著者インタビュー関連書籍」カテゴリーアーカイブ

平谷美樹先生著者インタビュー関連本

《貸し物屋お庸》書影『貸し物屋お庸謎解き帖 五本の蛇目』平谷美樹著、丹地陽子装画
2023.6.15、大和書房、880円、Kindle版836円
「無い物はない」江戸のレンタルショップ湊屋両国出店の娘店主は、物だけでなく知恵も貸してくれるという評判を聞きつけて、今日も悩みと秘密を抱えた胡乱なお客がやってくる──。
湊屋本店と江戸市中に十二ある出店のすべてを訪れた謎の翁の正体は?
慌てて借り出された五本の蛇目傘はいったい何に使われるのか?
毎夜馬小屋を訪れる怪しい影は河童? それとも亡魂?
厄介事も無理難題も持ち前の好奇心と人情で一件落着!お客が求める貸し物の陰に隠れた事情を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、大人気書き下ろし時代小説、


『虎と十字架』書影『虎と十字架 南部藩虎騒動』平谷美樹著、ヤマモトマサアキ装画
2023.8.1、実業之日本社、2090円、Kindle版1881円
謎が謎を呼ぶ虎脱走事件。ミステリと時代小説の融合を試みる作者のこれが最高傑作だ!―――――縄田一男氏(文芸評論家)
家康から贈られた虎が城から逃げ、死体が消えた!
国を揺るがす虎騒動の意外な真実とは?
著者、会心の歴史時代ミステリー長編!
目次:序章
第一章 虎捕物
第二章 切支丹と金山
第三章 乱世の尻尾
第四章 雪原の若武者
第五章 繋がらぬ環
第六章 騒動の真実


「ラ・クラ」7,8月号書影「ra ラ・クラ kra」7・8月号、vol.118
「さんりく巡礼 その四十六 陸前高田 未来に続く桜並木」平谷美樹著
「ラ・クラ」誌を最初に読んだのは、河北新報に『沙棗』を連載されていた時だから、32年くらい前になります。東北三県に特化したユニークな雑誌です。

河野咲子先生関連本

河野咲子先生の作品・活動記録は、ご自身の「note」にまとめられてます。
ここを見れば、見落とすことはないので便利です。
ということで、各作品へのリンクは、「note」を参照下さい。
「水溶性のダンス」書影「水溶性のダンス」河野咲子著
2023.2.10、(株)ゲンロン、Kindle版385円
第5回ゲンロンSF新人賞受賞作品
からくり仕掛けの骨格に、パルプ鉱でできた肉をまとった人びとが暮らす街。
ある雨夜、からだの修復を行う「人体師」のわたしは、
体内に「強い言葉」を持つ踊り子に出逢う──。
敢えて分類するとすればハイ・ファンタジー。水分に弱いからだを纏う人形たちの生命活動はどうなっているのだろうかとか、タバコを吸う行為はいかにしてなしうるのかとか、そこらあたりの末梢はどうでもよく、作者の描く不可思議な世界にどっぷりとはままり、紡ぎだされたイメージが予想外に絡み合い展開していく様に身を任せる心地よさ。
ことさらシンボリックな意味合いを考えなくても十分に楽しめる物語の強度を持った作品だと思います。


『SCI-FIRE 2022』『SCI-FIRE 2022』特集:インフレーション/陰謀論
【創作:陰謀論編】
「安らかなる彗星」河野咲子著
 宇宙空間で死を迎えることを望んだ乗客だけが乗り組んだ宇宙船<彗星>での物語。
 主人公は乗客の中ではひときわ若い年齢の女性なのですが、右上の奥歯のあたりに欠落の感覚があり、いつもそこを舌でまさぐるのが癖になっています。その感覚と居たのか居なかったのか定かではなくなっていく夫の存在との対比が面白い。歯が欠落した後、喪失感というかぽっかり穴の空いた感覚が長い間残っていて慣れるのに時間がかかるというのは比較的よくみられる症状なのですが、口腔内の空間が記憶(実際は舌と頬の内側でしょうが)しているような感じがあります。著者は、この感覚を突き詰めていくことによって元の存在がどうであれ、喪失の記憶を緊密に積み上げることによってそこにあった(あるべきな)姿形を構築でき、それはかつて実際にあったものとして認識できるのではないかという問いかけを呈示しています。これは凄い。こんな風に考えたことはなかった……


第5期生卒業文集
★座談会『SF創作講座黄金世代のつどい』河野咲子×新川帆立×竹田人造×田場狩
うかがいたいことは大体出てきているような気がしてます(汗;)
河野さんと新川帆立さんが同じ大学出身ということは、お二人とも東大なんですね。ご専攻がどういう分野だったのかがちょっと気になります。
★テーマ短編 : チャレンジ編
★テーマ短編:リベンジ編
★フリー短編
「みそかあめのよ」河野咲子
冒頭“年にいちどの真夏の夜、谷におしゃべりな雨が降る”ということで、比喩的表現ではなく、喋る雨が降る里のお話しです。SFぼい設定だと、今年一年のスマホでのすべての人間のすべての会話が渾然一体となってスピーカーから聞こえてくる感じということになるのだろうか。
もちろん河野さんはそういう野暮な設定にはせず、「みそか雨」という詩的な現象を紡ぎ出してくる。そういう不思議な自然現象に身を任せて溺れていく心地よさがあります。


『文藝 90th』『文藝 90th』2023年春期号
創刊90周年記念号「文学の最前線がここにある」
「【連載】文芸季評『たったひとり、私だけの部屋で』2021年10月~2022年11月 問いかけと文学(水上文著)」のなかで、「水溶性のダンス」と「秘伝隠岐七番歌合」について言及があります。


小説すばる2022年10月号『小説すばる』2022年10月号
【コラム】のりがたり「エイになった男の子」河野咲子著
同級生の弟が、どうしても水族館に行きたくてとった行動が……


ユリイカ2012年12月号ユリイカ 2021年12月号
特集=フレデリック・ワイズマン
◆われ発見せり(奥付の上2/3。編集後記と同居)
「棒読みの愉悦をたどる」河野咲子著


ユリイカ 2022年6月号ユリイカ 2022年6月号
特集=ゲルハルト・リヒター ―生誕90年記念特集―
◆散文 「硝子絵画の居住者たち」河野咲子著
ゲルハルト・リヒター《カードの家(5枚)にて》
「ゲルハルト・リヒター 14枚のガラス/豊島」、ここは、ご近所なんですが不定期開催ということで未見。
ガラスというと、空間は物理的に隔てるのだけれど、視覚的には角度により透明から全反射(不透明)まで変化するので素材としては面白いです。「富山ガラス美術館」には行ったことがあるのですが、透明ガラスを使った展示があったかどうかは忘れました(汗;) うちのカミさんが近づきすぎて「お手を触れないで下さい」と言われていたのは覚えている(汗;)


「セリーヌ・シアマと時間SFと余命とゴダールの死を思う河野咲子と近況話す」(ポッドキャスト「みなみしまと雑談と」)
 『秘密の森の、その向こう』の粗筋読んだけど、時間SFなの?と思いwowowオンデマンドで見たら、なるほどそういう時間SFなんだと(汗;)wowowに加入している人は、ログインすると見ることが出来ます。


『ポッドキャスト「羽化とマカロニRADIO」』:「生にとって言語表現とはなにか」を読む:
6. 「歯」のフィクションと語る=噛む身体、あるいは恋愛相談?
“「歯」のフィクション”って何のこと??
対談の中で度々出てくる「無断と土」なんですが、聞いたことあると思ったら、二回は読んでいたのに忘れていた(汗;)一回目は、SFマガジン「異常論文」、それとアンソロジーの『異常論文』と『ベストSF2022』に収録されてました。


「雨カズラの生長」河野咲子著、小説アンソロジー『FFEEN vol.1』収録(https://note.com/ffeen_pub/m/m31e94e586f42)
常に雨が降りどこもかしこも水浸しで、人々は巨大な船で今まで通りの生活をしていくか、高いビルに逃げ込み部屋の中まで入り込んでくる雨雲と共生して生活する人々に別れている。
河野さんの持ち味が良く出たデカダンな香りのするファンタジー。オールドSFファンとしては、バラードの破滅世界三部作の中の一冊『沈んだ世界』を思いおこします。←全世界が水に沈んでしまった世界。
天へと昇ろうとする強い意志を持った雨カズラと、雨雲や雨カズラと同化して、ただたゆたゆと生きていく主人公の対比が面白いです。雨にまみれて膨潤して何も考えずに生きていくのも悪くは無いかなと思わせるのが、河野さんのうまさでしょうね。

林譲治先生著者インタビュー関連本その2

《大日本帝国の銀河》シリーズ、林譲治著
昭和15年、日華事変が深刻さを増すなか、天文学者にして空想科学小説家の秋津俊雄は、和歌山県の潮岬にて電波天文台の建設に取り組んでいた。中学の同級生で海軍中佐の武園義徳の要請を受けた秋津は、火星太郎なる人物と面会する。男は、地球と大接近した昨年7月27日に火星を発ったと言う。いっぽう戦火が迫る欧州各地には、未知の四発爆撃機が出現していた――。
架空戦記+ファーストコンタクトの新シリーズ開幕。


大日本帝国の銀河1『大日本帝国の銀河 1』林譲治著、Rey.Hori装画
2021.1.7、ハヤカワ文庫JA、946円、Kindle版851円(税込み)
昭和15年、天文学者の秋津俊雄は、軍部の要請で火星太郎なる人物と面会する。一方、世界各地では未知の四発大型機が出現して――


大日本帝国の銀河2『大日本帝国の銀河 2』林譲治著、Rey.Hori装画
2021.4.14、ハヤカワ文庫JA、968円、Kindle版871円(税込み)
地球外の存在であるというオリオン集団は、未知の四発爆撃機によりドイツ・イギリスの戦艦、戦闘機軍を撃破する。その目的は地球侵略なのか?
対話を試みる天文学者の秋津に対し、オリオン太郎は日本国内での大使館開設を要求する。一方、日本海軍に協力する元禄通商の猪狩周一は、ドイツ国防軍情報部カナリス部長の密命をおびて帰国途上、謎の空中戦艦に拉致される


大日本帝国の銀河3『大日本帝国の銀河 3』林譲治著、Rey.Hori装画
2021.7.14、ハヤカワ文庫JA、990円、Kindle版891円(税込み)
片桐英吉海軍中将を司令長官として臨時編成された第四艦隊が、オリオン集団の拠点をめざして西太平洋を南下していた。そこには首席参謀として乗り組む武園義徳の姿もあった。東京では大使館設立準備班が組織され、猪狩周一と桑原茂一がオリオン太郎との対話を進めていた。
一方、ソ連邦に滞在する秋津俊雄と外務省の熊谷亮一は、オリオン集団が駆使する演算機の真相を探るため、レニングラードのプルコヴォ天文台へと赴く


大日本帝国の銀河4『大日本帝国の銀河 4』林譲治著、Rey.Hori装画
2021.10.19、ハヤカワ文庫JA、990円、Kindle版891円(税込み)
昭和15年10月。ウルシ―環礁からの第四艦隊撤退を受け、米内首相を中心とする陸海軍統合参謀本部の第一回会合にて、オリオン集団の大使館開設が承認される。宇宙空間から銚子沖へと投下された巨大客船ジン・ガプスを大使館としたオリオン集団に対し、猪狩周一と桑原茂一海軍少佐が日本代表として交渉に向かう。
一方、オリオン太郎らが世界各地で不穏な活動を開始する頃、国際情勢を一変させる驚愕の知らせがもたらされる


大日本帝国の銀河5『大日本帝国の銀河 5』林譲治著、Rey.Hori装画
2022.1.25、ハヤカワ文庫JA、1078円、Kindle版970円(税込み)
大使館開設と独裁者の暗殺によって世界大戦を回避したオリオン集団。彼らの軌道エレベーター技術によって、秋津俊雄は宇宙空間の拠点ドグマへと招かれる。そこでは、鮎川悦子や古田暁子をはじめ世界各地から集められた優秀な人材が、オリオン集団の教育を受けていた。異なる文明がもたらした科学技術は、人類社会の未来に大きな変化と軋轢を引き起こしていく。ついに明らかになるオリオン集団の目的とは? シリーズ完結


日本軍の車両『日本軍と軍用車両 戦争マネジメントの失敗』林譲治著
2019.9.10、並木書房、2750円
日本陸軍は歩兵師団をはじめとする諸兵科の機械化に熱心であった。海外事情にも通じており、たとえば戦車でも列強に劣らない火力と装甲を重視していた。その一方で、兵站は最後まで軍馬中心であり、数少ない自動車は故障で苦労したという証言も少なくない。この矛盾はどこから生じるのか?
関係する資料を読み解くと、日華事変から終戦までの師団数の急増と根こそぎ動員に原因があることがわかる。大本営レベルの戦争マネジメントの失敗が、自動車不足と稼働率低下を招き、最前線の将兵がそのツケを血と汗で払うことになったのである。


超武装『超武装戦闘機隊【下】米太平洋艦隊奇襲!』林譲治著、久保周史装画
2022.9.14、コスミック出版、803円(税込)
昭和16年末、日本はマレー作戦、真珠湾奇襲と、連日の戦勝報道に沸いていた。
そんな中、四トンの爆弾を積んで4000キロの航続距離がある四発重爆撃機を開発する四三計画によって、新型の一六式四発飛行艇が完成する。
初任務で真珠湾偵察に向かった同機は、サルベージ作業によって復活しつつある米海軍の姿を目撃。日本海軍はすぐに、米戦艦群に完璧な止めを刺すため、真珠湾再攻撃を決定する。
陽動作戦により、壊滅的な打撃を与えた日本海軍。さらに、米海軍の新たな基地建設の情報を掴むと、爆装した双胴戦闘機「毒蛇」と新型四発重爆を、ラバウルから出撃させるのであった!
新型双胴戦闘機の活躍を描く傑作戦記シミュレーション、怒涛の最終決戦──!!


【関連リンク】
「SFPWのPixiv版創刊によせて」林譲治
今からでも読める林譲治のミリタリーSF《星系出雲の兵站》シリーズ
早川書房特設サイト
星雲賞受賞コメント
第41回日本SF大賞 受賞のことば
『星系出雲の兵站』シリーズ完結記念トークイベント (林譲治×Rey.Hori×塩澤快浩×福田和代)(デジタル・ケイブ1月イベント。ただし視聴出来るのは会員のみ)
https://youtu.be/KRXknqn6Izk
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》著者解題1 林譲治
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》著者解題2 林譲治
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》特別編 キャラクター名の背景について 林譲治
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》イラストアンサー1 Rey.Hori
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》イラストアンサー2 Rey.Hori
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》特別編 支援者特別記事 『星系出雲の兵站』で作者の考えた図表とは2 林譲治(支援者のみ購読可能)
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》シリーズ解説 増田まもる
牧眞二先生の書評:異質な敵の全容、失われた文明の謎、そして秘匿された人類史


装画担当【Rei.Hori/堀】先生ウェブサイト「WORKSPHERE」
Twitter:Rei.Hori(@reyhori)


林譲治先生著者インタビュー関連本その1

《工作艦明石の孤独》シリーズ
ワープ航法の開発により、 60ほどの植民星系に広がった人類。そのひとつ辺境のセラエノ星系で突如地球圏とのワープが不能となる。星系政府首相のアーシマ・ジャライは、工作艦明石の狼群涼狐艦長に事態の究明を命じる。 一方、セラエノ星系に取り残された地球宇宙軍の偵察戦艦青鳳、 輸送艦津軽もまた、 それぞれの思惑で動き始める。30光年の虚空で孤立するセラエノ星系150万市民の運命は? 究極のミリタリー文明論SF開幕


工作艦明石の孤独1『工作艦明石の孤独 1』林譲治著、Rey.Hori装画
2022.7.20、ハヤカワ文庫JA、946円、Kindle版851円(税込み)
植民星系のひとつ、辺境のセラエノ星系で突如地球圏とのワープが不能となる。星系政府首相は、工作艦明石の狼群涼狐艦長に事態の究明を命じる。30光年の虚空で孤立するセラエノ星系150万市民の運命は?


工作艦明石の孤独2『工作艦明石の孤独 2』林譲治著、Rey.Hori装画
2022.10.18、ハヤカワ文庫JA、1012円、Kindle版1000円(税込み)
地球圏とのワープが不能となった辺境のセラエノ星系で、150万市民の文明を維持するため、首相が大胆な政策を断行。一方、隣接星系アイレムで、工作艦明石の椎名ラパーナは、知性体イビスとのファーストコンタクトを始めた。


工作艦明石の孤独 3『工作艦明石の孤独 3』林譲治著、Rey.Hori装画
2023.1.24、ハヤカワ文庫JA、1078円、Kindle版1000円(税込み)
アイレム星系・惑星バスラの軌道上に構築されたアイレムステーション。西園寺恭介らは、消息を絶った椎名ラパーナの手がかりを得るため、異種知性イビスの地下都市を探ろうとしていた。そんなとき椎名からの通信電波が届く。
一方、工作艦明石の狼群妖虎と松下紗理奈は、地球圏とのワープ不能の原因を探るため、無人探査機E1によるワープ航路探査実験を開始する……


工作艦明石の孤独4『工作艦明石の孤独 4』林譲治著、Rey.Hori装画
2023.4.25、ハヤカワ文庫JA、1100円、Kindle版1045円(税込み)
徐々に明らかになるワープ航法の真実。工作艦明石は地球圏へ航行できるのか? そしてセラエノ星系人類の運命は? シリーズ完結


『コスタ・コンコルディア 工作艦明石の孤独・外伝』書影

コスタ・コンコルディア 工作艦明石の孤独・外伝


『コスタ・コンコルディア 工作艦明石の孤独・外伝』林譲治著、Rey.Hori装画
2023.8.17、ハヤカワ文庫JA、1188円、Kindle版1129円(税込み)
 150年前に植民されたドルドラ星系の惑星シドンには、人間のような知的生命体ビチマが居た。入植者から家畜同然の扱いを受けたビチマが、実は3000年前のワープ事故により遭難した恒星間宇宙船コスタ・コンコルディアの乗員の末裔と判明。彼らの人権回復が図られる中、ある遺跡でビチマの惨殺死体が発見される。緊迫するシドン社会に対し、地球圏統合弁務官事務所より調停官のテクン・ウマンが派遣されるが……


【関連リンク】
「SFPWのPixiv版創刊によせて」林譲治
今からでも読める林譲治のミリタリーSF《星系出雲の兵站》シリーズ
早川書房特設サイト
星雲賞受賞コメント
第41回日本SF大賞 受賞のことば
『星系出雲の兵站』シリーズ完結記念トークイベント (林譲治×Rey.Hori×塩澤快浩×福田和代)(デジタル・ケイブ1月イベント。ただし視聴出来るのは会員のみ)
https://youtu.be/KRXknqn6Izk
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》著者解題1 林譲治
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》著者解題2 林譲治
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》特別編 キャラクター名の背景について 林譲治
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》イラストアンサー1 Rey.Hori
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》イラストアンサー2 Rey.Hori
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》特別編 支援者特別記事 『星系出雲の兵站』で作者の考えた図表とは2 林譲治(支援者のみ購読可能)
日本SF大賞特別企画:《星系出雲の兵站》シリーズ解説 増田まもる
牧眞二先生の書評:異質な敵の全容、失われた文明の謎、そして秘匿された人類史


《工作艦明石の孤独》単語別頻度表(Kindleの検索機能使用。どうも仕様で、上限が249のような気がしますね。)
工作艦明石の孤独1 工作艦明石の孤独2 工作艦明石の孤独3 工作艦明石の孤独4
地球 249      椎名 249     椎名  249    イビス  249
セラエノ 249    イビス 249    イビス 249    ガロウ  213
明石 182      ガロウ 217    妖虎  178    セラエノ 196
津軽 175      ギラン・ビー 171  西園寺 160   地球   131
青凰 172      セラエノ 154  ギラン・ビー 159  西園寺  108
松下 132      西園寺 148    ガロウ 138    椎名   108
西園寺 127     地球 110     セラエノ 134   松下   104
妖虎 125    アーシマ 85   地球 92 アイレム・ステーション 102
ギラン・ビー 88  ザリフ 49     E2  86     明石   78
涼狐 85      松下 47      明石  78     妖虎   72
イビス 60      涼狐 29     バスラ 73
椎名 49      セルマ 28    アーシマ 63
妖虎 24     松下  55


装画担当【Rei.Hori/堀】先生ウェブサイト「WORKSPHERE」
Twitter:Rei.Hori(@reyhori)


ティール組織『[イラスト解説]ティール組織――新しい働き方のスタイル』フレデリック・ラルー 著、2018.11.27、技術評論社、Kindle版2696円
【目次】
Part 0 イントロダクション――この本はいわゆるマネジメントの本ではありません
Part 1 私たちは,マネジメントについて新しいパラダイムを創り出すことができるでしょうか?
第1章 今日の組織はどこかが壊れている
Part2 それでは,この新しいティール組織はどのようにしたらうまく働くのでしょうか?
第2章 新しいものの意味を理解するために,ある物語から始めましょう
第3章 ブレークスルー1――セルフマネジメント
第4章 ブレークスルー2――「全体性」を取り戻すための闘い
第5章 ブレークスルー3――常に進化する目的
Part3 どうやったら新しい組織の世界にたどり着けるのでしょうか?
第6章 ティール組織を作るための条件
第7章 「CEO」の役割

平谷美樹先生著者インタビュー関連書

《貸し物屋お庸謎解き帖》『貸し物屋お庸謎解き帖 百鬼夜行の宵』平谷美樹著、丹地陽子イラスト
2022.12.15、だいわ文庫、858円、Kindle版858円(書影はKindle版)
「凧、凧揚がれ」“凧の骨を貸してくれ”とやって来た童が心に秘めた願いとは? 
「貸家と散り桜」貸家の仲介を頼まれたが“縁起がいい”はずの仕舞屋に居たのは?
「百鬼夜行の宵」坊主の着物を借りに来た二人組、生兵法は怪我のもととはよく言ったもので
「貸し物卒塔婆」大店の跡取り息子で評判の悪い三人組。卒塔婆を十枚借りに来た理由は?
「信輔と十人」安布団を十組借りたいとやってきた元女衒。お庸の立てた景迹は?
「雪と綿帽子」因縁のある陸奥国神坂家の江戸家老橘が、用人の花嫁衣装を借りたいとやってくる。しかも、背格好が同じだから、お庸に届けて欲しいという怪しい依頼だ。
 お客が求める貸し物の陰に隠れた悩みや事情を見抜いて収めるお庸の景迹(謎捌き)が痛快な、大人気書下ろし時代小説シリーズ


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『渡裸の渡し』平谷美樹著、本田淳装画
2021.4.16、小学館、Kindle版220円
十歳ほどの娘にすぎないむつは、人間を超える力を持つ八百比丘尼になる運命。精神は子供のままであるむつを修行させようと、峻岳坊高星と百夜は津軽への旅に出る。が、むつの持つ力が様々な怪異と霊気を呼び寄せてしまう。千住大橋界隈にさしかかった一行は、さっそく加持祈祷を頼まれることに。


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『九つの目の老人』平谷美樹著、本田淳装画
2021.6.18、小学館、Kindle版220円
神に近いものになろうとしている少女、むつを修行させるため、津軽への旅に出た百夜一行。宇都宮の宿に現れたのは、目のない顔を持つ白髭の老人と九つの光の玉。その正体がわからぬ百夜は、いつになく苛立っている。


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『聖の思惑』平谷美樹著、本田淳装画
2021.12.17、小学館、Kindle版220円
神になろうとしている少女・むつは、旅先で出羽国に行きたいと突然言い出した。その夜、百夜とむつは師匠の峻岳坊高星も気づかぬ間に攫われてしまう。二人は黄泉の世界に踏み込み、次々と異形のモノたちに襲われる。果たしてこの恐るべき力をふるうものは何者なのか。


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『宿坊の夜』平谷美樹著、本田淳装画
2022.4.15、小学館、Kindle版220円
むつの願いで早池峰山詣でに向かった百夜の一行は、雪の夜に麓の主のいない宿坊に泊まることに。
ただならぬ気配を感じながら宿坊に入ると、そこには3人の先客がいた。旅の女のしめ、行商人の為造は怪異が起きていると訴えるのだが、若い僧侶の法稔は頑なにそれを否定する。


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『むつとの別れ(上) 八卦置き』平谷美樹著、本田淳装画
2022.6.17、小学館、Kindle版220円
だんだんと神に近づいていくむつを連れて、百夜の一行は八戸藩に入った。そこで未来の出来事を確実に当てて、米問屋や材木商に大儲けさせている占い師の噂を聞く。謎の素性の八卦占い師を招き寄せたむつに、山崎と名乗るその男は摩訶不思議な話を語り始めた


《百夜・百鬼夜行帖シリーズ》『むつとの別れ(下) 宇曾利山(うそりやま)』平谷美樹著、本田淳装画
2022.12.16、小学館、Kindle版220円
恐山の麓までやってきた百夜一行。いよいよ旅も終局、別れの時は近い。日も陰り、降りしきる雪の中、百夜と当来軒は、むつの導くままに山頂の宇曾利湖を目指し、山道を登り始める。しかし、その後を追う怪しい人影が……


『図解!江戸時代―意外と住みたい?この町と、この時代!』「歴史ミステリー倶楽部」著、図版・DTP/ハッシィ
2015.10.20、三笠書房、649円、Kindle版617円
 江戸時代の複雑な貨幣制度や暦・時刻、不思議なしきたりや多様な刑罰など、時代劇などでお馴染みのこの時代。しかし誤解や間違いも含めて、実際のところは知らないことだらけ!江戸の開発から幕府の統治、武士や庶民の暮らしぶりに至るまで、江戸の町と江戸時代に関する「基本としくみ」を、徹底図解でわかりやすく解説。

松崎有理先生著者インタビュー関連書

シュレーディンガーの少女『シュレーディンガーの少女』松崎有理著、佐藤おどり装画
2022.12.9、創元SF文庫、946円、Kindle版851円(税込)
【収録作】「六十五歳デス」すべての65歳に例外なく、プログラムされた死が訪れる世界。
「太っていたらだめですか?」肥満者たちをテレビスタジオに集め、公開デスゲームを開催する健康至上主義社会。
「異世界数学」あらゆる数学を市民に禁じ、違反者を捕らえては刑に処している王国。
「秋刀魚、苦いかしょっぱいか」日々の食卓から、秋刀魚が消え失せてしまった未来
「ペンローズの少女」少年が流れ着いたのは有名な生け贄儀式が残る島だった
「シュレーディンガーの少女」友人の物理学者から謎の実験に参加することを頼まれた……
 様々なディストピア世界でたくましく生きのびる女性たちを描いた、コミカルでちょっぴりダークな短編集。


松崎先生謹製販促カード『シュレーディンガーの少女』に挟んであった、松崎先生謹製「販促カード」


ユリイカ今井哲也特集『ユリイカ2022年11月号』
特集=今井哲也??『ハックス!』『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』…マンガを夢みる
2022.10.27、青土社、1980円、Kindle版1980円
青土社の『ユリイカ2022年11月号』の紹介頁
?ロングインタビュー
?今井哲也との遭遇
?今井哲也の読みかた
?オマージュイラストギャラリー
?再録「三丁目クオンタム団地」「スペースおくのほそ道」今井哲也著
?オマージュ短篇「不屈の蛙は青い海をみるか」松崎有理著
?描くことの自由とともに「今井哲也主要作品解題」


ゾンビでわかる神経科学『ゾンビでわかる神経科学』ティモシー・ヴァースタイネン、ブラッドリー・ヴォイテック、鬼澤忍共著
2017.2.10、太田出版、2200円、Kindle版1760円
【ゾンビ症候群の診断書】
病名:意識欠陥活動低下障害(Consciousness Decit Hypoactivity Disorder/CDHD)
症状:CDHDは後天性の症候群で、患者は活動を意図的に制御できず、無気力で疲れきったような動きを見せたり(運動感覚消失)、喜びの感覚を失ったり(快感消失)、全般的な言語機能障害(失語症)や記憶障害(健忘症)に陥り、摂食などの欲求行動や攻撃的「闘争・逃走」行動を抑えられなくなる。患者はしばしば、見慣れた物や人を認識するのが著しく困難になり(失認症)、持続性睡眠障害が慢性的不眠症という形で表れた結果、やがて「覚醒せん妄」状態にいたる。患者はまた、反社会的行動パターン(人をかんだり食べたりしようとする)も見せ、そうした典型的暴力行為の標的は生身の人間のみに限られる。いっぽう、ほかの感染者に対しては非常に強い向社会的な行動が表れる。その証拠に、感染者は群れ、「群知能」を発揮する。”


ゾンビvs数学『ゾンビ 対 数学 ―数学なしでは生き残れない』コリン・アダムズ著、小谷太郎訳、岡村亮太イラスト
2018.7.31、技術評論社、2398円、Kindle版2278円
第1章 6時間後 - 生ける屍の授業開始
第2章 7時間後 - 生ける屍の鼠算
第3章 7時間30分後 - 生ける屍のニュートン力学
第4章 7時間45分後 - 生ける屍の速度ベクトル
第5章 8時間後 - 生ける屍の輪舞曲(ロンド)
第6章 9時間後 - 生ける屍の包囲網
第7章 10時間後 - 生ける屍の脳内革命
第8章 18時間後 - 生ける屍の冷たい方程式
第9章 24時間後 - 生ける屍の大団円
付録A 詳細な議論
付録B エリーとコナーの微積分入門

石川宗生先生関連本

半分世界『半分世界』石川宗生著、千海博美装画
2018.1.26、創元日本SF叢書、1900円
収録作:「吉田同名」第七回創元SF短編賞受賞作
 ある日突然、19,329人に増殖した吉田大輔氏の奇想天外な物語。長男の親友に吉田大恭(読みは同じ)君がいて、月一で我が家を訪れるのだけれども、面白がってました(笑)
「半分世界」
 突然縦に半分となり、世間の目にさらされることとなった家族と、それを観察(ストーカーとも言える)する人々を描いた表題作
「白黒ダービー小史」
 全住民が、白と黒のサッカーチームに分かれ、街をフィールドに延々と試合を続ける物語。
「バス停夜想曲、あるいはロッタリー999」
 999本のルートのバスが止まるという停留所。いっこうに来ないバスを待ちわびる乗客達の狂想曲(?)(笑)


「石川宗生さん『半分世界』刊行記念・飛浩隆先生によるインタビュウ!」Web東京創元社マガジン


ホテル・アルカディア『ホテル・アルカディア』石川宗生著、川名潤装幀
2020.3.30、集英社、2000円
第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作
【目次】
1.[愛のアトラス]
「タイピスト〈1〉」「代理戦争」「すべてはダニエラとファックするために」「愛のテスト」「本の挿絵」「アンジェリカの園」
2.[性のアトラス]
「測りたがり」「転校生・女神」「わた師」「ゾンビのすすめ」「No.121393」
3.[死生のアトラス]
「光り輝く人」「饗宴」「恥辱」「100万の騎士」
4.[文化のアトラス]
「激流」「A#」「糸学」
5.[都市のアトラス]
「チママンダの街」「機械仕掛けのエウリピデス」
6.[時のアトラス]
「時の暴君」
7.[世界のアトラス]
[アトラス・プルデンシア]
 藤井太洋先生との対談で、翻訳紹介するなら「タイピスト〈1〉」が候補という話が出てましたが、私も賛成。小説の中に入り込むとか仮想現実にジャックインする話はよく見かけるのですが、小説の文章をタイプするタイピストに憑依して読者体験を得るという新機軸。どこからこういう発想が出てきたのだろう。もうひとつ、目にするモノは何でも長さを測らないと気が済まない男性を描いた「測りたがり」もお薦め。
“石川宗生『ホテル・アルカディア』刊行記念エッセイ”
高山羽根子先生の『ホテル・アルカディア』書評
児玉雨子先生の『ホテル・アルカディア』書評
藤井太洋先生×石川宗生先生の刊行記念対談


四分の一世界旅行記『四分の一世界旅行記』石川宗生著、千海博美装画
2021.4.30、東京創元社、1800円
【目次】「パスポートナンバー TK49494949の叫び」「落下の山村」「笑いを灯す人」「摂氏四五・一度の異邦人」「世界の終わりとアンダーグラウンド・モスク」「時の旅人たち」「浴室」「旅のゆくえ」「ポータブル・ブコウスキー」「オン・ザ・エンディング・ロード」
【特別対談】宮内悠介 × 石川宗生
 旅行記なんですが、これがまたもの凄く面白い。石川先生のように世界各国を旅して回られた人は少数派だと思います。様々な国や人との出会いが少なくて、常々人生を損した気分がしている私のような出不精の人間が読むと、その損した気分を癒やしてくれる好著と言えます。
「春夏夏夏夏夏夏夏秋とうっ! 石川宗生の旅日記」Web東京創元社マガジン

『眉村卓の異世界物語』ブックレビュー関連書籍

『眉村卓の異世界物語』『眉村卓の異世界物語 トリビュート作品集』「眉村卓の異世界物語」刊行委員会
2022.10.20、岡本俊弥編集、村上知子協力、オンデマンド出版1320円
収録作は、この項の最後に入れますので、そちらを参照して下さい。


『静かな終末』眉村卓著、日下三蔵編、まめふくイラスト
2021.3.3、竹書房、1430円、Kindle版1287円
書影は、Kindle版。本来はカラーなのですが、こちらはモノクロになってます。うらぶれた感じが出ていて良いのかも。
【収録作品一覧】いやな話、名優たち、われら人間家族、
廃墟を見ました、大当り、誰か来て、行かないでくれ、応待マナー、ムダを消せ!、委託訓練、面接テスト、忠実な社員、特権、夜中の仕事、のんびりしたい、土星のドライブ、家庭管理士頑張る、自動車強盗、ミス新年コンテスト、物質複製機、獲物、はねられた男、落武者、安物買い、よくある話、動機、酔っちゃいなかった、晩秋、怨霊(おんりょう)地帯、敵は地球だ、虚空の花、最初の戦闘、最後の火星基地、防衛戦闘員、最終作戦、敵と味方と、すれ違い、古都で、雑種、墓地、傾斜の中で、あなたはまだ?、静かな終末、錆びた温室、タイミング、テレビの人気者・クイズマン(人間百科事典)、100の顔を持つ男・デストロイヤー(破壊者)、電話、店、EXPO2000、『ながいながい午睡』あとがき(さんいち・ぶっくす)


仕事ください『仕事ください』眉村卓著、日下三蔵編、まめふくイラスト
2022.9.1、竹書房、1430円、Kindle版1287円
【収録作品】
[Ⅰ]奇妙な妻、ピーや、人類が大変、さむい、針、セールスマン、サルがいる、犬、隣りの子、世界は生きているの?、くり返し、ふくれてくる、機械、やめたくなった、蝶、できすぎた子、むかで、酔えば戦場、風が吹きます、交替の季節、仕事ください、信じていたい
[Ⅱ]その夜、歴史関数、文明考、『奇妙な妻』あとがき(ハヤカワ文庫JA)、変化楽しや?、 編者解説


日本SF傑作選3 眉村卓『日本SF傑作選3 眉村卓 下級アイデアマン/還らざる空』眉村卓著、日下三蔵編
2017.12.6、ハヤカワ文庫JA、1650円、Kindle版1485円
【収録作】
第一部:下級アイデアマン、悪夢と移民、正接曲線、使節、重力地獄、エピソード、わがパキーネ、フニフマム、時間と泥、養成所教官、かれらと私、キガテア、サバントとボク
第二部:還らざる空、準B級市民、表と裏、惑星総長、契約締結命令、工事中止命令、虹は消えた、最後の手段、産業士官候補生


『眉村卓の異世界物語 トリビュート作品集』収録作あれこれ
編者の岡本俊弥氏の編集後記によると、冒頭の眉村先生作の「じきにこけるよ」が異世界への入り口で、掉尾の村上知子さん作の「丸池の畔で」が異世界から現実への出口になっているとのこと。
なお、”私ファンタジー”とは、「私小説」のファンタジー版ともいうべき言葉で、眉村先生の諸作を表する際によく使われているようです。

「じきに、こけるよ」眉村卓著
“私ファンタジー”。眉村先生、75,6歳ころの作品。自分もその歳に近づいてきているので、気持ちが良くわかるところも多々ある。

「タク先生の不思議な放送―『メトロポリスの少年探偵』序章」芦辺拓著
中1の少年が「チャチャヤング」を聴きたくてたまらず寝床にラジオを持ち込んだものの寝落ちしてしまったことに端を発する”私ファンタジー”。私は高校生だったけど、「ウルトラQ」は当然のことながら、「ボーイズライフ」も読んでいて投稿したけど落選した(汗;)あれっ?「アウターリミッツ」は中2の時に見た記憶があるけどと思いググったら二期目の「ウルトラゾーン」は高1の時の放映だったのか。

「奇妙な妻と娘の断片」北野勇作著
『ぼくの砂時計』(1974)と「奇妙な妻」(1964、短編集収録1975)に触発された北野ワールド。そうだったのか、北野さんの身近な人間とかこの世界そのものが少し変(偽物)でも、普通に日常生活を営めるという不思議な感覚は眉村先生由来であったのか。

「時の養成所【完全版】」岡本俊弥著
「養成所教官」(1968)へのオマージュとのこと。人類が滅んだ未来の養成所で、何を養成しているのかというと……。こういう設定の時間ものはおしなべて暗いけど、読み切らせるパワーを感じるところも眉村先生ゆずりなのかも。
最近読んだ「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」(久永実木彦著)でも、時間旅行を行使して人的災害を止める非正規職員が、段々と倫理観を喪失し静かに狂っていく様が描かれてました。

「あの頃、私は週に一本の作品を書くのも大変だったのに、眉村先生は一日一話を書いていて、本当にすごいと思った」藤野恵美著
眉村門下生から最初にプロ作家になり、かつ芸大の先生にもなった作者が、眉村先生の創作演習を思い出しながら書いた”私ファンタジー”

「残り火は消えず」雫石鉄也著
『消滅の光輪』へのオマージュとのこと。インサイダー・ファンタジー?倒産(消滅)ファンタジーなのかも。

「ファン二態」高井信著
「日課・一日3字以上」「コロナの呪縛」高井ワールド爆発(笑)眉村先生の言葉(生き方そのものかも)が、高井さんのバックボーンになっていると……

「夜陰譚」菅浩江著
「あの真珠色の朝を」(1970)がお好きとのこと。不可思議な事象の後に残る不穏な”変わらなさ”を描いてるというと北野勇作さんと重なるけど、当たり前だが読後感はずいぶん違う。あ、短編集『夜陰譚』はブックレビューもしてます。

「SF作家パーティ殺人事件」竹本健治原作・ネーム、河内実加作画
落ちが!マンガでしか表現できないオチなんですよ(笑)

「眉村さんへ」竹本健治著
竹本さんが「チャチャヤング」に投稿し眉村先生が朗読された音源。
17歳のころの作品。タイムループものだけどちゃんとSFしているのが見事。

「ねらわれた学園 後日譚」椎原悠介著
有名な『ねらわれた学園』(1976)の視点を変えるとかその後の物語があるとしたらというこれぞトリビュート作品。

「雪の降る夜のお客さま」深田亨著
童謡「ペチカ」から冒頭の情景が浮かんだそうです。パンデミック後に動き続けるアンドロイド(落語家?)と文楽人形の出会い+幽霊。面白くもの悲しい。深田さんの短編は、「チャチャヤング・ショートショート・マガジン」で何本か読んだのですが、まさに深田ワールドという世界ですね。

「新・夢まかせ」大熊宏俊著
眉村作品のパスティーシュを目指すも……。詳しくはブックレビューを参照して下さい。これも分類するなら”私ファンタジー”かな。作家ファンタジーかもしれないけど(笑)

「幻影の手品師」石坪光司著
題名は『幻影の構成』(1966)からとのこと。リストラされたサラリーマンが主人公。手品師の幻影(?)と宇宙規模の厄災が連動する異世界もの。「塔<バベル-75>」が商業誌掲載された石坪さんには、ぜひ宇宙SFに挑戦して欲しかった←勝手に好きなことを言ってます(汗;)

「丸池の畔で」村上知子著
眉村先生の遺伝子とミームと両方を持たれる村上さんの”私ファンタジー”

「インサイダーSFはいかに生まれたか」堀晃著
. 堀晃先生の労作。当時をご存じな方からの貴重な記録となっています。眉村先生と堀先生は、会社人としての経験がある以外にも色々な共通点が存在していて興味深いです。
私は全く会社勤めの経験がないのですが、昔源氏鶏太氏のサラリーマン小説にはまっていた時期があって、眉村先生のインサイダー小説を読んだときは全く違う捉え方に衝撃を受けました。

山口優先生著者インタビュー関連本

『星霊の艦隊 1』山口優著、米村孝一郎イラスト 2022.8.17、ハヤカワ文庫SF、1078円、Kindle版970円
ユウリ「地球時代の皆さん、《星霊の艦隊》主人公の翠真ユウリです。ボクたちの物語、どうぞ楽しんでください。」
アルフリーデ「ちょっとユウリ、それだけじゃ内容がわからないでしょ。銀河を舞台にAIと人間の関係を巡り大艦隊が激突する戦いを描く物語。AIのことはこの時代には『星霊』というのよ。」


『星霊の艦隊 2』山口優著、米村孝一郎イラスト
2022.9.14、ハヤカワ文庫SF、1166円、Kindle版1100円
ユウリ「ボクが性別決定の儀の前に襲撃された時の失われた記憶。それがキーポイントだったとは!」
ナオ「オレがやられるはずだったんだけどな。オレをかばったせいで、ユウリが……」
アルフリーデ「その時、亡命星霊だったワタシと出逢ったのよね」


『星霊の艦隊 3』山口優著、米村孝一郎イラスト
2022.10.18、ハヤカワ文庫SF、1232円、Kindle版1200円
ユウリ、アルフリーデ「《人類連合圏》の新型次元兵器〈クレバス〉の完成は、絶対に阻止するぞ」
ナオ「オレは、敵要塞に潜入して情報を集めてくる」

サロメ「臨時とはいえ《人類連合圏》の元帥になったからには、人類主義のために敵を叩く!」


●「山口優『星霊の艦隊1』特別付録「用語集」Web限定版」
ハヤカワ書房謹呈、用語集。ということは、ハヤカワとしては、ハードSFとしての側面も重視しているのかも。


●山口優(SF作家):note トップページ
1,「星霊の艦隊」シリーズ マシュマロ回答まとめ
著者が答える《星霊の艦隊》シリーズQ&A


「マイ・デリバラー」「SF Prologue Wave」にて連載
人間は裏方に引っ込み、戦争をするのもロボット、歌を歌うのもロボットの世界。人間型のロボットの上部に平たい円筒形のドローンを常に配置させ、それによって人間そっくりのロボットが人間ではないと分かるようにして、人間は彼らを単なる機械と認識していた。
中古ロボットとして配達員として働く元ボーカアンドロイドのリルリは、突然配達先で倒れてしまう。
「人間の仕事を肩代わりするほどに知性が発達した存在は、人間と同等の権利を持たなくて良いのか」という命題に基づいて書かれた、人間とAIの関係性を問う物語。


『ディスロリ』(pixivFANBOXにて連載中:日本SF作家クラブ)
「ディスロリ(無職の俺が幼女に転生したがとんでもないディストピア世界で俺はもう終わりかも知れない)」解題  ~シンギュラリティ時代に無職になるかもしれない多くの人々と、『仕事』の持つ本質的意味について~


『ホモ・デウス』テクノロジーとサピエンスの未来
河出書房のサイトにリンク


『5分でわかる10年後の自分 2030年のハローワーク』図子慧著、山口優監修、柏原昇店イラスト
2019.4.25、 KADOKAWA、1320円
「10年後、消える仕事、残る仕事を考えなさい」という課題を出された中学生のミーンさんと4人の仲間たち。
「ちょうどわたしたちが社会に出るころ、AIのせいで仕事がなくなるってホント!?」
そこで5人は、とある研究所での「未来のハローワークVR体験ツアー」を通じて、将来の仕事や働き方を体験することに…。
未来のハローワーク体験によって自分がどんな仕事につけるのか、そのためにはどんな勉強をしていけばいいのかがわかる、まったく新しい未来体験にでかけよう!


『SFプロトタイピング: SFからイノベーションを生み出す新戦略』宮本道人監修・編著、難波優輝・大澤博隆編著
2021.6.2、早川書房、1980円
〈座談ゲスト〉
佐宗邦威 株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナー
藤本敦也 三菱総合研究所 経営イノベーション本部 シニアプロデューサー
岡島礼奈 株式会社ALE代表取締役社長/CEO
羽生雄毅 インテグリカルチャー株式会社代表取締役社長/CEO
小谷知也 「WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所」所長
樋口恭介 SF作家、コンサルタント
塚田有那 編集者、キュレーター
長谷川愛 アーティスト、デザイナー
ルース・ワイリー アリゾナ州立大学「科学と想像力センター(CSI)」アシスタント・ディレクター
呉岩 南方科技大学教授
張峰 香港大学名誉助教



『クオリアはどこからくるのか? 統合情報理論のその先へ』土谷尚嗣著
2022.4.28、岩波科学ライブラリー、1540円
これまでの研究における発展と限界,トノーニによって提唱されて意識の理論として有望視されている統合情報理論,そして著者が取り組んでいるクオリア(意識の中身)を特徴づける研究アプローチを解説.意識研究の面白さ,研究者が抱いている興奮を伝える。


『人工知能のための哲学塾 未来社会篇』三宅 陽一郎・大山 匠著
『星霊の艦隊 3』の巻末で「星霊を読み解く」という解説を書かれている三宅陽一郎先生の著書です。お名前がご一緒なので勝手に親近感を抱いてます(笑)
☆第一部 視点〈人工知能から哲学へ〉
哲学を足場に人工知能を築く 三宅陽一郎
第一夜 結びあう人と人工知能の心
第二夜 社会的自我を持つ人工知能の社会
第三夜 世代を超えて作り出す人工知能文化
第四夜 自己変革を促す人工知能の愛
第五夜 揺れ動く人工知能による幸福の探求

☆第二部 視点〈哲学から人工知能へ〉
人工知能を哲学から思考する 大山 匠
第一夜 循環する理解とコミュニケーション
第二夜 響きあう社会と自己
第三夜 文化の記述とアルゴリズム
第四夜 愛のモデルと、その語りがたさ
第五夜 幸福と計算、そして自由

『人工知能のための哲学塾』『人工知能のための哲学塾 東洋哲学編』に続く第三弾。
芸術とAIの章が欲しかった。まあ無い物ねだりですが(汗;)
まだ知能についてもよく分かってないのに、芸術は無理なのか。画や音楽では、既に芸術もどきは出来ているようですが。
知能とか愛とか幸福とかがどのように数値化されるのかという視点から読むとちと当てが外れるかも知れませんが、私のような門外漢が基礎的な知識を得るには良かったです(汗;)

門田充宏先生著者インタビュー関連本

《記憶翻訳者》シリーズの粗筋は、最初から順番に読んで頂くと分かりやすいと思います。
粗筋は、ネタバレも考慮して、門田充宏先生の「公式サイト」「WORKS」から大幅に引用してます。雑誌掲載短編、Web掲載短編の粗筋も、公式サイトの「WORKS」にあります。
「風牙」書影「風牙」門田充宏著
2014.8.8、東京創元社、Kindle版、220円
第5回創元SF短編賞受賞作
主人公の珊瑚は過剰共感能力者で、彼らは他人の感情に共感しすぎてしまう特異な体質のために、社会生活に支障をきたしてしまっている。珊瑚は、他人の感情と自分の感情を区別できないレベルの能力者故に、過剰共感能力を抑制するインプラントの助けを借りるまで、自我を発達させることが出来なかった過去を持っていた。生きづらさを抱える彼らの共感能力を生かし、本来はその持ち主にしか理解できない記憶を第三者にも分かるようにする“記憶翻訳”の技術を開発したのが九龍という企業だった。珊瑚はその中でもトップクラスの実力を持つ記憶翻訳者に育った。


『風牙』書
『風牙』門田充宏著、しおんカバーイラスト
2018.10.31、創元日本SF叢書、2200円、Kindle版1935円
収録作:「風牙」「閉鎖回廊」「みなもとに還る」「虚ろの座」
この『風牙』は、以下の二冊に、改題・分冊・増補されて文庫版になっています。
『記憶翻訳者 いつか光になる』は、「風牙」「閉鎖回廊」+「いつか光になる」「嵐の夜に」
『記憶翻訳者 みなもとに還る』は、「みなもとに還る」「虚ろの座」+「流水に刻む」「秋晴れの日に」


「記憶翻訳者」1『記憶翻訳者 いつか光になる』門田充宏著、日田慶治装画
2020.10.23、創元SF文庫、Kindle版、920円
「風牙」
インタープリタとは、個人個人によって独自のものである人の心から抽出した記憶データを“翻訳”し、他者に理解可能なよう立体的に再構築する技能者である。業界トップレベルの女性インタープリタである珊瑚が受けた仕事は前例のないものだった。”潜行”する先は、彼女自身の会社の社長の記憶。しかし珊瑚に先立って送り込まれたインタープリタ3人が、何れも社長の記憶の中で正体不明の存在に襲撃され病院送りとなっていた。社長の記憶世界でいったい何が起こったというのか。珊瑚は”統合サポートシステム”の孫子と共に、社長の記憶世界にアクセスする……
「閉鎖回廊」
珊瑚のもとに、かつて共にインタープリタの導入研修を受け、今はトップクリエイタとなっている由鶴から奇妙なメッセージが届く。「お願い、今すぐ〈閉鎖回廊〉を止めて」。自分が作成した、疑験都市〈九龍〉で最大の人気を誇るコンテンツ、〈閉鎖回廊〉を由鶴は何故止めろと言ってきたのか? 連絡が取れない由鶴の事務所を訪れた珊瑚は、主のいない開発室で、由鶴の過去を巡る九つの記憶が保存されたモジュールを発見する。
「いつか光になる」
九龍の新しい事業、プロモーション用記憶翻訳。その提案者でもあり、記憶データ提供者でもあるハルには人生を賭けた密かな目的があった。ハルと共に新規事業に取り組む珊瑚は、その過程でハルと人生の一部を共有していく。ハルが目指していたものは、そしてその結末は……
「嵐の夜に」
台風で電車が止まってしまった夜、珊瑚はハルと共にオフィスに泊まることになってしまった。嵐の中、少しだけぎくしゃくしていた二人に訪れる、静かで暖かな時間が……

「記憶翻訳者」2『記憶翻訳者 みなもとに還る』門田充宏著、日田慶治装画
2021.2.12、創元SF文庫、Kindle版、950円
「流水に刻む」
疑験都市〈九龍〉の第二階層、二狐。ファンタジイ世界を再現したこの階層に、本来登場しないはずの人間ー少年のNPCが出没する。少年は九龍側の制御を受け付けず、自由に二狐内を行動していた。珊瑚はプレイヤーのひとりとして光の妖精となり、同じくミノタウロスとなった上司の眞角と共に、少年を捕らえるために全力で鬼ごっこを繰り広げることに。果たして少年の正体、そしてその目的は。
「みなもとに還る」
レビューを依頼された疑験都市コンテンツの中で、珊瑚はうなじからどこまでも長く伸びる〈結びの緒〉を生やした子供、マヒロに導かれ、母と名乗る存在と出会う。もういないと聞かされていた母の存在に動揺した珊瑚は、導かれるように〈仮集殿〉と呼ばれる場所へと赴く。そこは、過剰共感能力者たちが肩を寄せ合って暮らす、〈みなもと〉という名の組織の本拠だった……
「虚ろの座」
探偵の調査結果に従い、私は共感能力を礼賛する新興宗教団体、〈みなもと〉へと入信する。それがただひとつ、失った妻と子へと繋がる道だと信じて。だがそこで私を待っていたのは、考えてもいなかった出来事だった。
「秋晴れの日に」
珊瑚は二ヶ月ぶりに〈みなもと〉の仮集殿を訪れ、都や真尋と再会する。珊瑚には密かに心に決めた、小さな目的があった。
(著者談:こちらは「みなもとに還る」の後日談であり、珊瑚の決心の物語でもあります。)

『追憶の社』書影『追憶の社』門田充宏著
2019.5.11、創元日本SF叢書、2585円、Kindle版1834円
収録作品:
「六花の標」
珊瑚が翻訳した記憶データが、ネット上に無制限に公開され始める。急死した料理研究家・雪肌女の最後の日々と、彼女と一緒に暮らしていた少年・仁紀の記憶――それが雪肌女の遺志だからと、仁紀は自分にとって大切な日々の記憶を公開し続ける。その結果、他人の記憶を覗き見ることを楽しむ人間が多く出る一方、記憶データの翻訳自体や、サービス提供元である企業・九龍に対する批判までが起こるようになってしまう。珊瑚は九龍と仁紀を護るため、雪肌女の本当の意図を探ろうするが……
「銀糸の先」
記憶データのレコーディングを実施中のユーザが殺害され、記憶データが持ち去られるという事件が連続して発生する。記憶データはレコーディングされただけの状態では他者は理解できないため、翻訳のためにそのデータは九龍に持ち込まれたのではないかとの推測が流布するが、捜査中であるため九龍はノーコメントを貫いている。そのことが疑念を呼び、また仁紀の事件のあとであったこともあり、九龍に対しての批判が巻き起こる。その対応のため、九龍は自社の仕事を理解して貰うため、若手ジャーナリスト・香月に珊瑚へのインタビュー実施を許可する。あわよくば殺人事件の手がかりを入手しようと考えていた香月だったが、インタビューセッションは彼の予期しない方向に動き出す。
「追憶の杜」
統合サポートシステム<孫子>が作り出した疑験コンテンツのレビュー中、珊瑚は存在するはずのない動的要素を見てしまう。孫子にも、モニタしているエンジニアにも上司にも見えないその存在は、まるで珊瑚を導くかのように姿を見せつつ進んでいく。珊瑚が辿り着いた先には、あり得ないはずの空間と、あり得ないはずの経験が待っていた。


『時を歩く 書き下ろし時間SFアンソロジー』東京創元社編集部編、瀬戸羽方装画
2019.10.31、株式会社東京創元社、Kindle 版、855円
収録作:
「未来への脱獄」松崎有理
「終景累ヶ辻」空木春宵
「時は矢のように」八島游舷
「ABC巡礼」石川宗生
「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」久永実木彦
「ゴーストキャンディカテゴリー」高島雄哉
「Too Short Notice」門田充宏



『Genesis 白昼夢通信』創元日本SFアンソロジー Kindle版、2019.12.20、1980円
【収録作】
高島雄哉「配信世界のイデアたち」
石川宗生「モンステリウム」
空木春宵「地獄を縫い取る」
中村融〔エッセイ〕「アンソロジーの極意」
川野芽生「白昼夢通信」
門田充宏「コーラルとロータス」
西崎憲〔エッセイ〕「アンソロジストの個人的事情」
松崎有理「痩せたくないひとは読まないでください。」
水見稜「調律師」

文芸ラジオ7月号「文芸ラジオ7号」、2021.6.1、メタブレーン、1100円
〇Guest Talk 伊藤美来「あまり飾らないで、背伸びをしすぎず、自然体で表現する」
〇特集 陰キャのすすめ
〇特集 虚構旅行 行ったことのない場所に行ったつもりで紀行文を書いてみた
〇小説・散文 門田充宏「社会的舞踏(ソシアル・ダンス)」櫻木みわ「セヴンデイズ」
〇Book in Book 再録 文芸ラジオPetit Vol.03


『蒼衣の末姫』書影『蒼衣の末姫』門田充宏著、シライシユウコ
2021.9.24、創元推理文庫、968円、Kindle版855円
地を這い空を飛び、甲殻で身を固め無数の脚で爪でひとを屠る巨大な怪物、冥?(みょうふ)が跋扈する世界。翻弄されるだけだった人類は壁を築き堀を巡らせた城塞都市〈宮〉を造り、宮ごとに防衛、工業、商業などと機能を特化することで冥?の脅威に抗っていた。
十六歳の少女キサは、ひとを圧倒する冥?を滅ぼすことができる能力を有する蒼衣(そうい)の血を引きながら、僅かな力しか持たないため、冥?を集めるためだけに、囮として最前線に連れ出されていた。だがある日、冥?の前例のない攻勢によって作戦は失敗に終わり、キサは人類と冥?に有毒である水の流れる川へと落下してしまう。
そのキサを救ったのは、生(いくる)という十五歳の少年だった。棄錆(きせい)として大人たちから切り捨てられた生も、命を危険に晒す仕事を毎日続け、懸命に生きてきた存在だった。
自分の命を捨ててでも、ひとという種を繋ぐことを考えねばならない世界で、囮の姫と見棄てられた少年は手を取りあい、蔑まれてきた力と心とを振り絞って、襲い来る脅威、そして課せられた運命に立ち向かう。


『2084年のSF』日本SF作家クラブ編
2022.5.25、ハヤカワ文庫JA、Kindle版、1188円
収録作品:池澤春菜「まえがき」
【仮想】福田和代「タイスケヒトリソラノナカ」、青木和「Alisa」、三方行成「自分の墓で泣いてください」
【社会】逢坂冬馬「目覚めよ、眠れ」、久永実木彦「男性撤廃」、空木春宵「R__ R__」
【認知】門田充宏「情動の棺」、麦原遼「カーテン」、竹田人造「見守りカメラ is watching you」、安野貴博「フリーフォール」
【環境】櫻木みわ「春、マザーレイクで」、揚羽はな「The Plastic World」、池澤春菜「祖母の揺籠」
【記憶】粕谷知世「黄金のさくらんぼ」、十三不塔「至聖所」、坂永雄一「移動遊園地の幽霊たち」、斜線堂有紀「BTTF葬送」
【宇宙】高野史緒「未来への言葉」、吉田親司「上弦の中獄」、人間六度「星の恋バナ」
【火星】草野原々「かえるのからだのかたち」、春暮康一「混沌を掻き回す」、倉田タカシ「火星のザッカーバーグ」
榎木洋子「SF大賞の夜」

小説すばる2019_3『小説すばる』2019年3月号
●私的偉人伝「心のノート」門田充宏作


清水建設×日本SF作家クラブ【建設的な未来】
第2話「理想の小説家」門田充宏作
第18話「恋する海中都市」門田充宏作
●SF Prologue wave
「ミーティエイター」門田充宏作
●日本SF作家クラブ
『楽日』(前編)門田充宏作
●シミルボン
門田充宏先生インタビュー「そもそもSFはあまり読んでいなかった」
●Web東京創元社マガジン
門田充宏『蒼衣の末姫』(創元推理文庫)ここだけのあとがき