『ジェミニマン』『デュアル』『MEN 同じ顔の男たち』

『ジェミニマン』2019年10月公開、アン・リー監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
自身の衰えを理由に引退を決めるたDIAの凄腕スナイパーであるヘンリー。そのヘンリーに秘密を知られることを阻止しようとDIA極秘特殊部隊「ジェミニ」の隊員が派遣される。実は、ジェミニの隊員は類い希な才能を持つヘンリーのクローンだった。若い頃の自分と闘うヘンリーに勝算はあるのか……
ということで、主人公役のウィル・スミスの一人二役のアクションシーンが見所です!

『MEN 同じ顔の男たち』2022年1月公開、アレックス・ガーランド監督作品
厳密に言うとクローンものではないのですが、無性生殖ぽいので←違うな(笑;)
目の前で夫に自殺され心に傷を負ったハーパーは、静養のために田舎の豪奢な館を借りた。しかし周辺に浮浪者のような全裸の男が出現し、警察を呼ぶ羽目。実は、男たちは、放浪者も館の管理人も、教会の司祭も警官も、全員が同じ顔をしていたが、それに気づかないハーパー。←観ていた私も気がつきませんでした(汗;)
ラストの、全裸の人間から同じ顔の人間が生まれる(脱皮する?)シーンが、なんともグロテスクでおぞましく、そこが見所です(笑)

『デュアル』2022年10月公開、ライリー・ステアンズ監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
ある日突然、自分が病で余命わずかだと知ったサラは、死期の迫った者が遺族を癒すための手段として、自身のクローンを作るプログラム「リプレイスメント(継承者)」の利用を決意する。記憶の継承は、オリジナルがクローンにあれこれ教えることで引き継ぐのです(記憶を完全コピーできるわけではない)
クローンはあくまで身代わりとしての存在なので、自我の発達を抑える処置が施されているが、まれに独自の自我を発達形成してしまうクローンが出てくる場合があり、法律上オリジナルとクローンとの共存は禁止されているため、その際には一対一で決闘して、生き残った勝者が唯一の存在と認定される。
サラも、彼女の病が奇跡的に完治したことを知らされ動揺するが、既にクローンがサラの恋人としたしくなってしまい自我も目覚めていたため、クローンと決闘することを決意する。
滅茶滅茶な設定と展開なんですが、なんか納得のラスト。安易にクローンを作るなという警鐘なのかも。

2023年12月21日

『パッセンジャー』『ヴォイジャー』

『パッセンジャー』2017年3月公開、モルテン・ティルドゥム監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
 5000人を乗せた移民船の中で眠っていたジムは、人工冬眠ポッドの故障でたった一人目覚めてしまう。目的地に到着まであと約90年かかることを知ったジムは絶望感に苛まれる。
 ある日、ジムは冬眠ポッドで眠るオーロラに一目惚れし、さんざん悩んだ末に彼女を目覚めさせてしまう……
 極限状態で語られる良く出来た恋愛物語。科学考証はかなり適当ですが、まあそれを追求する映画では無い(笑)

『ヴォイジャー』2022年3月公開、ニール・バーガー監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
人間が居住可能な惑星を見つけた人類。その惑星に、人間を移住させることを決めますが、到着は86年後。優秀な少年と少女が選抜され惑星に向かいますが、性欲と感情を抑える薬を毎日飲まされます。しかし、乗組員が薬を飲まなくなったことから、乗組員同士の暴力、性欲が暴走したり混迷を極め、お目付役として乗船している唯一の成人男性が亡くなってしまう……

2023年11月16日

『ジャッジ』『銀平町シネマブルース』

『ジャッジ』2014年1月公開、永井聡監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/3
 某広告代理店で働くうだつの上がらない社員である太田は、上司の替え玉となって世界一のテレビCMを決める祭典の審査員を務めるよう厳命される。しかも、その広告祭にエントリーする有力スポンサー企業のぼんくら息子のCM作品を入選に導けとの無茶ぶりが。まあ馬鹿馬鹿しくて面白い(笑)エントリーしたトヨタのCMは一見の価値ありです(爆)

『銀平町シネマブルース』2023年2月公開、城定秀夫監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 一文無しになった元映画監督の近藤は、かつて青春時代を過ごした銀平町に舞い戻り、ひょんなことからホームレスの個性的な面々と知り合うことになる。あるきっかけから映画館でアルバイトを始めた彼は、スタッフや一癖も二癖もある常連客たちとの交流を通じて映画への情熱を取り戻そうとする……

2023年11月8日

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』

『僕が愛したすべての君へ』2022年10月公開、松本淳監督作品
『君を愛したひとりの僕へ』2022年10月公開、カサヰケンイチ監督作品
原作:同名の乙野四方字の小説
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆1/2
 無くした物を探している時、先ほど探したはずの場所で見つかることはありませんか?それはあなたの心が瞬間的なパラレルシフトを起こして、平行世界のあなたと入れ替わっていたためなのです……
 パラレルワールドの存在が明確となり、その解明のための科学も整備されつつある世界。暦は7歳のときに両親が離婚することとなり、どちらと共に暮らすかという選択を迫られることになった。この選択で彼の運命は大きく変わることとなる。←重要な分岐点
 基本的にはよく考えられた恋愛SFもの。面白かったです。
 映画のなかで、栞が幽霊(パラレルシフト中に帰還先の肉体が損傷したため生じた精神のみの存在)になってしまい、どの平行世界にパラレルシフトしても栞は幽霊になっているため、暦は栞を救うために時間を遡るタイムシフトの研究を始めるという展開があります。元々、暦と栞が一緒にマシンに入り、同時にパラレルシフトをしたことから強固な結びつきが出来て、暦がパラレルシフトをすると同時に栞も着いてくると説明がありました。
 疑似科学的ガジェットが楽しい本作ですので、ここはぜひ、暦と栞が量子もつれ(量子エンタングルメント)状態になっていて、パラレルシフトしてその世界に栞が存在しなくても、(情報としての)栞が視えるとかにして欲しかったぞ(笑)
 もしかして原作はそうなっていたなら申し訳ない(汗;)

2023年11月7日

『カラフル』『金の国 水の国』

『カラフル』2010年8月公開、原 恵一監督作品
原作:森絵都の同名の小説
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
 前世で罪を犯した魂(前世の記憶は無い)が特別に選ばれて、自殺を図って死んだばかりの中学3年生・小林真の体に入り込み人生に再挑戦する機会を与えられる。
 複雑な家庭環境、美術部には所属しているが勉強もスポーツも苦手な主人公(前世の記憶無し)が様々な体験を通じて人生を再構築していく……

『金の国 水の国』2023年1月公開、渡邉こと乃監督作品
原作:岩本ナオの同名コミック
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
 商業国家で現在は繁栄しているが将来の水不足が決定的な金の国と、豊かな水と緑に恵まれているが貧しい水の国は、隣国同士長年にわたり争いを繰り返していた。あまりの仲の悪さに、神様から、金の国は一番美しい娘を水の国に嫁にやり、水の国は国で一番賢い若者を金の国に婿にやりなさいと約束させられた……
 その取り決めで出逢った二人がやがて両国の未来を変えていく。

 どちらも王道と言える展開で、暖かな気持ちになれます。異セカイ系・なろう系もよいけど、こういほっこりしたアニメもよいものです。(^o^)/

2023年11月7日

『バッドガイズ』『タッドの大冒険 呪いのエメラルド・タブレット』

『タッドの大冒険 呪いのエメラルド・タブレット』エンリケ・ガト監督作品、2022年8月公開
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
珍しいスペインのアニメ
 いつもトラブルに巻き込まれ失敗続きの考古学者のタッド。ある日貴重な石棺を壊してしまい、呪いをかけられてしまう。仲間を救うため、世界を飛び回るタッドとサラとミイラの運命は……

『バッドガイズ』ピエール・ペリフィル監督作品、2022年10月公開
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
原作:《バッドガイズ》シリーズ(アーロン・ブレイビー著)
 派手な盗みを次々と成功させてきたバッドガイズの面々。秘宝「黄金のイルカ」を狙った彼らは、惜しくも失敗し逮捕される羽目に。メンバー5人は、バッドガイズならぬ「グッドガイズ」に変える実験に参加させられることに……
ドリームワークス製作なんですね。
 こういう児童向けのアニメ、アメコミ原作の実写版映画に比べると脚本が良く出来ていて、楽しめるような気がします。

2023年10月28日

『スーパーディープ』『ブラックアダム』

『スーパーディープ』アルセニー・スーヒン監督作品、2020年11月公開
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 ソ連の永久凍土層の下にある研究施設には、超深度12000m(スーパーディープ)の掘削坑が隠されていた。そこで突然未知の病気が発生、実権を握るモロゾフ大佐は、天才科学者のアンナに極秘調査を命じた……。アンナのたった一つの冴えた結末の付け方とは。苦い結末のロシア製ゾンビ物。

『ブラックアダム』ジャウム・コレット=セラ監督作品、2022年12月公開
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 何も考えずに楽しめるDCコミックス映画です。ドウェイン・ジョンソンが、とぼけた味を出そうとしているのですが、その体躯で言われると怖いぞ(笑)

2023年10月27日

『DESTINY 鎌倉ものがたり』『大怪獣のあとしまつ』『ゴーストブック おばけずかん』

『DESTINY 鎌倉ものがたり』三木聡監督作品、2017年12月公開
原作:『鎌倉ものがたり』西岸良平著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 鎌倉に住むミステリー作家の一色正和の元に嫁いだ新妻・亜紀子。だが鎌倉は、人間と魔物や妖怪が共存した街だった。鎌倉で発生する怪事件の数々を、鎌倉警察署と夫婦で解決していく。
 妖怪は出てくるけれど、ほのぼの系ファンタジーで楽しめました。

『大怪獣のあとしまつ』三木聡監督作品、2022年2月公開
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 ネットで酷評されるほどひどいとは思わないけど、SFでは無い(笑)死体になった怪獣が、腐敗して爆裂する前にどう始末をつけるかという観点から描いた映画です。
 SF小説でいうと、気象庁内に設置された怪獣対策集団“特異生物対策部”略して“気特対“(笑)の活躍を描いた”山本弘先生の《MM9》シリーズでも怪獣の死体処理の話が出てました。
 鯨の腐敗が進むと爆発するのは有名な話ですが、個人的には、宇宙由来の怪獣は腐敗するかどうかわからないと思う(地球原生の怪獣はたぶん腐敗するたろうけど)ので、そこらあたりも丁寧に描いて欲しかったなあ。

『ゴーストブック おばけずかん』山崎貴監督作品、2022年7月公開
原作:『おばけずかん』(斉藤洋著、宮本えつよし画による童話シリーズ)
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 平たく言うと、人間の居ない「お化けの町」に迷い込んだ小学生と新米教師が、三日間の期限内で「お化け」たちを捕まえるミッションに挑む。
 ググると、2000年公開の『ジュブナイル』(山崎貴監督作品)完成時に、監督やプロデューサーが2020年になったら『ジュブナイル』の大人版の映画を撮りたいと言っていて、それが実現した映画みたいです。子ども向けですが、『ジュブナイル』と同様に押さえるところはきちんと押さえて作られているので、安心して見られるし面白かったです。
 

2023年10月25日

『コーヒーが冷めないうちに』『ブレイブ -群青戦記-』『四畳半タイムマシンブルース』

『コーヒーが冷めないうちに』2018年9月、塚原あゆ子監督作品
原作:『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
なんといっても面倒くさい設定が面白いです(笑)
1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
2.過去に戻って、違うことをしても、現在は変わらない
3.過去に戻れる席には先客がいる。座れるのは、その先客が席を立った時だけ
4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、冷めてしまうまでの間だけ
 これだけの制約の中で、人は何を求めて何を得るのかが見所。個人的には、認知症で夫のことも分からなくなった妻と彼女を支える看護師の夫のエピソードが好きです。←松重さんと薬師丸さんが夫婦役で、身につまされるというか……

『ブレイブ -群青戦記-』2021年3月公開、本広克行監督作品
原作:『群青戦記』笠原真樹著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
連載時に読んでました。突如、学校ごと戦国時代にタイムスリップした高校生達の運命や如何。
映画『戦国自衛隊』は、戦国時代に自衛隊がタイムスリップしたらどんだけ無双できるか!という話でしたが、この映画では、高校生アスリートたちの能力が、戦国時代でどれだけ通用するかが描き方の妙味になると思います。戦国時代の男性の平均身長は155cm程度だったみたいなので、そこらあたりもキャスティングで加味するとよりリアル感が増したかも?(笑)

『四畳半タイムマシンブルース』2022年9月公開、夏目真悟監督作品
原作:『四畳半タイムマシンブルース』森見登美彦著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
ググると森見登美彦の『四畳半神話大系』と、上田誠の戯曲『サマータイムマシン・ブルース』のコラボレーション作品であるとか。それで設定・展開が映画『サマータイムマシン・ブルース』似通ってるんだ。エアコンのリモコンが重要なキーアイテムなところも同じです。主人公も同じように屈折してます(笑)

2023年9月29日

『インナー・スペース』『地球最終戦争ロボット・ウォーズ』

『インナー・スペース』1987年12月公開、ジョー・ダンテ監督作品(製作総指揮:スピルバーグ)
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
先行作品として、かの有名な『ミクロの決死圏』(1966年)がありますが、こちらの作品はコメディタッチになってます。ドタバタSF映画でもあります(笑)
アメリカ空軍パイロットのタック・ペンドルトンは、特殊潜行艇・クラーケンIIに乗り込んでミクロ化しウサギの体内に注入される実験に参加するため研究所に配属された。ところが、潜行艇のミクロ化直後に研究施設が産業スパイに襲撃されてしまう。潜行艇の入った注射器を持った研究員は逃げ惑う際にスーパーの店員・ジャックの尻に潜行艇を注射してしまう(笑)
ジャックが自分の体内にいるタックと通信しながら悪者連中から逃げ回るシーンが笑えます。

『地球最終戦争ロボット・ウォーズ』1993年4月公開、アルバート・バンド監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
2041年、地球を二分した戦争はロボット兵器の投入で決着が着いたものの荒廃してしまった。
観光客を運ぶ仕事をこなしているサソリ型メガロボットをテロリストが襲い奪ってしまう。
 メガロボットのパイロットだったドレイク大尉と部下のスタンピー、乗客の考古学者のリーダは、地下に眠る人型メガロボットを発見し、テロリストの操縦するサソリ型メガロボットに立ち向かう……
まだこの頃は本格CG(映画『トロン』が1982年)が非常に高価だったため、ストップモーションで撮られたメガロボットの動く姿が素敵です(笑) 「未知との遭遇」(1977年)当時にも、CGそのものはあったみたいですが、あまりに高価だったとか。

2023年9月4日