ファンジン紹介(SFファンクラブ探訪)
レビュアー:[雀部]
イマジニアモニター3.4号
『イマジニアモニター3号・4号』
  • 瀬戸内海SF同好会
  • イマジニアンモニター3号・4号
  • 1967年発行
イマジニアンの会代表 宮本英雄
 イマジニアンの会の前身「瀬戸内海SF同好会」の連絡誌「イマジニアモニター」のうち3号、4号を発掘しましたので送ります。
 広島市立中央図書館に保管されていたものです。手書き青焼きコピーのため読みづらいので打ち直しました。

 TOKON3は参加者360名、うち女性9名。分科会はなく全て舞台上で実施されたようですが、星新一、小松左京の講演というのは今からみるとすごいメンバーですね。
 また東京開催であっても合宿付きというのが今と違いますね。

 なお、イマジニアモニターは他にも発掘していますので、そのうちご紹介します。
 左は実際の会誌。打ち直した記事は下部で紹介 宮本英雄

※「イマジニア」9号~17号までは入手可)「イマジニアンの会」紹介はこちら

「IMAGINEER MONITOR No.3」

 第6回日本SF大会TOKONⅢレポート(1)

 日本中にSFウイルスを充満させようとする悪の祭典(?)TOKONⅢへの参加を渡辺氏に誘惑されたのが運の尽き。レポートを書けと強迫され、泣く泣く筆をとる次第・・・。
<1967年8月19日土曜日>
 開会までに時間があったので神田の古本屋をあさり、ついでに早川書房を眺めてやろうと多町2の2に行ったがそれらしいものがない。やっと見つけると本日休業のフダも寂しくブラ下がる風情。あの辺りはトポロジー空間なのか。俗人には発見しにくい所ナリ。正午前、会場にたどり着く。参加者約360名。そのうちレディーはエート9名位でした。ムードのもり上がった所で、佐々木SFM同好会会員の司会で開会。
  1. ・シンポジウム第1部 その他(13:00~21:00)日本学生会館文化ホール
1)SFと生命進化(ミュータント論)大宮信光 難解な表現のため、理解困難。
 要するに現在の人類には時間的・空間的限界があり、他の生命を殺リクした原罪もあるから知的生命としての資格に欠ける。だから科学、特に分子生物学などを進歩させて超人類を作らねばダメということらしい。このあと南部(美苑ふう)女史の反論などがあった。
2)SFと時空構造(タイムマシン論)柴野拓美、広瀬正
 これまでも耳にした話だが、柴野氏はタイムマシン成立のための理論的条件を数式で書きながら巧みに論をちぢめる。要するに光速の限界をなんらかの方法で突破すればいいらしい。京大「中間子」より反論が出たが、軽く撃退して退場。広瀬氏の話はもっと分かりにくかった。
3)福島正実氏の話。プログラム変更あり。
 「アメリカのSF界」を上げて飛び込んで来た奴が石原氏と交代。ポールやキャンベルに来てくれと頼んだが、冷たく突き放され、「アメリカはダメだ。日本SF界に期待する。来年柴野氏をファンの力でアメリカにやってくれ(カンパも勿論)柴野を行かさなきゃいけない。」といわれ、みんな覚悟させられちゃった感じ。
 (夕食後の予定が1時間も延び、ここから夜の部が始まる。この間、「始まったぞ」というデマが飛び、SFファンらしからぬ、あほらしき、非理性的行動をとることしきり。)
4)戦略的ファンダム論(司会~野田宏一郎)
 各地のファンダム代表を舞台に出して、①設立の動機②目的③現在の問題点等についてしゃべらす。最後にSFレディ達をひっぱり上げて、あれこれ無遠慮な質問を浴びせる。拍手とカン声、このあたり一番面白いところだろうか。女性が女性をSFに引きいれるのはむずかしいとの発言あり。SFマンよ奮起しよう!
・合宿の前半(日本学生会館別館3階)
 各部屋の前に張り出された自分の名前に従ったり、従わなかったり。片隅ではEtaoin Book ShopなるSF古本の販売。すると渡辺氏が京都の土井純一氏(イマジニア会員)をつれて来る。そのうち大宮氏が現れたので、彼をいじる会となり・・・夜が更ける・・・

「IMAGINEER MONITOR No.4」

 第6回日本SF大会TOKONⅢレポート(2)

 合宿の後半、朝(19日の夜SF落語をやるというヤカラをマジメ・ムードで追い帰し 万才。ワイワイガヤガヤしゃべっているうちに、時は20日となる。場所は同じ)
 超人類の定義がモメにモメているうちに人数がふえ、部屋は満員御礼。そこに柴野氏が現れ、タクミにタイムマシン論にもってゆく。しゃべっておれば気がすむのだから、テーマがなんでも気にする者はいない。いつのまにか柴野氏は消えてしまったが、話はすまず、はや3時過ぎ。フラフラと一人が布団を出すとそれを機に一同就眠・・・と思うも7時に起こされ、メシを食えとせきたてられる。その時突然ヒラメイた。即ち大会とは不眠不休、非理性的、超論理的議論により涅槃の境地に達するを目的にするのではないかと。食後、第2部の会場へ。そこでは寒いほどの冷房がきいていたが……

 シンポジウム第2部その他(9:00~17:00)東京洋服会館ホール

1)SFと少年ファン(少年SF論)
 島本光昭ほか……申し訳アリマセン。限界に達しついに深く静かに潜行。マンガ家、プロデューサー、作家の話もあったらしい。
 あとでマンガ映画「海の忍者」を見せられる。
 横の壁には奇怪なSFイラストが貼られ、後ろではEtaoin BookShopのアコギな(?)商売。昼食はその席に弁当が配られる。

2)SFファンダム賞受賞式
 今回は次の方々:①筒井康隆(作家)②円谷英二(特技監督)③牧村光夫(宇宙気流編集者)④元々社(最新科学小説全集)⑤~~~(覚えていないが確かアメリカ人)⑥吉光伝(中部日本SF同好会代表)

3)講演会
a)星新一:「創作の実際」を何かブツブツぼやいている。オレは年をとったということ。プロは制約が多いこと。新人はおだてて書かせたほうがいいということ。
b)小松左京:「未来学展望」かなり気を入れているのが良く分る。ゴヒイキだからかもしれないが、小松が一番面白かったし聴かせると思う。

4)SFと工学技術(ロボティクス論)
 石原藤夫、柴野、佐々木両氏の前座があってから本論に入る。人間とロボットの間には本質的な差異はないとし、ロボットの限界を考慮にいれた新しいロボットテーマが必要だとのこと。工学博士だけあってキチョウメンな論法。

 「以上でTOKONⅢを終了します」と言ったあと、光瀬龍が来ているのに気づいた柴野氏が一言所望。まことに短い挨拶でチョン。もう一度柴野氏が閉会を宣言。そのあとの記念パーティーには時間の都合で出席できず。土井氏、渡辺氏と有楽町に出て夕食を共にした後、涙をのんで帰途についた。

<結論>あらゆる意味で収穫多し。来年は全員参加されんことを。SF万才。TOKONⅢ万才。                                                   1967年8月
 瀬戸内海SF同好会

[宮本英雄]
イマジニアンの会代表。
[雀部]
前回イマジニアンの会の紹介でお世話になった宮本さまから、昔の会誌を発掘したとの連絡があり、貴重な物なので、お願いして紹介しました。