短編小説


タイムトンネル掘り
THE TIME TUNNEL DIGGER
中条 卓
(Taku Nakajo)

この作品につきまして

 もともとは第2回のパスカル短編文学新人賞の優秀作に選ばれた短編で、選考会や会議室での評を参考に改稿して「ソリトン」8号に掲載してもらった作品です。もともとは主人公がさまざまな危難を乗り越えつつ地球の命運を握るVIPの治療に当たるという、シリアス一大長編になる予定だったアイデアをひねくり回しているうちに、そうだ患者と治療者を同一人物にすれば短編になるじゃないかと気づき、勢いで書いているうちにどんどんお笑い路線にずれてしまったといういわくつきの作品です。タイトルの「タイムトンネル掘り」はこれもソリトン掲載作「在宅戦闘員」の流れを汲んで、いかにもSFっぽい職業ってことでつけました。電気羊飼いに対抗しようという意識もあったみたい。例によってパロディやアリュージョンがてんこ盛りでして、本人が気づいているだけでも「タイムトンネル」「原子力潜水艦シービュー号」「ミクロの決死圏」「サンダーバード」「地獄の黙示録」「インディ・ジョーンズ」「未来世紀ブラジル」「スーパー・ジェッター」とほとんど節操がありませんな。作中に登場するアイデアで実は一番気に入ってるのは、自分の頭の中に遺言を書き残すというくだりだったりします。これはぜひやってみたい。

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