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1. プロローグ Prologue

白田英雄

この原稿の企画が出たときに、最初にリクエストがあったのは、宇宙ひもについて書いてくれというものでした。のっけからすみませんが、実は最近の本では宇宙ひもについて記述されている本はありません。以前、超ひも理論が話題になったころに同時に宇宙ひもについての話題が出ていて、両者を混同する人もいたものですが、最近は宇宙論関係ではあまり宇宙ひもについての話題は出てこないみたいです。
何故このようなことになったのでしょうか。
実は宇宙論というのは、はやりすたりの早い理論で、昨日の真実が今日真実でありつづけるとは限らないのです。真実でないとかたづけられないほどであっても、流行でなくなった理論については詳しく語られることがなくなってしまうことがあります。
今の宇宙論のはやりはダークマターやダークエネルギーといったキーワードを中心とした話題になっていくのでしょうが、これは従来のあまりにも誤差の大きかった理論が、観測によって精度良くしぼりこむことができるようになってきたことに関連してきています。そして、そのためにダークマターやダークエネルギーといった概念が必要とされるようになってきたのです。
このはやりすたりの大きい理論だということが、この連載開始のネックのひとつとなりました。本当なら論文をチェックして、妥当な理論を紹介するのがすじなのでしょうが、一介のライターの私にできるのは、できるだけ最新の文献を参考にして、その内容を紹介することぐらいしかできません。
本当は冒頭の宇宙ひもにしても、最新の話題はあるのかもしれません。しかし、上記のような理由から、ここではこれ以上宇宙ひもについて述べるのはやめにしておきます。
さて、宇宙論というと何を連想しますでしょうか。色んな考え方があっていいかと思いますが、ここでは宇宙のなりたちを追求する学問であると考えることにします。
この連載では、古代の人の宇宙に関する考えかたからはじまって、先ほどのダークエネルギーなどの話題などにも触れられたらと考えております。

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