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マグロになりかけたお話
doru

 元旦に近所のホームセンターで福袋の販売があります。1袋2000円の文具福袋の中には4000円相当の文具がはいっているのでお得感200%なので早朝から並ばないと買えません。おかあさんは、まあちゃんを子供用自転車で、えっちゃんを自分の自転車の後ろに乗せて行きました。

 まあちゃんとえっちゃんがそれぞれ好きな福袋を選びました。まあちゃんは空色の福袋、えっちゃんはピンクの福袋を選びました。二人が早く帰って福袋の中身を見てみたいというので、他のものは買わずに店を出ました。

 帰り、電車の踏切があって、ちょうど三人が来たときに、電車が来るちんちんという音が聞こえてきました。まだ遮断機も降りていなかったので、おかあさんが先頭に踏切の中に入って、まあちゃんもついてきました。おかあさんはうまく渡り切るつもりでしたが、もうちょっとというところで遮断機が下りてしまい、親子三人が線路に閉じ込められてしまいました。おかあさんは、自転車から降りて遮断機の棒をあげてまあちゃんを線路の外に出して逃がしてあげました。おかあさんは次に遮断機をあげたまま、自転車を押して線路から逃げました。線路から三人が出たとき、電車がごごごごごごごごといって何事もなかったように通りました。

 おかあさんは正月早々マグロになりかけたわ。今度からはあわてず、踏切がちんちんと鳴って入らないようにしようと思いました。

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