雀部 |
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今月の著者インタビューは、9月30日に『グラン・ヴァカンス
廃園の天使1』を出された飛浩隆先生です。飛浩隆先生、よろしくお願いします。 |
飛 |
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よろしくお願いします。まだ作家扱いに慣れていないので(笑)。 |
雀部 |
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さて、今回のインタビューにはもうお一方、私なんかよりず~っと飛浩隆ファン度全開の方をお招きしました。「神魂別冊
飛浩隆作品集」を出された岡田さんです。
岡田さんよろしくお願いします。
さて、岡田さんがこの「神魂別冊 飛浩隆作品集」を出されるきっかけと経緯についてお聞かせ願いませんでしょうか。 |
岡田 |
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経緯といいますか、自分の場合ですが、87年頃からSFマガジンをちょくちょく買うようになって、「夜と泥の」とか「星窓」とか読んでました。あと、SFマガジンセレクションに入った「象られた力」と「”呪界”のほとり」までは読むことができたんですが、それ以外の作品はあることがわかってても読むことが出来なかったんです。で、とても読みたいと思っていたんです。 |
雀部 |
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そうですねぇ。地方ではSFマガジンのバックナンバーを読もうとすると苦労します。
定期購読していると結構な量になりますし(笑) |
岡田 |
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その後「デュオ」が出ましたんで、喜んでそれを読んでおりました。
で、なんで本にまでする気になったかというと、就職とかして、引越しとかしたんですが、実は実家に置いていた「デュオ」の掲載されているSFマガジンが家族に処分されてしまってまして。これに大憤慨しまして。 |
雀部 |
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なんと。これまた私の周辺でも良く聞く話で、涙を禁じ得ません。ネットでも、ダンボール箱に入れていたら、母親にちり紙交換に出されたとか(泣)何度か読みました。 |
岡田 |
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これはもう本にしておかないと自分も読めなくなるなと。
もともと過去の作品もなんとか読みたいってのも自分にもありましたのでこの辺が複合して、じゃあ商業誌に掲載されたのは全部再録できないだろうかということで飛さんに相談持ちかけたのが始まりなんです。 |
雀部 |
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なるほど。しかしすごい行動力だなあ。そう思っても、なかなか本にしてしまうまでというのは大変だったでしょう。 |
岡田 |
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とにかく自分が本で読みたいから作ったってのが発端なのです。
あとは、本になってない関係で、読んだことが無い人にも読んでほしかったというのも当然あります。うれしい誤算として作者自身の解題までもらったんで、読んだことのある人にも是非お勧めしたいとおもっています。 |
雀部 |
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解題は、とても興味深く読ませていただきました。一粒で二度美味しいという感じで、ありがたかったですね。 |
岡田 |
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実は飛さんは、どうせ電子的に編集するんだろうから、CD-Rとかで出すほうが、安く出来るんじゃない?ともおっしゃられたんですが、本の体裁にしたってのは、自分にやっぱり本は活字で読みたいってこだわりがありまして。
厚さはちょっと薄いんですが、新書の体裁をとってるのもその関係でこだわったところです。さすがにハードカバーにすることはちょっとできませんでしたけど。 |
雀部 |
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CD-Rをパソコン上で読むのと、本を手にとって読むのとでは、やはり全然違いますからね。こうして飛浩隆先生の短編集を本の形で読むことが出来るのは、岡田さんのおかげです、本当にどうもありがとうございました。 |