原作は 田中芳樹のSF小説。
小説は全1巻
漫画は全5巻
2005年シェアード・ワールドに基いた小説が別作者群で発売された。
アニメはOVAで1994年に発売。七都市物語 〜北極海戦線〜。全2話58 分。
西暦2088年、地球の地軸が90度転倒する「大転倒」により、人類は激減。月面に住んでいた人々は
地球に七つの都市を建設し、地上の生存者を住まわせた。
月面都市の住人は新生地球人類への支配権を手にするため、地上500メートル以上を飛ぶ飛行体を
すべて撃墜する「オリンポスシステム」を設置した。
その後月面都市の住人は謎の疫病により滅び去る。
航空技術が制限された地球で、七つの都市が覇権をかけて戦う時代が始まる。
アクイロニア市
アルマリック・アスヴァール
28歳独身。登場当初の階級は大佐、通称AAA(トリプルA)。
ニコラス・ブルーム
33歳。モーブリッジ長期政権に嫌気の差した市民により元首に選出される。
リュウ・ウェイ
31歳。花畑を所有する園芸家だったが、園芸家組合でのトラブル処理能力を買われ、
立法議会議員に選出されてしまう。
ブルームとは友人であり、かつ彼の参謀役でもある。
戦後は粛清を避けるため、タデメッカに姪と共に亡命して農園を経営する。
プリンス・ハラルドユーリー・クルガン
29歳。国防軍中佐。AAAとギルフォードに匹敵する天才型の陸戦指揮官。
ブエノス・ゾンデ市
ギュンター・ノルト
29歳。初登場時での階級は中佐。北部管区司令官に任命され、ペルー海峡防衛の指揮を執る。
ニュー・キャメロット市
ケネス・ギルフォード
29歳。准将。ニュー・キャメロット政府幹部。口調は礼儀正しく、礼節を弁えてはいるが、
誰に対しても容赦ない発言をするため、政治家や軍上層部からは煙たがられている。
原作では以下の戦闘が描かれている。
アニメでは北極海戦線のみである。
知略を尽くす各戦線の物語は面白い。
優秀な現場、無能な政府上層部、犠牲になる兵士が可哀そう。
現実世界と同様に争いの種は尽きない、人類はどうなるのか?
北極海戦線
ポルタ・ニグレ掃滅戦
ペルー海峡攻防戦
ジャスモード会戦
ブエノス・ゾンデ再攻略戦
余談
戦記物語と言えば
月刊のミリタリー総合雑誌『丸』が1965年12月号から1968年4月号まで、約2年半にわたって、
五人のSF作家を起用して読切連載をおこなった。
それらをまとめた『全艦発進せよ!―(オール・ファイヤー)SF未来戦記』
が1978年12月に刊行された。
書籍帯の宣伝文句。
SF未来戦記、戦争テーマの異色アンソロジー
日本を、地球を、太陽系諸惑星を舞台に、そして銀河系宇宙の
遙かかなたの虚空にくりひろげられる冷酷無惨な未来戦を描く連作SF。
なんだか、未来戦記などというと、これを書いたSF作家たちは、好戦的で、
反平和的な思想の持ち主であるかのように誤解されるかもしれませんが、
そうではありません。
戦争という『限界状況』の中で、人間が何を考え、どのように行動する
かというのは、生をどのように考え死をどのようにとらえているかとい
うことになり、同時にそれは、それを描く作家自身にとって、おのれの
精神の所在を探究することでもあります。
あの、いまわしい戦争の記憶も、もうずっと遠くなり、戦争を知らない
若い人たちにとっては、戦場の死の恐怖も、スリリングな風俗と
化してしまった観があります。
酸鼻な戦争が終って、まだ三十年にしかならないのに『有事立法』などと
いう言葉が飛び出してくる時勢なのです。
のど元すぎれば熱さを忘れる、とはむかしの人は実にうまいことを言った
ものです。光瀬龍「あとがきにかえて」より
光瀬龍篇
戦士たち
あかつきの谷間
機動部隊を撃滅せよ
白兵戦
トロイ作戦
月基地をほうむれ!
三陸沖異状あり
敵の手にわたすな
ネグロスの丘
もう一つの夜明け
福島正実 篇
空の記憶
よみがえる過去
決定的瞬間
高橋泰邦 篇
出擊十五分前
海底基地
書かれざる戦記
発狂した水爆艦
今日泊亜蘭篇
幻兵団
確率空中戦
御国の四方を
みどりの星
眉村 卓篇
敵は地球だ
虚空の花
最初の戦闘
最後の火星基地
怨霊地帯
防衛戦闘員
最終作戦
敵と味方と
かなり前の作品ですが読み応え有り、戦争に対する抵抗感が
強く感じられます。
眉村 卓「最初の戦闘」が印象深かった。
初めての戦いに臨む青年。
分身技術により50体に複製された青年は30分のリミットで
敵の地下ロボットエ場破壊に挑む、分身作戦は成功した。
以下の文章で物語は終わる。
「爆発の震動によってきみが成功したのはわかっていた
んだ。これできみも一人前だな …… さあ、ぼくと一杯飲もうじゃないか」
私はうなずいた。ひどく疲れていた。
これから私は、さらに何十回も何百回も、いや何千回も死の体験を
しながら闘いつづけてゆくのである。
そのことを考えると …… 。
だが、私はそんな心を思い切りよく振り払うと、機長に笑顔を向けて言った。
「やりましょう。ウィスキーは久し振りでしてね」
