カテゴリー別アーカイブ: 一般映画

 『聖の青春』『泣き虫しょったんの奇跡』

『聖の青春』2016年11月公開、森義隆監督作品 大崎善生原作、先行したテレビドラマ版(2001年)もあり。 幼くして患った腎臓病と闘いながら、将棋が大好きで、将棋に没頭し、29歳の若さで夭逝した元A級棋士・故村山聖九段の生涯をつづったノンフィクション映画。 「将棋世界」1998年10月号、「さようなら村山聖九段」 顔がぷくぷくとしているのは、持病のせいで浮腫んでいることが大きいのです。 以下リンク 「『藤井聡太六冠はあの天才棋士・村山聖の生まれ変わりではないか』…ネット上の噂を師匠に聞いてみたら返ってきた意外な答え」 今回の二作品と『3月のライオン』で、新将棋三部作ということでどうでしょうか。映画としての面白さをいうなら『3月のライオン』なんですが、個人的には『聖の青春』が人口に膾炙して故村山九段のことがもっと今の将棋ファンに知られる展開になって欲しいと思います。藤井七冠(2023.6月時点)は圧倒的に強いのだけど、上記のリンクからの元師匠の話には、当時を知る将棋ファンとして頷けるところが多々ありました。 『泣き虫しょったんの奇跡』2018年9月公開、豊田利晃監督作品 原作『泣き虫しょったんの奇跡』(瀬川晶司著・自伝) 全国中学生選抜将棋選手権大会で優勝して奨励会入りした瀬川は、その人の良さも災いして勝ち星が届かず年齢制限で奨励会を退会する。フリーター生活の後、大学を経てサラリーマンになったものの、将棋を捨て去ることはせず、アマ強豪としてプロ公式戦に参加し7割を超える勝率を挙げる。そのことが契機となり、多くの人々の支援を得て日本将棋連盟を動かし、全棋士の投票により規定に存在しないプロ編入試験が実施され合格するまでの半生が描かれる。

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『水曜日が消えた』『ミュジコフィリア』『ウェディング・ハイ』『ハケンアニメ!』『彼女が好きなものは』

『水曜日が消えた』2020年公開、吉野耕平監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 主人公の青年は幼いころの事故の後遺症により、7人の人格が日替わりで現れる。性格や好みがそれぞれ異なる7人は、週に1日しか過ごせないため親しい友人も持てず、病院の専門医の管理下で生活していた。中でも一番地味で几帳面な”火曜日の僕”は、他の曜日の人格から掃除・片付けなど雑用を押し付けられながらも生真面目に火曜日を過ごしていた。ある朝、目を覚ました”火曜日の僕”は、その日が水曜日だと気づくが…… 『ミュジコフィリア』2021年、谷口正晃監督作品 原作:さそうあきらの同名のコミック 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 京都にある芸術大学に入学した漆原朔は、ある出来事から強引に現代音楽研究会にひき込まれた。だがそこには 朔が音楽から遠ざかるきっかけとなった異母兄のと、朔が密かに憧れる兄の彼女、小夜もいた。大成は天才作曲家として注目されていたが、新たな作曲に苦悩していた。朔は子どもの頃から色や形を「音」として感じ取っていた(ここらあたりSF者が好きな設定ですねえ)。現代音楽がそのげんしょうをも表現できることを知った朔と同じような感性を持つ女性、凪との出会いが朔の才能歩目覚めさせる。  音楽ものの映画は名作が多いきがします。 『ウェディング・ハイ』2022年公開、大九明子監督作品、バカリズム脚本 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆ 結婚式、それは新郎新婦にとって人生最大のイベント!式当日を迎えたカップルとウェディングプランナーの悲喜交々。 式場に向かう元カレや、祝儀泥棒も現れて……(笑)  敏腕ウェディング・プランナーは、全ての難題を解決し、最高の結婚式を2人に贈ることが出来るのか――?  全ての伏線を回収していく脚本が見事なロマンチックコメディです! 『彼女が好きなものは』2021年12月、草野翔吾監督作品 独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2 ゲイであることを隠して生きる男子高校生が、クラスメイトの女子生徒が、男性同士の恋愛話が好きな女子であることを知る。腐女子であることがばれることを恐れる彼女に秘密を守ること約束するしたことで、彼が好きになった彼女は彼に告白し、彼も普通の生き方もしてみたいとそれを受け入れるのだが…… 展開がちょっと古くさいけど、真面目に造られていてなかなか良かったです。 『ハケンアニメ!』2022年、吉野耕平監督作品 原作:辻村深月「ハケンアニメ!」 連続テレビアニメ「サウンドバック 奏の石」が初監督作品となる斎藤瞳は、憧れの天才監督である王子千晴を超えるアニメをつくることを公言する女性監督。プロデューサーやアニメーターと共に夕方5時台の同じ時間帯で、王子千晴の復帰作「運命戦線リデルライト」と視聴率を争うことに…… 王子のプロデューサーの女性も、気まぐれな王子に苦労しながらも、9年ぶりとなる作品にかける! アニメ製作のスタッフや声優たちとの熱い苦労は報われるのか! アニメ製作の現場の雰囲気が味わえて面白かったです。現代でもけっこうアナログな部分も多いんですね。

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『メタモルフォーゼの縁側』『3D彼女 リアルガール』『3月のライオン』

『メタモルフォーゼの縁側』2022年公開、狩山俊輔監督作品 原作:鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆☆ 宮本信子さんと芦田愛菜ちゃんは演技が上手い。 BLマンガを通してつながった17歳の女子高校生と、75歳の老婦人の世代を超えた友情を描く。 共通の趣味で通じ合える喜びって、ありそうではあるけど中々経験しない。でも、良いなあ。 BLマンガをSFに変えて、SFにおいても世代を超えた友情が育めると嬉しい。 『3D彼女 リアルガール』2018年公開、英勉監督作品 原作:那波マオ『3D彼女 リアルガール』 独断と偏見のお薦め度☆☆☆ ひたすら中条あやみさんを愛でる映画です(笑)。可愛い。 学校一の超絶美少女と、2次元にしか興味がない超絶オタクの恋と破局と成就を描きます。 映画『卒業』ぽいシーンもあるけど、これは略奪婚ではないですね。 『3月のライオン』2017年、前後編公開、大友啓史監督作品 原作:羽海野チカ『3月のライオン』、監修:先崎学 独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆☆ 幼い頃に事故で家族を失った主人公(零)が、中学生でプロ棋士となり高校生になってからも懸命に生きる姿を描いた作品。零が、養父と暮らすにあたって「将棋は好きか」と問われたことで、生きるために将棋を学び、周りに支えられながらも厳しい世界を生きていく姿が心に迫ります。大学時代に囲碁将棋部だった者としては、棋士たちの将棋に対する鬼気迫る姿は美しいとさえ思いますが、理解出来ない人がいてもおかしくはないですね(汗;) 零の友人でもある病気がちの棋士二階堂のモデルは、29歳で夭逝した故村山聖9段のような気がしました。

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