女作は、昔のSFを意識しながら書いた。
サークルは、漫画アニメーション研究会、通称CAS。後に有名になった連中はクラブボックスに居なかった。t彼らは自分の創作にかかりっきりだったから。庵野さんとか。
SFマンガも書いていた。ニュータイプ系の話。ロボットは出てこない。
これは、長編SF漫画「ノアズ アーク」のことですか?
どんなお話しだったのでしょうか。
有色人種絶滅計画の話です(笑)
以前にうかがって、気になっていたのですが、なんとそんな話だったとは。
放送三回目
美術教師になろうと思っていた。ホームルームとか行事をやるのが楽しかった。
二足のわらじを選んだ。生活の基盤をしっかりしないと楽しめない。
教師をしながら一時間に十枚くらい書いていた。投稿はしてなかった。
文化祭でやる合唱が楽しかった。「川」という曲、源流から海に流れるまでの画を黒板に書いて生徒を洗脳した(笑)
「川」(石桁冬樹作、混声合唱)は、youtubeで視聴しましたが有名な曲なんですね。
物語性があって、面白いです。
人生、肯定されるだけではダメで、否定されることも学ばないといけない。
投稿は、岩手日報社主催の「北の文学」。自分が書きたいモノを書いたら優秀作になれた。
審査員に光瀬龍氏がいたが、弟子にはしてもらえなかった。
キャンプとフライフィッシングにのめり込んだ。光瀬氏が奥さんに「いい作品を書く若手がいるんだけど、釣りにのめり込んでしまって」とこぼしていた。
光瀬先生の訃報を聞いたときに、ショックを受けて書いたのが第1回角川春樹小説賞最終候補の「エンデュミオンエンデュミオン」。角川春樹氏に小松左京賞に応募したらとアドバイスがあった。
一回目の小松左京賞の受賞の電話を待っていたら、第二回小松左京賞のお知らせがFAXで届いた(笑;)
編集部の人がFAXを送ってきて、「まだ審査中、ドキドキ」と書いてあった(笑)←天然が入った編集部員の方だと思われる。
神さまを探す話が好きだったので『エリエリ』を書いた。
受賞時の「朝読書」の時間に生徒の多くが『エリ・エリ』を持っていた。
『エリ・エリ』は、SFファン以外には少し読みづらいかなぁ。まあSF的な設定部分はすっ飛ばして読んでも面白いのですが。
キリスト教徒からは怒られる話です(笑)
確かに(笑)
四回目の放送
23年教師をしていた。
毎日書いている。まず書いて売り込み先を探す。読んで貰えるのに一二ヶ月かかる。
一年に4冊くらい書いている。
インプット→アウトプットまで、昔は二週間くらい、今は一ヶ月かかる。
故郷は楽に息が出来る。都会は臭い感じがあって苦手(下水のニオイがする)
岩手は小説の題材に事欠かない。
基衡(二代目)はほとんど小説に書かれてない。今東光の小説にはあるけど。
平泉、ウマと金と鷹の羽、馬具で栄えていた。
挑戦してみたいこと。
またSFを書きたい。江戸時代のハードボイルドを書きたい。
ハードボイルドは、本格的な作品では書いてない。
映画化は、『でんでら国』が良さそうに思う。じいさんばあさんが活躍する話が好き。熊とか蜂を使ったり。
じいさんばあさんが活躍するというと『でんでら国』はスティーブン・キング氏の影響もありますか?
ああ、「でんでら国」を書いていた頃は影響を脱していますね。
SFを書いていた頃のラストあたりでもう脱していたと思います。
趣味はフライフィッシング。
山に居る熊は、こちらの存在を明らかにしていると避けてくれる。街中に出てくる熊は処分やむなし。
ヤマメとかイワナを釣っている。自分で毛針を巻いたりロッドを作ったり。
芸大に行って良かったことは、友達との出会いとか、周りがクリエイターだらけのところで過ごせたのが良かった。
やりたいことを後回しにしない。やりたいことはすぐやる。定年後とかにはもう出来ない。生活が安定してなければ、やりたいことがやれないので、自分の生活をきちっとしておいて、それからやりたいことをやっていく。運が良ければ先に行けるし、あきらめちゃったら先に行くチャンスを捨てることになる。
私がそうなのですが、定年後(今は65歳以上)だと、色々な面で明らかにパフォーマンスが落ちてきます。あの小松左京先生でも『虚無回廊Ⅲ」が69歳の時で結局未完。最後にお話しできたのが横浜開催の「第65回世界SF大会」(2007年、76歳)で、博覧強記は相変わらずでしたが、創作はもう無理だ的なことをおっしゃってました。例外はあります。
わたしは今年66ですが、まだ書きたいネタが出て来ます。病気をしてから集中力は続かなくなりましたが、まだまだ書きますよ。
頼もしい!
“またSFを書きたい。江戸時代のハードボイルドを書きたい。”ともおっしゃられてたから、期待してます。久しぶりにSFも(笑)
SFは出してくれる出版社がないので無理だと思います(苦笑)
あちゃ。Kindle版でも良いですよ(汗;)
『虎と十字架 南部藩虎騒動』文庫化おめでとうございます。
やはり、ミステリと時代小説という組み合わせが受けたのでしょうか。
平谷先生の時代小説は、ほぼ総ての話で謎解きが絡んでくるのではありますが。
『虎と十字架』は特に、探偵役と一緒に推理しながら書き進めましたから、わたし自身も楽しめました。
楽しんで書かれている感じは伝わってきましたよ。
さて、《貸し物屋お庸》シリーズ最終巻の『貸し物屋お庸謎解き帖 なべてこの世は』が出ましたね。本作の半分強が、懸案の神坂家から付け狙われている件の顛末。落ち着くところに落ち着いた感がありました。
まあ、そもそもの原因はご老公様にあると思うのですが、これは歴史的事実か史実に基づいたフィクションなのでしょうか。
そういうのをバラしてしまうとつや消しになると思うのですが(苦笑)
全くの創作です。
すみません(汗;)
今回、装画の丹地陽子先生が、招き猫文庫で出た第一巻『貸し物屋お庸 江戸娘、店主となる』の表紙画(装画げみ)と同じ構図
で描いて下さったのでお庸ちゃんの成長ぶりがわかります。丹地先生の粋な計らいに感謝してます。
今回の表紙画のお庸ちゃんは、「終章 なべてこの世は事もなし」よりは前のお庸ちゃんのような気がするのですが?
そう見えるかも知れませんね。けれど、終章のお庸の年を考えれば、あんな感じかなと。
そうかぁ、丹地先生に聞いてみないとわからないかも(汗;)
《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》の「組み紐の呪法」は、吉原の妓楼で、次々と客が殺されていく事件。これはまだ真犯人が捕まってないので、続編がありますよね。全国を揺るがす展開を期待してます。
小学館の《∞無限シリーズ》が終了したので、あのレーベルでは続編は出ません。
どこかで場所を見つけて続けるつもりではありますが。
ありゃ、こっちも最終回だったのですね。100回を超えた長寿シリーズだったのに、残念です。
そういえば、そろそろ文士劇のシーズンですね。今年はどうなっているのでしょうか。
演目は何でしょうか。
今年は「西遊記」です。
わたしは、五行山に閉じ込められた孫悟空の世話をする土地神の役です。
いい人(神)の役なので、ちょっと物足りません(笑)
それは何とも(笑)平谷先生の役者魂に火がつきましたね。
皆様、12月5,6日をお楽しみに。「令和8年度 盛岡文士劇」
12月には、金ケ崎町立図書館で「平谷美樹 朗読会&トークショー」も開催予定だとうかがいましたが。
阿部アナと朗読します。いつも新刊が出ると番組で朗読していますが、今回は正味50分。一人で試しに読んでみましたが、ものすごく疲れました(笑)
朗読&トークショー、近くだったらお邪魔するのになぁ。残念無念。
最後に、近刊予定、今後の執筆予定をお聞かせ下さい。
まだ情報解禁じゃないんですが、来年早々に一冊予定しています。その初校ゲラを今日終わらせました。
では、来年のお正月を楽しみにして年を越します(笑)