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AKIのキネマまんぽ

映画は映画で面白く、小説は小説でまた違った面白さがあり

『ルイスと未来泥棒』
『AVP2 エイリアンズ VS. プレデター』

AKI

 先月号の「Coming Soooon!」で、ご紹介しましたように、2008/GW上映の『NEXT−ネクスト−』(米)(2分間だけ先が見える予知能力者が核爆弾テロに立ち向かう。ニコラス・ケイジ主演)が、フィリップ・K・ディック著『ゴールデン・マン』の映画化とか。
 早速、図書館から、このハヤカワ文庫(SF968)『ゴールデン・マン』(ディック傑作集3)を借用、読んでみました。
 なかなか面白かったですが、予知能力という点では共通ですが、物語は大分違いそうです。
 この本の冒頭に載っている、ディック自身が書いた「まえがき」が良かったです。

 引き続き「Coming Soooon!」ネタで恐縮ですが……
 『地球の静止する日』が上映されたのが1952年。私は二十歳。新宿の映画館で観ました。初めてUFOが登場した映画、ということで今でもSFの名画のひとつに数えられており、その後、ビデオ・テープで、また最近ではDVDで見直しています(DVDは「20世紀フォックス70周年記念 2枚で1900円」というときに『地底探検』と一緒に買いました)。
 その原著、『地球の静止する日 SF映画原作傑作選』が、創元SF文庫から2006年3月24日に発行されましたが、当時は余り関心もなく見過ごしていました。
 しかし、ここへ来て、2009年の春に、キアヌ・リーブス主演で『地球の静止する日』のリメイクが公開されるとの情報が入り、急遽、原著を購入読んでみました。
 クラートゥとロボットが、未確認物体に乗ってワシントンに現れる、というところは同じですが、後の物語は大分違います。
 映画は映画で面白く、当時は興奮して観ましたが、小説は小説でまた違った面白さがあり、久し振りに、夜中まで読み耽りました(昔のSFは分かり易くて良かった!)。
 果たして、リメイクの『地球の静止する日』は、どちらの筋書きなのでしょうか?
 リメイク版『宇宙戦争』の時のように、昔の感動を壊すような作品にならないことを願っています。

注:原著のタイトルは『主人への告別』 ハリイ・ベイツ著です。

 今月紹介するSF映画は、以下の二作。今月も寂しいですね。
 『ルイスと未来泥棒』『AVP2 エイリアンズ VS. プレデター』

■『ルイスと未来泥棒』

 1月7日は今年最初の映画を観に、朝一(11:40)の渋谷シネパレスまで出かけました。観たのは、ディズニー・アニメの『ルイスと未来泥棒』。
 140席の半分近くが、お母さんと幼稚園程度の児童で埋まりました。
 勿論、高齢の男性は私一人。

物語:
 赤ちゃんの時から養護施設で育った発明大好き少年ルイスは、自分を養護施設に預けた母親の顔を思い出すため、過去の潜在的記憶を映像化する装置(記憶スキャナー)を作製、「科学フェア」に出品する。
 しかし、この発明は未来のタイムマシンの発明に繋がるため、未来からタイムマシンに乗った泥棒が、この機械を盗みにやってくる。
 この泥棒を追いかけて、同じく未来からやってくる少年、ウィルバーは、ルイスと意気投合、ルイスはウィルバーの操縦するタイムマシンに同乗し、未来へ行く。そこで、ルイスは、ウィルバーの大勢の家族から、歓迎されるが・・・。
 泥棒が、過去を変えるため、未来が変わっていく。
 それをタイムマシンに乗って修復する、ルイス。
 やがて、物語の中で、現在のルイスと未来のウィルバーやその家族、更に泥棒との関係が明らかになって行き、すべてがハッピーエンドで終了する。
 最後に、「過去を振り返らず、前へ進み続けよう。私たちは好奇心にあふれている。好奇心こそ、新しい世界への道しるべだ。 −ウォルト・ディズニー−」の教訓が映し出されて映画は終了する。

 ともかく、お子様向けのディズニー・アニメ、サービス満点。恐竜まで出てきます。
 ディズニーのチームが描き出した、未来の楽園も楽しめます。
 子供に理解できるかどうかは別として、タイムパラドックスなども、かなり真面目に考えられて作られています。
 また、何故、泥棒が記憶スキャナーを盗もうとしているのかも、物語の進行と同時に理解できるようになっています。
 残念ながら、音声は終日、日本語吹き替えでした。
 原題は『MEET THE ROBINSONS』、ひょっとすると『宇宙家族ロビンソン』に引っかけているのかも知れません。
 本編上映前に、オマケとして、『ミッキーの造船技師』(7分)が同時上映され、それこそ、子供のころを懐かしく思い出しました。

(原題)MEET THE ROBINSONS
2007/アメリカ/ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ提供
監督:スティーブン・アンダーソン
製作:ドロシー・マッキム
脚本:ジョン・バーンスタイン、ミシェル・スピッツ、ほか
原作:『ロビンソン一家のゆかいな一日』 ウィリアム・ジョイス
2007/12/22公開 1時間35分

■『AVP2 エイリアンズ VS. プレデター』

 1月18日は曇り空の寒い中、渋谷シネフロントまで朝一(10:30)の『AVP2 エイリアンズ VS. プレデター』を観に行ってきました。年末の28日公開とはいえ(上映は1月25日まで)、247席に観客は10人程度。(この映画館の金曜日、朝一料金は1300円と割安なのに・・・)

映画:
 第一作目の最後、「地球にエイリアン狩りに来たプレデターの体内に残されたエイリアンの幼体が、宇宙に戻るプレデターの宇宙船内で産まれる」というシーンから、この映画は始まる。この船内で産まれたクリーチャーは、エイリアンとプレデターの両方の特徴と能力を併せ持つ“プレデリアン”であった。
 このプレデリアンに襲われたプレデターの宇宙船は、コントロールを失い、コロラド州の田舎町、ガニソンの森に墜落。エイリアンは住民を襲い、その体内を使って増殖を開始する。
 自分たちの宇宙船が、エイリアンによって墜落させられたことを知ったプレデターのエイリアン・ハンター、ザ・クリーナーは、単身、ガニソンの森に到着、増殖中のエイリアンとの戦いが始まる。この戦いによって、住民と町は壊滅状態に陥る。
 この危機を逃れるため、最後に大統領(?)が取った決断とは・・・。
 果たして、町は救われるのであろうか?

 緊張の連続。観終わってドッと疲れがでました。
 でも結末はこれでよかったのでしょうか。
 手に負えなくなった保安官が州兵を要請しますが、瞬く間に全滅。日本の自衛隊ならもっと強いのにと・・・思いました。(笑)
 最後、偶然、プレデターから手に入れたエイリアン殺害用の強力兵器を、大統領が意味ありげに見つめるところで映画は終わりますが、何か、また、続編ができそうな雰囲気です。(ひょっとすると、今度は、アメリカがエイリアン狩りに出かける・・・?)
 当然のことですが、元祖『エイリアン』に出てきたのとそっくりなシーンもあります。
 シガニー・ウィーバーの女性後継者(レイコ・エイルスワース)も熱演でした。
 このコメントを書いていて、タイトルが『エイリアンズ VS. プレデター』。ひょっとして、と思い、第一作目のタイトルを見直したところ、矢張り『エイリアン VS. プレデター』となっていました。英語の単数と複数は厳しいのですね。道理でエイリアンが沢山出てきました。
 初めて『ジャンパー』の予告編を観ました。

(原題)ALIENS VS. PREDATOR: REQUIEM
2007/アメリカ/デイヴィス・エンタティンメント・カンパニー/ブランディワイン・プロダクション
20世紀フォックス提供
監督:ザ・ブラザーズ・ストラウス
脚本:シェーン・サラーノ
出演:スティーブン・パスカル、レイコ・エイルスワース、ジョン・オーティス、ジョニー・ルイス、アリエル・ゲイド
2007/12/28公開 1時間34分

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