月別アーカイブ: 7月 2023

『雨に叫べば』『グッドバイ、バッドマガジンズ』

『雨に叫べば』2021年11月公開、内田英治監督作品 往年の名女優のヌードシーンと若手アイドルタレント起用が話題の新作映画の監督に抜擢された女性が、苦労しつつも映画道を貫く話。かたくなに女性の監督を認めようとしない、ものすごく前時代的な映画スタッフの描き方が面白い。内田監督のインタビューを読むと、この映画は『蒲田行進曲』へのオマージュらしい。なるほどなあ。階段落ちに相当するシーンが、「濡れ場」にあたるのか。もろもろがそれで納得(笑)もちろん映画のタイトルは、雨の中で歌って踊るあの名作ミュージカルです。 『グッドバイ、バッドマガジンズ』2022年10月公開、横山翔一監督作品  憧れの出版社に就職したヒロインが配属されたのは、男性向け成人雑誌の編集部だった。しかも、長らくの出版不況に加え、東京五輪開催による外国からの観客増加に備えてコンビニから成人雑誌が撤去されるという苦境の中、彼女の奮闘は続く。成人雑誌を編集・出版するというお仕事がどんなにブラックだったかよく分かる事実に基づいたフィクションです。

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『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』『地獄の花園』『前田建設ファンタジー営業部』

『前田建設ファンタジー営業部』2020年1月公開、英勉監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆ 第36回(2005年)星雲賞ノンフィクション部門受賞。 実際にあったゼネコンのファンタジー営業部に基づいたフィクション。『マジンガーZ』格納庫建設がテーマ。 設計の仕様とか工期・費用など、そこらあたりは極めて真面目に作られてます。そことマジンガーZの格納庫建設というギャップが見所(笑) 『地獄の花園』2021年5月公開、関和亮監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2 OLたちの華やかな職場の裏で、壮絶な派閥争い(喧嘩バトル)がおこなわれていた! 脚本のバカリズムさんとは波長が合うというか、笑いに徹したバカさ加減が素敵です。どんどん強いキャラが出てきたり、思いもかけない人が実は……とか、まあ実にアホらしい設定と展開ですがそこが良いのです(笑) 『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』2022年10月公開、竹林亮監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆ 弱小広告代理店で働く社員達が、あることから地獄の一週間がタイムループしていることに気がつく。原因が部長にあると判断した社員たちに、このタイムループは解消できるのか! タイムループものというと、アニメ「ハルヒ」のエピソードとうる星の「ビューティフル・ドリーマー」の夏休みネタをまず思いつきますが、これは納期に追われた地獄の一週間がループするという(笑)

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『レッド・グラビティ』『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』

『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』2018年3月公開、リュック・ベッソン監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆1/2 《スターウォーズ》のネタ元ではないかと言われるフランスのSFコミックが原作。主人公コンビは美男美女、スタイリッシュでかつアクション満載で面白いという。フランスのSFコミックが原作で映画化されたというと、オールドファンには『バーバレラ』がまず思い浮かぶと思います。ロジェ・バディム監督とジェーン・フォンダの良さが満載の楽しくてエロい映画でしたが、本作も面白かったです。言うなら、映画《TAXi》シリーズの宇宙版かな。SF映画ファンなら、見るべき!(笑) 『レッド・グラビティ』2022年7月公開、ロマン・キロット監督作品 『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』と違って、こちらはいかにもフランス映画って雰囲気が満載(笑) 惑星レッドムーンが衝突コースに出現し、それを防げるのは主人公ただひとりという設定なんですが、かの『妖星ゴラス』とは違い地球を動かす話ではありません(笑) 結局描きたかったのは、親子の葛藤と兄弟間の確執であるような気がします。 劇中にエアカーが出てくるのですが、主人公が乗るのはオンボロのプジョー504(たぶん)の改造車。で、追跡してくる弟(悪役設定)の乗るクルマがポルシェ928の改造車。抜きつ抜かれつのシーンもあり、ここらあたりはフランスの心意気といったところ(笑)

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『TENET テネット』『オールド』

『TENET テネット』2020年9月公開、クリストファー・ノーラン監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 第三次世界大戦を阻止するため、秘密組織”TENET”にスカウトされた主人公の活躍と葛藤を描く。 未来人が作り出した時間を逆行させる装置「アルゴリズム」を巡り、敵と味方(?)が入り乱れ暗躍する展開は目が離せません。逆行する時間線に入ると、時間逆転現象が体験できたり、空気も吸えなくなるため酸素マスク必須だったりと細かな設定も面白いです。メインの縦線が、時間を行き来してのアクションだとしたら、横線はロシアの武器商人の妻プリヤに対する主人公の感情の機微だと思いました。 『オールド』2021年8月公開、M・ナイト・シャマラン 独断と偏見のお薦め度☆☆☆ ホテルから「特別に」と紹介された人里離れた美しいビーチ。そこは時間の流れが加速する脱出不能の危険地帯だった。 ホテル側がこのビーチを勧めるにあたって、ある基準を持って家族を選んでいるのですが、それがこの企みの真相に直結してます。けっこう意外な結末で驚きました。まあ展開自体は凡庸といってもよいのですけどね。

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