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口紅を食べ続ける女性たちPAGE1

藤川 零

 

 皆さんはこの事実をご存じだろうか。女性は年頃になると化粧をするが、一生のうちに実は5〜30本の口紅やリップクリームを食べてしまっているそうな、、、
 20XX年 ローズキン村である事件が起こる。
 50代の女性が突然死した。原因は不明で、村一番の美人として年老いても美しかった。
 地元警察は、死体解剖を行い原因を探していた。
「刺し傷も薬を飲んだ後も見られない。」殺人でもなければ自殺でもないことが判明した。
 解剖を続けた結果、体内から血と間違えるような赤い物体を検出した。
「こっ、これは。。。口紅です!口紅が出てきました」
 どうやら血管の中で口紅が詰まったらしい。どうやって詰まったかはわからないままだが・・。
 そして口紅を体内から見つけるまでの間に同じような変死をしたものは150人と分かった。
 全世界でも大規模なニュースとなったのだが、それでも口紅を使わなくなった女性はあまりいなかったのだ。そのあとも口紅が原因で亡くなる人は1000を超えた。
 なので国はこれを「口紅自殺」とか「口紅病」と呼ぶことにしたという。
 実際にこのニュースがあってから自殺をする際に無理やり口紅を食べる人々が増えたらしい。これは年齢を問わず自殺の手段に使われたことだという。食べた後に即死するのではなく1週間〜10日かけてから亡くなる。
 初期症状は無いし、治療方法は「それ以上口紅を塗ったらいけません」それしかなかった。
 それ以降、口紅の販売生産を中止した。
 当然リップクリームも口紅も使わないなら、女性の化粧の幅がなくなるし唇はカサカサになり、外に出られなくなったり恋人ができなくなったりの影響があった。
 体に害のない口紅は当時開発されていなかったのでたくさんの反乱がおこり、オーガニックリップを作る研究者が増加した。自然由来の口紅はコストが高く、とても一般的な価格には届かなかった。これ以降女性が口紅を塗ることも許されない世界へと変貌してしまった。女性の家から口紅を回収し、宇宙へと捨てられた。

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