カテゴリー別アーカイブ: 一般映画

『ハリマオ』『力道山』『スティーブ・ジョブズ(2013)』『オッペンハイマー』

『ハリマオ』1989年6月公開、和田勉監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆ 実は私、この映画を見るまで「ハリマオ」が実在の人物をモデルとして制作された物語だとは知りませんでした(大汗;) 『豹の眼』(1959)があって、その次の年に『快傑ハリマオ』が放映されてた。東南アジアが舞台で、格好良かった。『月光仮面』は『豹の眼』の前番組だった。今や知る人ぞ知るTVドラマになってしまいましたね。 『力道山』2006年3月公開、ソン・ヘソン監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ タイツ型のパンツをはいていて強かった。なんといっても空手チョップ。 母方の祖父(じいちゃん)は、プロレス興行を見に行って、興奮のあまり引き上げる悪役レスラーを傘で叩いたという(汗;)まあ、我慢してくれたのでしょうけど、危ないなぁ(大汗;) こうやって伝記として見ると、結構悲惨な人生のようにも思える。 『スティーブ・ジョブズ(2013)』2013年11月公開、ジョシュア・マイケル・スターン監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2  1971年~2011年まで、あのスティーブ・ジョブズを描いたアメリカの伝記映画。大学生の頃、LSDやってたり、彼女が妊娠したのに責任逃れをしたりとけっこう無茶苦茶。まあヒッピー文化全盛の頃だったからなぁ。天才だけど、みんな本音では一緒に働きたくないタイプ(笑) 『オッペンハイマー』2024年3月公開、クリストファー・ノーラン監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 第二次世界大戦中にアメリカが進めた原爆開発計画「マンハッタン計画」の科学部門を指揮し原爆開発を主導、「原爆の父」と呼ばれた物理学者、ロバート・オッペンハイマーの伝記映画です。 共産主義にかぶれていたとか、罪悪感を持ちながら原爆開発をしたとか、アメリカ側から見た「原爆の父」像が描かれてます。まあ、戦勝国側の見方がよくわかる映画です。

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『羊と鋼の森』『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』『バジーノイズ』『きみの色』

☆彡音楽SFが好きで、その影響かどうか、音楽物や芸術系の映画が好きです。  小説はともかく、映画では主題となる音楽を観客に聞かせて、納得させなければ話にならないので、そこらあたりの難しさがあります。 音楽SFの有名どころ―もはや古典?(笑)―としては…… ☆山之口洋『オルガニスト』第10回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。オルガンサイボーグものか(笑) ☆中井 紀夫『山の上の交響楽』全宇宙でたった一度だけ1万年かけて演奏する曲の話。 ☆篠田節子『ハルモニア』他人との意思疎通が出来ない超絶技巧のチェロ奏者と、彼女の才能を更に開花させようとする男の物語。 ☆オースン・スコット・カード『無伴奏ソナタ』音楽の才能を見込まれいっさいの人工的な音や音楽から遮断されて育った少年のたどった運命とは…… ☆トマス・M・ディッシュ『歌の翼に』歌をうたうことによって肉体から精神を解き放つこと、それが〈飛翔〉だ。魂が飛ぶことへの魅力にとりつかれた少年は、オペラ劇場で歌手を目指すことになるのだが…… ☆キム スタンリー ロビンスン『永遠なる天空の調』天才物理学が建造した巨大な音楽機械、それは究極の音楽を演奏するための物だった。全人類の熱狂の中、太陽系縦断ツアーが始まる…… ☆スパイダー&ジーン・ロビンソン『スターダンス』重力から解放された究極のダンス、スターダンス。伝説のダンサー、シャーラの成功と死が描かれる。それは地球外知的生命体とのコミュニケーションにも使われることになるが…… 『羊と鋼の森』2018年6月公開、橋本光二郎監督作品 原作:宮下奈都『羊と鋼の森』 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2 自分の将来に悩む外村は、高校でピアノ調律師・板鳥と出会い、彼が調律した音に生まれ故郷と同じ森の匂いを感じて調律の世界に魅せられる。そしてピアニストの姉妹・和音と由仁との出会いが、悩む外村の人生を変えることに。 ピアノの調律師というと、『ピアノの森 -The perfect world of KAI-』の作者一色まことさんが連載中の『もうひとつのピアノの森 整う音』を読んでます。ショパンコンクールのファイナリストの青年が、、『ピアノの森』主人公のイチノセ・カイに再会することを目指し、調律師として研鑽する話です。 『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』2021年10月公開、ダリウス・マーダー監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆1/2  メタルバンドのドラマーのルーベン・ストーンは、恋人のルーと一緒のバンドで音楽活動していた。ある日、耳が聞こえにくくなっていることに気がついたルーベン。両耳の聴力が極端に低下しており、いつ聴力を失ってもおかしくない状態だと判明。急速に悪化していく病状に絶望して自暴自棄になるルーベンは、聴覚障害者の自助グループに参加して、その交流を通して徐々に生きる希望を見出していくが……  ジョン・ヴァーリイの「残像」(1978)という有名なSF短編があります―これも古典かな(汗;)―  ユニークな盲聾者のコミューンに参加することになった主人公が、色々な葛藤と軋轢の末に選んだ道は…… という作品なのですが、そのラストから、甘いとか後ろ向きだとか揶揄されることもありましたが、個人的には大好きな作品でした。  『サウンド・オブ・メタル』の主人公も最新治療機器をインプラントして、ある程度の聴覚を取り戻せたのですが、音の聞こえ方に違和感を感じます。しかし元の聴覚障害者のグループからは生き方が相違するとの理由から再入会を拒絶されてしまいます。そこらあたりの展開・生き方が「残像」と似ているように思いました。 『バジーノイズ』2024年5月公開、風間太樹監督作品 原作:むつき潤のマンガ『バジーノイズ』 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 人付き合いが大の苦手でな清澄は、神戸のマンションの管理人として働きながら、たった一人で音楽をパソコンで作ること (DTM)に熱中していた。ある日、清澄は「夜に大きな音を出すな。今度苦情が来たら出て行ってもらう」と管理会社から宣告されてしまう。しかし、マンションの上の階に住む女性から、清澄の音楽に励まされた聞き、また作曲した曲を流してしまう。  最初は、その女の子が配信する演奏の実況のみで世に知られていた彼の音楽だったが、昔清澄が参加していたバンドのギタリストや、そのマネージャーとかが絡み、清澄の音楽が世間に知られていくが…… 『きみの色』2024年8月公開、山田尚子監督作品(アニメ) 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2 … 続きを読む

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『ハッシュ!』『52ヘルツのクジラたち』

『ハッシュ!』2001年11月公開、橋口亮輔監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆  付き合い始めて間もないゲイのカップル。勝裕はカミングアウトはしておらず、どこか自分を卑下し引っ込み思案なところもある。ある時、性に奔放な女性・朝子に出会い、父親になれる顔をしているからと精子の提供を求められたことをきっかけに、双方の親を巻き込み3人の関係が複雑化していく。 『52ヘルツのクジラたち』2024年3月公開、成島出監督作品 原作:『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ著 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆  うちカミさん大推薦(笑)  タイトルは、他の鯨からは聞き取れない高い周波数で鳴くため「世界でもっとも孤独なクジラ」といわれている52ヘルツの鯨から。そんな鯨が居たとは……  児童虐待・家庭内DV・介護・トランスジェンダー等の今日的な問題を取り上げた傑作。

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『不死身ラヴァーズ』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『やがて海へと届く』

『不死身ラヴァーズ』2022年4月公開、松居大悟監督作品 原作:高木ユーナ『不死身ラヴァーズ』  幼い頃入院していたのりは、優しくしてくれた甲野じゅんを運命の人として心に決める。そして中学生になったのりは、後輩のじゅんと再開するが両思いになった瞬間、彼は消えてしまう。やがて、りのの前にあらわれる「こうのじゅん」に対して、りのは全力で恋に落ちていくが、その度彼は消えてしまう。←ファンタジーかと思ったら違った(笑) 『夜空はいつでも最高密度の青色だ』2017年2月公開、石井裕也監督作品 原作:最果タヒの詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』  子どもの頃に母を亡くし、死に対する不安を感じながら育った美香は看護師として働いている。一方社会に適応できず日雇い労働者として働く慎二はある日、同僚とともに美香がアルバイトで働くガールズバーにやってくる。  慎二が仕事中に怪我をし、治療のため病院に行くとそこで看護師の美香と再会、やがてお互いを意識するようになるが。 『やがて海へと届く』2022年4月公開、中川龍太郎監督作品 原作:彩瀬まる『やがて海へと届く』  大学の入学式で親友と巡り会った女性。親友が震災に遭ったらしくひとり旅から帰らなくなって5年、彼女は親友を捜すため旅立つ。  ううむ。小説のほうが好きかなあ。 対談:彩瀬まる×住野よる

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『止められるか、俺たちを』『青春ジャック 止められるか、俺たちを』

『止められるか、俺たちを』2018年10月公開、白石和彌監督作品 1969年の若松プロダクションを舞台とした青春映画。若松監督と1969年に若松プロに入社して助監督となり、1972年に自死した吉積めぐみを主人公に描く。若手というだけでなく女性ということでもかなりのプレッシャーとストレスがあったのでしょうか。 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』2024年3月公開、井上淳一監督作品 『止められるか、俺たちを』から10年後を舞台とした作品。 若松孝二監督と若松監督に請われて名古屋のミニシアター(若松プロ自前の映画館)の支配人になった木全純治氏を主人公として描いた群像劇。若松監督が自前の映画館を持っていたと初めて知りました。 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ ピンク映画の黒澤明と言われた若松監督と若松プロの若手監督たちのエピソードの映画化。 取り組み方は様々ですが、まあ登場人物全員が映画好きで、映画が好きな方にはお薦め。 ピンク映画の「甘い罠」とか「犯された白衣」、衝撃的でした。 『寝盗られ宗介』『キャタピラー』『水のないプール』も問題作で面白かったです。

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『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』『お終活 再春!人生ラプソディ』

『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』2021年5月公開、香月秀之監督作品 『お終活 再春!人生ラプソディ』2024年5月公開、香月秀之監督作品  金婚式を迎える熟年夫婦の悲喜交々を描いた作品。  カミさんの評価では、演技がくさかったけれど面白かったそうな(笑)  コメディだから、これぐらいの大げさな演技は監督の考え通りというか確信犯だと私は思います(笑)

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『ひとよ』『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』『四月になれば彼女は』

『ひとよ』2019年11月公開、白石和彌監督作品 原作:桑原裕子の舞台劇「ひとよ」  タクシー会社を営む稲村家の母・こはるは、最愛の子どもたち三兄妹を守るため家庭内暴力をふるう夫を手にかけた。それから15年後、あの日以来時間が止まってしまった一家の元にこはるが帰ってくる。そして上京していた次男でフリーライターの雄二も帰省するが……  重たい映画ですが、救いが無いわけでは無い。 『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』2023年11月公開、穐山茉由監督作品 原作:大木亜希子『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』  アイドル引退後、ライターとして働いていた主人公が心の疲れから会社に行けなくなり、貯金も底をついたため、友人から紹介された56歳の男性が住む家で間借りすることになった……。  ほっこりする映画です(笑) 『四月になれば彼女は』2024年3月公開、山田智和監督作品 原作:川村元気『四月になれば彼女は』  精神科医の藤代俊のもとに、かつての恋人である伊予田春から手紙が届く。ボリビアのウユニ塩湖から出されたその手紙には、10年前の初恋の記憶がつづられていた。その後もプラハやアイスランドなど世界各地から手紙が届く。  その一方で藤代はいまの恋人との結婚の準備を進めていたが、ある日突然、彼女は「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」という謎めいた言葉を残して姿を消してしまう……  人生は(恋愛は)二人だけで構成されているものではないのですね。  個人的な「萌え」ポイントは、音楽が地元(クルマで10分くらい)の歌手である藤井風さんの「満ちてゆく」。  それと主人公の同期で写真部の部長のあだ名が「ペンタックス」。フィルム時代のPENTAX MEから写真を始め、現在のデジイチもPENTAXの私としてはなんかうれしい(笑)  

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『彼女がその名を知らない鳥たち』『水は海に向かって流れる』

『彼女がその名を知らない鳥たち』2017年10月公開、白石和彌監督作品 原作:沼田まほかる 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 最近、その演技にハマっている阿部サダヲさんが、取り柄のないガサツで汚らしい男「陣治」を演じてます。会社にクレームを入れるのと陣治を糞味噌にけなすのが憂さ晴らしになっている十和子を蒼井優さんが演じてます。 この二人、なんで同棲するようになったのか、陣治のひたむきな愛情はどこから来ているのかが徐々に明らかになっていくところが見所です。 こんな二人の関係、あり得ないだろうとは思わせない、二人の怪演が凄い。 『水は海に向かって流れる』2023年6月公開、前田哲監督作品 原作は田島列島氏の同名のマンガ 高校に入学した直達は、通学のため叔父・茂道の家に居候することになった。見知らぬ女性に案内されたのはシェアハウスで、会社員の榊さん、マンガ家の叔父の茂道、女装の占い師、海外を放浪する大学教授らのくせ者ぞろいだった。しかし、直達と榊さんの間には思わぬ因縁があったのだった。

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『ある用務員』『ベイビーわるきゅーれ』『ベイビーわるきゅーれ 2』『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』『グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編]』

『ある用務員』2021年1月公開、阪元裕吾監督作品  深見は、幼少期にヤクザだった父を殺され、日本を裏から牛耳る真島に育てられた。今は真島の娘・唯の影のボディーガード役になり、高校で用務員として働いていた。そして彼は真島に訓練を施された「殺し屋」という裏の顔も持っていた。ある日真島総裁は、国内から撤退しアジア諸国で闇ビジネスを展開することにするが、それに反発する配下の西森組長が、唯を狙って殺し屋を送り込んでくる。  《ベイビーわるきゅーれ》シリーズの主演二人が初めてコンビで出演! 『グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡[合宿編]』2022年8月公開、阪元裕吾監督作品  女の子6人がプロの殺し屋を目指し、最強殺し屋伝説国岡の主人公が教師の訓練合宿に参加する。  女子は全員ミスマガジン2021年度の受賞者。演技経験もアクションの経験もないため、相当コメディ寄りの作品になってます。   『ベイビーわるきゅーれ』2021年月7公開、阪元裕吾監督作品 『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』2023年3月公開、阪元裕吾監督作品 『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』2024年9月公開、阪元裕吾監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆  二人の殺し屋の少女の日常を、オフビートなタッチで描いた作品。  アクションがなかなか様になっているんだけれども軽いというか、予定調和というか。ジャッキー・チェンのアクションを更に軽くした感じで、肉弾相打つという感じからはほど遠いです。まあそこを追求した作品ではないので。まあ、スタイリッシュな殺し屋二人組の話ですな。よくぼろぼろにされているけど(笑)

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『教祖誕生』『ロストケア』

『教祖誕生』1993年11月公開、天間敏宏監督作品 原作:ビートたけし 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2  ある青年が、暇を持て余していたところ新興宗教の教団に遭遇し、明らかにサクラを使った公開秘蹟などに興味を持ち、同行することになる。その後、元ホームレスでお飾りの雇われ教祖が追放され、2代目教祖に祭り上げられることとなる。  新興宗教の胡散臭さと儲け主義に痛烈な批判を突きつけた一作。 『ロストケア』2023年3月公開、前田哲監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆  ケアセンターの職員、斯波はとても献身的な介護士で、センターの利用者から好感を持たれ、後輩や同僚、センター長からも信頼されていた。ある日、自宅で要介護者とセンター長が亡くなっているのが発見される。最初は、借金があるセンター長が、窃盗目的で犯行に及んだ際の事故死ではないかと思われていたが……。  その事件とは別に、ケアセンターでの利用者の死亡件数が県平均よりも抜きんでて多く、斯波の休日に亡くなる要介護者が多いことが判明するに及び、事件は急展開する。  要介護者とその家族、ヘルパーにまつわる問題を正面から取り上げた問題作。介護認定審査会の委員を務めているのですが、各家庭で様々な案件があり、大変な家庭は本当に大変そうで昔はどうやって乗り切ったのだろうかと……

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