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BookReview

『遠き神々の炎(上・下)』
> ヴァーナー・ヴィンジ著
> 上巻:ISBN4-488-70501-4 C0197
> 下巻:ISBN4-488-70502-2 C0197
> 創元SF文庫
> 上下巻共:780円
> 1995/11/24

 '93年度ヒューゴー賞受賞作品(ウィリスの『ドゥームズデイ・ブック』と同時受賞)
設定:
 人類生誕後、悠久の時が流れた未来。実は銀河系はその空間特性として中心部は思考速度が極端に落ちる無思考深部、その外側が(太陽系を含むあたり)光速を超えられない低速圏、そのさらに外側が超光速が可能でAIの処理速度も大幅にアップする際涯圏、一番外側が人知を超えた神仙の住む超越界となっていた。
導入:
 超越界に近い際涯圏で、古代のアーカイヴ(記録庫)を発掘調査していた人類は、50億年前に閉じ込められていた邪悪な意識(AI)を目覚めさせてしまう。及ばずながら自らの危機に気づいた人類は、邪悪意識を倒す鍵を持って密かに脱出を計るが、目覚めた邪悪意識によって、たった一隻の宇宙船を残して全滅させられてしまう。
 一家族の乗ったその宇宙船は、低速圏の深みのとある惑星に不時着し、そこで<鉄爪族>と呼ばれる群体で知性を持つ狼のような種族に襲われる。
<鉄爪族>
 数匹が集まり群体となりお互いに協力しあって初めて知性を持つ種族。お互いの連携は<思考音>と呼ばれる音声によって取られるため、お互いの<思考音>が干渉し合う近距離では正常な知性ある行動が取れなくなる。(この生物造型は見事の一言ヽ(^o^)丿)
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆☆
 ブリン氏の「知性化シリーズ」ような現代風スペオペ・ファンには特にお薦め。そうでない普通のSFファンにもお薦めの作品(^^)vともかく理屈抜きに楽しめます。
 あと、<スクロードライダー>という植物知性もすてきなキャラですね。もともと長期記憶が無い種族だったのを、太古の時代にある神仙が記憶を蓄えられるメモリーチップ内蔵の移動用6輪台車を与えてから知的生命体の仲間入りをしたという。

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