軽茶
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◆ 特集 doru 追悼号

doru追悼特集

180号刊行の直後、アニマソラリスに多数の寄稿をしてきたdoruさんが亡くなりました。 彼女が亡くなられる直前に書いた作品をここに掲載いたします。

doruさんの最後の短編です。今となってはご本人に確認が出来ないので校正してません。ご了承下さい。


「進化の果実」
ハイパードライブの故障で、原初の宇宙に迷い込んでしまった。 故郷へ帰る手段が皆無と知った私がとった方法、それは自らのDNAを元にして、進化の階段を着実に上がっていくしかなかった。
「踏んだ感触と最後の3分間」
生き物が好きだった私が育てたセキセイインコたちの思い出……
「馬鹿鳥インコの話」
俺と姪っ子とゲロを吐く馬鹿インコのちょっと悲しい思い出話
「二つの世界」
時間旅行者の二人が着いた世界は、元居た世界と違い放射能に汚染されておらず、 新鮮な空気があり、幸せそうな人々が暮らしていた。 二人は、指導者らしき老人に案内され、この世界の人たちの家に招き入れられるのだが……
「仮面をかぶった少年」
学校帰りに事故に遭い生死の境をさまよった少年は、ある特殊な装置で生き続けるようになった。 だが、その裏には隠された秘密があった。
「1000年同じ姿を保ったまま黒髪と黒い瞳の美青年の話」
呪法を使ってこの次元に転生してきたエリフ族王子。 転生にエネルギーを使い果たして、しばらくこの世界にとどまることに。 何やかにやあり、子育てに目覚めた俺は、可愛い息子のために出来るだけのことをしようと決意する。

doruさん逝去に寄せて


◆ コラム

十億年のうたたね

doru

2009年7月から2018年12月まで続いたdoruさんのエッセイ(日記)です。

今のところどんな文章が受けるか試行錯誤している途中です。 どんな方角に向かうかわかりませんが、他の人が楽しめるよりよい短い文章を継続して書いていくつもりです ”(doru談)

編集後記

「生き急いだdoruさん」

doruさんの言葉で印象に残っているのは「生き物は一生のうちでだいたい決まった脈拍総数があって、 ねずみの脈拍の速さは物凄く早いから早く死んで、象とかは脈拍が遅くで長生きする。 私は普段の脈拍が120回/分だし持病もあるので、普通の人より早く死ぬんだ」と。

人生を駆け抜けたdoruさん、安らかにおやすみくださいませ。

雀部陽一郎 (監修/書評子)

だいぶ前に、日本にPCのRPGゲームを紹介したゲーム翻訳家の友人が亡くなり、数年前に親友の訃報が届き、そしてこの数年間にAnima Solarisの仲間が一人また一人と逝きました。

みんな他の世界線で活躍してると思うのですが、こっちでもっと一緒に遊びたかった、とても残念です。

doruさんのご冥福をお祈り申し上げます。

福田弘生 (Anima Solarisプロデューサー)

アニマソラリスの初期から参加されてる方も、もうすでに何人か鬼籍に入られています。

モズ中野さんにははじめのころかなりお世話になりましたが、 アニソラ創刊から今まで来てようやっと彼がおっしゃられていた考え方というのが、 ほんのちょっとだけ見えてきたかも、というところです。

少し前に追悼特集を組みました高本淳さんには、作品を書く上でのしぶとさや、アイディアの多さに圧倒されていました。

翻って、自分は何を残せただろう、いや、何を残せるだろうなんて最近は思ってしまいます。

人生の締め切りに間に合うと良いな、色々と。

180号の刊行の直後にまたひとり、アニマソラリスに多数寄稿されていた doru さんが亡くなられました。

御冥福をお祈りします。

おおむらゆう (編集)