一般映画」カテゴリーアーカイブ

『ひとよ』『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』『四月になれば彼女は』

『ひとよ』2019年11月公開、白石和彌監督作品
原作:桑原裕子の舞台劇「ひとよ」
 タクシー会社を営む稲村家の母・こはるは、最愛の子どもたち三兄妹を守るため家庭内暴力をふるう夫を手にかけた。それから15年後、あの日以来時間が止まってしまった一家の元にこはるが帰ってくる。そして上京していた次男でフリーライターの雄二も帰省するが……
 重たい映画ですが、救いが無いわけでは無い。

『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』2023年11月公開、穐山茉由監督作品
原作:大木亜希子『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』
 アイドル引退後、ライターとして働いていた主人公が心の疲れから会社に行けなくなり、貯金も底をついたため、友人から紹介された56歳の男性が住む家で間借りすることになった……。
 ほっこりする映画です(笑)

『四月になれば彼女は』2024年3月公開、山田智和監督作品
原作:川村元気『四月になれば彼女は』
 精神科医の藤代俊のもとに、かつての恋人である伊予田春から手紙が届く。ボリビアのウユニ塩湖から出されたその手紙には、10年前の初恋の記憶がつづられていた。その後もプラハやアイスランドなど世界各地から手紙が届く。
 その一方で藤代はいまの恋人との結婚の準備を進めていたが、ある日突然、彼女は「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」という謎めいた言葉を残して姿を消してしまう……
 人生は(恋愛は)二人だけで構成されているものではないのですね。
 個人的な「萌え」ポイントは、音楽が地元(クルマで10分くらい)の歌手である藤井風さんの「満ちてゆく」。
 それと主人公の同期で写真部の部長のあだ名が「ペンタックス」。フィルム時代のPENTAX MEから写真を始め、現在のデジイチもPENTAXの私としてはなんかうれしい(笑)

2025年2月4日

『彼女がその名を知らない鳥たち』『水は海に向かって流れる』

『彼女がその名を知らない鳥たち』2017年10月公開、白石和彌監督作品
原作:沼田まほかる
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
最近、その演技にハマっている阿部サダヲさんが、取り柄のないガサツで汚らしい男「陣治」を演じてます。会社にクレームを入れるのと陣治を糞味噌にけなすのが憂さ晴らしになっている十和子を蒼井優さんが演じてます。
この二人、なんで同棲するようになったのか、陣治のひたむきな愛情はどこから来ているのかが徐々に明らかになっていくところが見所です。
こんな二人の関係、あり得ないだろうとは思わせない、二人の怪演が凄い。

『水は海に向かって流れる』2023年6月公開、前田哲監督作品
原作は田島列島氏の同名のマンガ
高校に入学した直達は、通学のため叔父・茂道の家に居候することになった。見知らぬ女性に案内されたのはシェアハウスで、会社員の榊さん、マンガ家の叔父の茂道、女装の占い師、海外を放浪する大学教授らのくせ者ぞろいだった。しかし、直達と榊さんの間には思わぬ因縁があったのだった。

2024年11月18日

『ある用務員』『ベイビーわるきゅーれ』『ベイビーわるきゅーれ 2』『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』『グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編]』

『ある用務員』2021年1月公開、阪元裕吾監督作品
 深見は、幼少期にヤクザだった父を殺され、日本を裏から牛耳る真島に育てられた。今は真島の娘・唯の影のボディーガード役になり、高校で用務員として働いていた。そして彼は真島に訓練を施された「殺し屋」という裏の顔も持っていた。ある日真島総裁は、国内から撤退しアジア諸国で闇ビジネスを展開することにするが、それに反発する配下の西森組長が、唯を狙って殺し屋を送り込んでくる。
 《ベイビーわるきゅーれ》シリーズの主演二人が初めてコンビで出演!

『グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編]』2022年8月公開、阪元裕吾監督作品
 女の子6人がプロの殺し屋を目指し、最強殺し屋伝説国岡の主人公が教師の訓練合宿に参加する。
 女子は全員ミスマガジン2021年度の受賞者。演技経験もアクションの経験もないため、相当コメディ寄りの作品になってます。
 
『ベイビーわるきゅーれ』2021年月7公開、阪元裕吾監督作品
『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』2023年3月公開、阪元裕吾監督作品
『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』2024年9月公開、阪元裕吾監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 二人の殺し屋の少女の日常を、オフビートなタッチで描いた作品。
 アクションがなかなか様になっているんだけれども軽いというか、予定調和というか。ジャッキー・チェンのアクションを更に軽くした感じで、肉弾相打つという感じからはほど遠いです。まあそこを追求した作品ではないので。まあ、スタイリッシュな殺し屋二人組の話ですな。よくぼろぼろにされているけど(笑)

2024年11月18日

『教祖誕生』『ロストケア』

『教祖誕生』1993年11月公開、天間敏宏監督作品
原作:ビートたけし
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 ある青年が、暇を持て余していたところ新興宗教の教団に遭遇し、明らかにサクラを使った公開秘蹟などに興味を持ち、同行することになる。その後、元ホームレスでお飾りの雇われ教祖が追放され、2代目教祖に祭り上げられることとなる。
 新興宗教の胡散臭さと儲け主義に痛烈な批判を突きつけた一作。

『ロストケア』2023年3月公開、前田哲監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
 ケアセンターの職員、斯波はとても献身的な介護士で、センターの利用者から好感を持たれ、後輩や同僚、センター長からも信頼されていた。ある日、自宅で要介護者とセンター長が亡くなっているのが発見される。最初は、借金があるセンター長が、窃盗目的で犯行に及んだ際の事故死ではないかと思われていたが……。
 その事件とは別に、ケアセンターでの利用者の死亡件数が県平均よりも抜きんでて多く、斯波の休日に亡くなる要介護者が多いことが判明するに及び、事件は急展開する。
 要介護者とその家族、ヘルパーにまつわる問題を正面から取り上げた問題作。介護認定審査会の委員を務めているのですが、各家庭で様々な案件があり、大変な家庭は本当に大変そうで昔はどうやって乗り切ったのだろうかと……

2024年10月5日

『二代目はクリスチャン』『包帯クラブ』

『二代目はクリスチャン』1985年9月公開、井筒和幸監督作品
原作・脚本:つかこうへい
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 ヤクザの二代目が、教会のシスターに懸想して……結局、情にほだされて結婚することになるが、新婚早々夫が殺され、シスターが組を継ぐことに。シスター役の志穂美悦子さんが、アクションを封印して健気なヒロイン役に徹していて可愛い(笑)
 女子高生が跡目を継ぐという『セーラー服と機関銃』(1981)を意識しているのは当然ですが、コメディ系に振り切っていて、そこが面白いです。あ、かなりヤクザ映画も意識してます(笑)

『包帯クラブ』2007年9月公開、堤幸彦監督作品
原作:『包帯クラブ』天童荒太著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
「傷ついた出来事をサイトで受け付ける→その人が傷ついた場所に包帯を巻きに行く→包帯を巻いた風景をデジカメで撮影して投稿者に送る」という一連の行為で傷ついた人のトラウマを癒やそうという包帯クラブ。
その包帯クラブを巡る事件とトラブルを通して高校生達の成長を描く。
有名俳優達の若かりしころが観られます。石原さとみさん、とりわけ可愛い(笑)

2024年9月14日

『なくもんか』『謝罪の王様』

 阿部サダヲさんの怪演を楽しむ二作品(笑)
『なくもんか』2009年11月公開、水田伸生監督作品、宮藤官九郎脚本
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
 「究極の八方美人」と呼ばれる下井草祐太は、東京の下町で絶品ハムカツで有名な総菜店を営んでいた。
  実の息子でないにも関わらず、店を切り盛りする裕太は「デリカの山ちゃん」と呼ばれ、周りに人たちから何かと頼られ、また彼もニコニコ笑いながらそれを引き受けていた。そこに亡くなった店の主人の娘が子連れで出戻って来た。ある日、TVでも名な人気漫才コンビの一片割れが、裕太の生き別れの弟だと判明し連絡を取るが……

『謝罪の王様』2013年9月公開、水田伸生監督作品、宮藤官九郎脚本
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 黒島譲は、窮極の謝罪をレクチャーする「東京謝罪センター」の所長。
 帰国子女で謝ることが出来ず、ヤクザとトラブルを起こした若い女性を助け、その女性が助手を志願してきたため雇うことに。
 そして、国際問題に発展したトラブルを解決するように依頼された黒島の成果は如何に。
 窮極の謝罪とはいったい何だったのだろうという疑問が……(笑)

2024年9月13日

『身も心も』『愚行録』『ある男』『零落』『花腐し』

荒井晴彦監督インタビュー
荒井監督は1947年生まれ。団塊の世代・全共闘世代。年齢もあまり変わらないので共感しやすい。ピンク映画出身というのも作品の手法からからよくわかる気がする。
石川慶監督インタビュー
ポーランドで映画を学んだ石川監督の特異性(?)と手法や映像に込められた想いがよく分かるインタビュー記事。読んでから観直すとなるほどと納得した部分が多々ありました。

『身も心も』1997年10月公開、荒井晴彦監督作品
学生運動にのめり込んでいた岡本と関谷は、火炎瓶を投擲した罪で関谷だけ逮捕され3年刑務所に入る。関谷が服役中に、彼の恋人の綾とできてしまった岡本は、結婚したものの25年後の今では綾の愛情が冷め切ってしまい別居中の身だ。ここに綾の親友である麗子が登場し、四人の想いが絡み合う。
全共闘世代にはちょっと分かるところもある映画。志を共にした同志の関係性が危うい。かたせ梨乃さんと永島暎子さんの脱ぎっぷりの良さを楽しむ映画かも(笑)

『愚行録』2017年1月公開、石川慶監督作品
原作:貫井徳郎『愚行録』
迷宮入りした1年前の一家惨殺事件の取材を始めた週刊誌の記者。同僚や友人たちからの取材で、理想的に見えた夫婦の意外な裏側が明かされる。また、同僚や友人たちの本性、そして記者自身の本性もあぶり出されていく。

『ある男』2022年9月公開、石川慶監督作品
平野啓一郎原作
亡くなった夫の兄を名乗る人物に遺影を「これは弟ではない」と言われた女性。彼女から夫の身元調査をしてほしいと依頼を受けた弁護士の城戸。調査に乗り出した城戸は、死んだ夫・大祐の本当の出自と他人に背乗りしたその理由に迫っていく。

『零落』2023年3月公開、竹中直人監督作品
原作マンガ:『零落』浅野いにお
8年間連載してきた漫画が完結してしまった漫画家の深澤は、次回作が描けずイライラを募らせていた。マンガ編集者で多忙を極める妻との関係も冷え切り、鬱屈した日々を過ごす彼は、ある日、風俗店を訪れ、猫のような眼をした女に出会い惹かれていく。ふとしたことから一緒に彼女の故郷へ行くことになるが……

「これは俺が描きたい漫画じゃないんだ!」という叫びが聞こえてきそうな映画。しかし売れなきゃ読んで貰えないわけで、そこらあたりがジレンマでしょう。

『花腐し』2023年11月公開、荒井晴彦監督作品
女優・祥子と同棲している最近新作映画を撮ってないピンク映画の監督。家賃を滞納している彼は、大家から家賃の値下げと引き換えに、アパートに居座る住人の立ち退き交渉を頼まれる。そこで出会った二人はなぜか気が合い、酒を酌み交わすうちに過去付き合った女性の話に……

2024年9月5日

『劇場版 きのう何食べた?』『シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ』『ひみつのなっちゃん。』

『劇場版 きのう何食べた?』2021年11月公開、中江和仁監督作品
原作:マンガ《きのう何食べた?》シリーズ(よしながふみ作)
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
人気TVドラマ「きのう何食べた?」のキャスト&スタッフで映画化した劇場版。
雇われ弁護士のシロさんとその恋人で美容師のケンジの日常(特に食事)を描いた作品。ある日、シロさんの提案で、ケンジの誕生日プレゼントとして京都旅行に行くことに……
マンガはモーニング誌で読んでますし、TVドラマもカミさんと観てます。大好き(笑) (^o^)/
しかし、ケンジ役の内野さんは、クネクネし過ぎではないでしょうか(爆)

『シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ』2022年10月公開、セドリック・ル・ギャロ&マキシム・ゴヴァール監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
「シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち」の続編。フランス映画。
ゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」は、LGBTQ+の祭典のため東京へと旅立つ。しかしその道中で、ゲイを差別しゲイ狩をしているロシアの街で一晩を過ごす羽目になってしまう。
ほぼ東京は出てきません(笑)前作よりパワーダウンしたかも。お馬鹿で明るくてちょっぴり悲しくてパワー満載。

『ひみつのなっちゃん。』2023年1月公開、田中和次朗監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
大切な恩人であり友人であるなっちゃんの死をきっかけに集まった3人のドラァグクイーンが、なっちゃんが“オネエ”であることを知らない家族のため、普通の“おじさん”としてお葬式に参列するまでのてんやわんやを描いたロードムービー。

2024年1月17日

『映画 鈴木先生』 『ALIVEHOON アライブフーン』『グランツーリスモ』

『映画 鈴木先生』2013年1月公開、河合勇人監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
 中学校の2年生を受け持つ鈴木先生は、理想のクラス(生徒)を作ろうとしていた。理想の実現のためにある女子生徒に注目・期待しているうちに彼女の魅力にとりつかれ、良からぬ妄想をしてしまう。生徒会の立候補演説会で、ある生徒からただならぬ発言があり、生徒職員共にどよめく。そして投票日、卒業生が学校に立てこもり、生徒が人質に取られるという事件が発生する。
 色々考えさせられるど直球の映画です。

『グランツーリスモ』2023年8月公開、ニール・ブロムカンプ監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 ドライビングゲーム「グランツーリスモ」に熱中する青年ヤン・マーデンボローは、同ゲームのトッププレイヤーたちを実際のプロレーサーとして育成するプログラム「GTアカデミー」の存在を知る。そこには、プレイヤーの才能と可能性を信じてアカデミーを発足した男ダニーと、ゲーマーが活躍できるような甘い世界ではないと考えながらも指導を引き受けた元レーサーのジャック、そして世界中から集められたトッププレイヤーたちがいた。 

『ALIVEHOON アライブフーン』2022年6月公開、下山天監督作品
監修:ドリフトキング“土屋圭市”
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
すべてのシーンが実写!のドリフトレース映画。私は、トラックでヨーロッパを巡るというドライビングゲームをやってますが、まじのレースゲームは、もう反射神経がついていけません(滝汗;)
eスポーツで日本一のレーサーの男性が、解散の危機に陥ったドリフトチームにスカウトされ、リアルドリフトレースの頂点を目指す。クライマックスのレースシーンはドリフトの聖地と呼ばれたエビスサーキットの改修前の南コースで撮影された。
『ALIVEHOON アライブフーン』特設サイトhttps://alivehoon.com/

『十階のモスキート』『スペーストラベラーズ』『茶飲友達』

『十階のモスキート』1983年7月公開、崔洋一監督作品
 出世の見込みも無く妻に逃げられ毎月の養育費を支払うのにも汲々としている冴えない警察官の男は、マンションの十階に住んでいた。しかしなぜか女には不自由してない。それらに加えてバーのツケ、ギャンブルの借金がかさみ、ついに消費者金融に手を出してしまい、勤務先の交番まで借金取りが押しかけてくるに及んで、男は追い詰められてしまう。 
 当時話題になった問題作。実際に起こった事件を元にした映画でもある。

『スペーストラベラーズ』2000年4月公開、本広克行監督作品
 極限状態で、被害者と犯人との間に心理的なつながりが構築されるという「ストックホルム症候群」を描いた映画(?)“スペーストラベラーズ”とは、犯人達と被害者たちの繋がりを表すモチーフとして登場するSFアニメの題名で、この映画がSF映画というわけではない。←題名だけ見て見始めたのだけれど(汗;)
 銀行に、同じ孤児院で兄弟のように育った3人組の強盗団が押し入る。ところが、ほどなく彼らの計画は狂ってしまい、翌朝まで数名の行員と客を人質に立てこもることになる……

『茶飲友達』2023年2月公開、外山文治監督作品
 佐々木マナを代表にした怪しい会社は、新聞に“茶飲友達、募集”という広告を出していた。実は、彼らが運営しているのは売春クラブで、そこには多数の65歳以上の女性が所属し、行き所の無い熟年男性の欲望を満たすのを仕事としていた。ある日、マナはスーパーで万引きした高齢女性と出会い、彼女を売春婦にしようするが……

2024年1月15日