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Author Interview

『猫のゆりかご』
> カート・ヴォネガット・ジュニア著/伊藤典夫訳/和田誠カバーイラスト
> ISBN 4-15-010353-4
> ハヤカワ文庫SF
> 630円
> 1979.7.31発行
 『世界が終末をむかえた日』の執筆準備に取りかかったジョーナは、まだキリスト教徒だった。そして彼が禁断のボコノン教を奉じるようになったきっかけこそ、この未完の本だったのだ。
 たぶん、「猫のゆりかご」のテーマは、科学と宗教どちらが人類を幸福にするかだと思います。科学は、原爆の父と、彼が発明したアイス・ナインが代表し、宗教は、ボコノン教という怪しげな宗教が代表している。このボコノン教は、嘘だらけだけれども、それを信じるサン・ロレンゾの人々は、科学の恩恵など何一つ受けていないけれど、幸せに生きているんですよね。ヴォネガット氏は、ろくでもない科学なんかを信奉しないで、もっと気楽に生きようよと語りかけているような気がします。
 嘘と冗談から出来上がったように見えて、実は深遠なのかと思わせるボコノン教と、全世界を破滅させる危険を秘めた新物質アイス・ナインという魅力的な小道具も、ぜひ味わって頂きたいものです。

『ユニヴァーサル野球協会』
> ロバート・クーヴァー著/越川芳明訳/東幸見カバーイラスト
> ISBN 4-10-232801-7
> 新潮文庫
> 530円(絶版)
> 1990.8.25発行
 パイオニアのゴールデン・ルーキー、デイモンがついに完全試合達成!
 しかしこれは、しがない中年の会計士ヘンリーが、頭の中だけで作ったプロ野球リーグの中での出来事。すべてのプレイの結果は厳正なサイコロと一覧表で決められ(確率的に低い重大な出来事は、特別の大事件一覧表が適用される)、この莫大な数字と記録だけでできた架空のプロ野球リーグには何十年もの歴史があり、野球選手ばかりではなく、そのOBや監督など何千人もの登場人物達がリーグを構成しているのだ。

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