時間もの(邦画)」カテゴリーアーカイブ

『ちょんまげぷりん』『サムライせんせい』『もしも徳川家康が総理大臣になったら』

まとめての評価☆☆☆
色んな考察は抜きにして気楽に観るには絶好(笑)

『ちょんまげぷりん』2010年7月公開、中村義洋監督作品
原作:荒木源著『ちょんまげぷりん』
 江戸時代(180年前)の木島安兵衛が、突然シングルマザーの遊佐ひろ子と息子の友成の前に現れた。安兵衛は遊佐家の居候になるかわりに、家事全般を引き受けることなる(笑)
 徐々に3人での暮らしに馴染んだ頃、友也のために作ったプリンをきっかけに菓子作りを始めた安兵衛が手作りケーキコンテストに出場することになった……

『サムライせんせい』2018年11月公開、渡辺一志監督作品
原作:黒江S介著のマンガ『サムライせんせい』
 幕末から現代にタイムスリップした武市半平太が、現代文明に困惑しながらも学習塾の先生として奮闘し塾生から慕われるようになる。そこへもう一人幕末からタイムスリップした坂本龍馬も現れて……

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』2024年7月公開、武内英樹監督作品
原作:眞邊明人著『もしも徳川家康が総理大臣になったら』
 2020年、首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣が急死する。政府は最後の手段として、歴史上の偉人たちをAIホログラムで復活させて最強の内閣をつくることに。徳川家康を総理大臣に据え、織田信長や豊臣秀吉といった偉人たちが集結した夢のような内閣が誕生する。
 アナウンサー志望の新人テレビ局員・西村理沙はスクープを狙い、スポークスマンを務める坂本龍馬に接近するが……
 いやそこはAIが演じているだけなんだから、違うだろうと思ったりしてはいけない映画です(汗;)
 豊臣秀吉役が竹中直人さんなのですが、彼が出てくると良くも悪くも胡散臭さが倍増ですね(笑)
 『恋に唄えば♪』(主演:優香)というミュージカル映画を観たのですが、これはコメディタッチの映画だったので不思議と雰囲気にマッチしてました(笑)

2025年5月26日

『ドロステのはてで僕ら』『リバー流れないでよ』

『ドロステのはてで僕ら』2020年6月公開、山口淳太監督作品、ヨーロッパ企画制作
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
タイトルのドロステとは、ドロステ効果(SFでは有名なフラクタルのようなもの)に由来するもの
ある夜、仕事を終えたカフェの店長が、2階の自宅でギターを弾こうと、ギターのピックを探していると、部屋においてあるモニターから声が聞こえてきた。モニターを見ると、そこにはもう一人の自分自身が!モニターの中のカトウは、自分のことを2分後の未来のカトウだと言い、自分の言うとおり行動してくれと告げる……

『リバー流れないでよ』2023年6月公開、上田誠監督作品、ヨーロッパ企画制作
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
京都の奥座敷である冬の貴船の老舗旅館の従業員と客が、延々と繰り返す2分間のループに巻き込まれてしまい、困惑しながらもなんとか抜け出そうと努力する様を描いた。
こちらの映画も2分がキーワードみたいですが、なぜ二作品共に”2分”なのかは、上田監督への「インタビュー記事」で読むことが出来ます。

2024年8月3日

『BALLAD 名もなき恋のうた』『ミッドナイト・イン・パリ』

『BALLAD 名もなき恋のうた』2009年9月公開、山崎貴監督作品
原案:アニメ映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
 戦国時代の天正二年(1574年)にマイカーごとタイムスリップした現代の家族が、苦難にめげず活躍する話。結末はちょっとほろ苦いけど。
 軸は、お互いに好意を持ちながらも、身分の違いから本心を明かせない廉姫と彼女を守る又兵衛のラブストーリーといっても良いでしょうね。

『ミッドナイト・イン・パリ』2012年5月公開、ウディ・アレン監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 資産家の娘と婚約した小説家を目指す主人公が、彼の理想の時代である1920年代のパリにタイムスリップする。彼はそこでヘミングウェイやコクトー、ピカソ、ダリ等に出逢い彼らに魅了されていく……
 SF風味は薄いです。ウディ・アレン監督らしい風刺は効いてる。

2024年4月23日

『四日間の奇跡』『一秒先の彼女』『一秒先の彼』

『四日間の奇跡』2005年6月公開、佐々部清監督作品
原作:浅倉卓弥の同名小説
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 将来を嘱望視されていた新進ピアニストが、留学先で強盗事件に巻き込まれ、少女をかばってピアニストの道を絶たれる。両親を失った知的障害の少女を引き取った彼は、少女のサヴァン症候群による優れたピアノの才能を見出し、一緒に各地を演奏して廻ることとなった。
 招待された療養センターで高校時代の後輩だった女性と巡り会った彼は、辛い過去を持つその女性と親しくなっていくが、その女性が落雷で意識不明の重傷を負い、彼女の心が少女の体に宿る。
 その意識が消えるまでが4日間。

『一秒先の彼女』2021年6月公開、チェン・ユーシュン監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 せっかちなヒロインが、デートしようとしたら、いつの間にか翌日になっていた。全く記憶が無いデートの日に何があったかを探ろうと色々悪戦苦闘する……

『一秒先の彼』2023年7月公開、山下敦弘監督作品、脚本:宮藤官九郎
 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 台湾映画『1秒先の彼女』をリメイクし、京都を舞台にした日本版。
“消えた1日”を探すテンポの合わない男女を描く時間差ラブストーリー。

2024年3月20日

『永遠の831』『かがみの孤城』

『永遠の831』2022年3月公開、神山健治監督作品
wowowオリジナルアニメ。
 未曾有の大災厄によって、混迷を極めた世界。東京の大学生浅野スズシロウは、新聞配達で生計を立てていた。彼には、怒りに駆られると時間を止めてしまう能力があった。とある日、スズシロウが時間を止めた際、止まった世界で一人だけ動くことが出来る少女に出会う。後日、その少女なずながやむをえず犯罪に関わっていると知った彼は、衝動的に少女のグルーブに協力することになるのだが……
 正義感に突き動かされてテロ行為に走る若者たちのグルーブと大人の世界のせめぎ合いが面白い。結末はちょっと消化不良でしたが。題名の”831″は、夏休み最後の日である8月31日のことです。

『かがみの孤城』2022年12月公開、原恵一監督作品
原作:同名の辻村深月の小説
 中学1年生の女の子・安西こころは、いじめが原因で不登校になっていた。ある日、自室の鏡に吸い込まれたこころは、その向こうのオオカミさまという狼面をつけた謎の少女が仕切る絶海の孤城で、自分と似た問題を抱える中学生リオン、フウカ、スバル、マサムネ、ウレシノ、アキと出会い、隠された「願いの鍵」を見つけようとするが……
 ちょっと風変わりなパラレルワールド・時間もの。心に傷を負った中学生たちは安息を見つけられるのか。

2024年1月12日

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』

『僕が愛したすべての君へ』2022年10月公開、松本淳監督作品
『君を愛したひとりの僕へ』2022年10月公開、カサヰケンイチ監督作品
原作:同名の乙野四方字の小説
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆1/2
 無くした物を探している時、先ほど探したはずの場所で見つかることはありませんか?それはあなたの心が瞬間的なパラレルシフトを起こして、平行世界のあなたと入れ替わっていたためなのです……
 パラレルワールドの存在が明確となり、その解明のための科学も整備されつつある世界。暦は7歳のときに両親が離婚することとなり、どちらと共に暮らすかという選択を迫られることになった。この選択で彼の運命は大きく変わることとなる。←重要な分岐点
 基本的にはよく考えられた恋愛SFもの。面白かったです。
 映画のなかで、栞が幽霊(パラレルシフト中に帰還先の肉体が損傷したため生じた精神のみの存在)になってしまい、どの平行世界にパラレルシフトしても栞は幽霊になっているため、暦は栞を救うために時間を遡るタイムシフトの研究を始めるという展開があります。元々、暦と栞が一緒にマシンに入り、同時にパラレルシフトをしたことから強固な結びつきが出来て、暦がパラレルシフトをすると同時に栞も着いてくると説明がありました。
 疑似科学的ガジェットが楽しい本作ですので、ここはぜひ、暦と栞が量子もつれ(量子エンタングルメント)状態になっていて、パラレルシフトしてその世界に栞が存在しなくても、(情報としての)栞が視えるとかにして欲しかったぞ(笑)
 もしかして原作はそうなっていたなら申し訳ない(汗;)

2023年11月7日

『コーヒーが冷めないうちに』『ブレイブ -群青戦記-』『四畳半タイムマシンブルース』

『コーヒーが冷めないうちに』2018年9月、塚原あゆ子監督作品
原作:『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
なんといっても面倒くさい設定が面白いです(笑)
1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
2.過去に戻って、違うことをしても、現在は変わらない
3.過去に戻れる席には先客がいる。座れるのは、その先客が席を立った時だけ
4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、冷めてしまうまでの間だけ
 これだけの制約の中で、人は何を求めて何を得るのかが見所。個人的には、認知症で夫のことも分からなくなった妻と彼女を支える看護師の夫のエピソードが好きです。←松重さんと薬師丸さんが夫婦役で、身につまされるというか……

『ブレイブ -群青戦記-』2021年3月公開、本広克行監督作品
原作:『群青戦記』笠原真樹著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
連載時に読んでました。突如、学校ごと戦国時代にタイムスリップした高校生達の運命や如何。
映画『戦国自衛隊』は、戦国時代に自衛隊がタイムスリップしたらどんだけ無双できるか!という話でしたが、この映画では、高校生アスリートたちの能力が、戦国時代でどれだけ通用するかが描き方の妙味になると思います。戦国時代の男性の平均身長は155cm程度だったみたいなので、そこらあたりもキャスティングで加味するとよりリアル感が増したかも?(笑)

『四畳半タイムマシンブルース』2022年9月公開、夏目真悟監督作品
原作:『四畳半タイムマシンブルース』森見登美彦著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
ググると森見登美彦の『四畳半神話大系』と、上田誠の戯曲『サマータイムマシン・ブルース』のコラボレーション作品であるとか。それで設定・展開が映画『サマータイムマシン・ブルース』似通ってるんだ。エアコンのリモコンが重要なキーアイテムなところも同じです。主人公も同じように屈折してます(笑)

2023年9月29日