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BookReview

レビューア:[雀部]&[伊藤]

伊藤 >  いや〜それにしても、このお話の困ったトコは、繰り出されるガジェットとか概念が一見ファンタジー的には見慣れたっぽいモノでありながら、その威力とゆーか、影響範囲が<<じぇんじぇんこっちの想像とちがーう!>>トコでありますな。
雀部 >  確かに。それは、英国と日本の違い?それとも仏教・神道・キリスト教・無神論が入り交じっている国と、取りあえず大多数の国民がキリスト教信者である国の違いかな。
伊藤 >  えー、『額に開いてる穴』の違い。(笑)
 たとえばですね「メタト◯ン」とか「◯の軍勢と戦う!」とか言われちゃったら、日本人的には絶対、「◯"ーびーる!」って叫ぶトコじゃあ〜りませんか。
 にゃにょに、『変則タッグマッチ両者リングアウト』ってのは、正直、

   ’Д’)  ぽかーん
雀部 >  まあ、なにげにしょぼかったですから〜(笑)
伊藤 >  “アンタ、こんだけ引っ張っといてソレかい!”ってカンジでしたが、おそらくそれも作者の計略っちゅーか、

   『権威の中心なんてこんなもんよ』

という痛切な皮肉が入っているんでしょうね。
雀部 >  更に話をふくらませるエネルギーが切れてしまったという説も(笑)
伊藤 >  ワタクシ邪推しますに、おそらく、一巻で割と単純に多次元冒険譚的モノを目指していた作者は二巻書いてる途中に“あ! コレ違うで〜!”と気付いたんでしょうな。

 この作品で提示される生と死のビジョンは、特に我々ニホンジンにとっては、随分と馴染み深く感じられ、かつ『ストンと納得の行く』美しいものですよね。

 二巻→三巻の「ねーねー、ちょいとプルマンさん。アナタ、何がしたいわけ??」と疑いたくなる、ちょっち支離滅裂ともいえるストーリーの拡大/暴走は『神話性の獲得』というか「◯の(名を騙る者どもの)ための書である◯書」ではなく、「◯に依らず生死の理を説く/真に人のための◯なる書」を産みだそうと決意しちゃったプルマンせんせの迷走の結果ではないかな〜、とニランでおるです。

 天に楽園は無く、また、かつてそこに楽園が存在した事もない。
 ヒトの力を信じ、手を取り合い前に進む事でこの地上を楽園に変えて行こう、というメッセージは清々しくココロに響きます。

 やっぱ、プルマンせんせの本質は『限りなく情動のヒト』なんだろーな〜。

 ――がため、つじつま合わせはチト苦手。 (^^;
 三巻の終りの方とか「く、苦しい! 苦し〜!」と言いながら、書いていたであろう事がまざまざと想像されます。

 結論: このお話は書き終っただけでも奇蹟。

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