『天地明察』『漫画誕生』『博士と彼女のセオリー』『フェラーリ』

『天地明察』2012年9月公開、滝田洋二郎監督作品
原作:冲方丁著『天地明察』
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
 江戸時代前期の囲碁棋士で天文暦学者の安井算哲(渋川春海)の生涯を描く。北極出地を終えた後、改暦の儀を命じられた算哲だが、朝廷の公家衆との暦を巡る戦いは熾烈を極めていく……
 SF作家でもある冲方先生の原作で、和算で有名な関孝和との出会いとか、改暦を巡っての闘いとか面白いです。

『博士と彼女のセオリー』2015年3月公開、ジェームズ・マーシュ監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆1/2
 2018年に亡くなったホーキング博士の元奥さんが書いた博士の人生に関するノンフィクション。
 SFファンにはお馴染みで、著作を読まれた方も多いのではないでしょうか。私は不勉強で、博士がどういった人生を歩まれてきたか全く知りませんでしたが、この映画には事実のみが持つ発見と驚きが詰まっていると思いました。SFファンなら観ずにはいられない!

『漫画誕生』2019年11月公開、大木萠監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 明治から昭和初期にかけて活躍し、『漫画』を今日的な用法で初めて用い、日本における近代漫画の祖とされる北沢楽天の半生を描いた伝記映画。北沢は、内務省の検閲課に呼ばれ、検閲官・古賀に促されるまま、自らの華々しい過去を語り始める。
 北沢を新聞社に誘った福沢諭吉、マンガ家岡本一平とその弟子(近藤日出造、杉浦幸雄)や、ジャーナリストの宮武外骨等、見知った名前の方が登場。へぇそうだったのかの連続でした(汗;)

『フェラーリ』2024年7月公開、マイケル・マン監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
 自動車メーカー「フェラーリ」の創業者エンツォ・フェラーリの1957年夏の出来事を描く。
 愛息ディーノの死を受け入れられない二人。夫の浮気と葛藤。会社の倒産危機とイタリアの有名レース「ミッレミリア」への参戦と痛ましい事故を描く。
 クルマ好きではなくても名前くらいは知っているフェラーリですが、その創業者のことは案外知られてないかもしれません。スーパカーブームの時に、カウンタックと共にブームを牽引したフェラーリのテスタロッサ。確か2mくらいの車幅があったような。
 ググると映画で使われたレースカーは、ケータハムを改造して製作された物のようです。確かにフェンダーを取ってしまうと、この当時のレースカーになるよなあ。
 ケータハム・スーパー7といえば、元々のルーツはロータス・スーパー7であることは皆さんご存じの通り。かつて、カルト的TVドラマとして人気だった『プリズナーNo.6』(1967)の冒頭のシーンに出てくるクルマとして有名です。映画『フェラーリ』を観つつ、高校時代のことを思い出してしまいました。『プリズナーNo.6』とか『ウルトラQ』や『アウターリミッツ』、懐かしい~ぞ(汗;)

2025年5月24日

『グアイウ 地下鉄の怪物』『アビゲイル』

『グアイウ 地下鉄の怪物』2023年7月公開、J・D・チュア監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆1/2 シンガポール映画
制御不能となった地下鉄が止まった先は、恐ろしい巨大生物が棲息する廃墟のトンネルの中だった。
 怪物に幼い息子ルーカスを連れ去られてしまったイー・リンは、息子を救いだそうと奔走するが……

『アビゲイル』2024年9月公開
マット・ベティネッリ=オルピン,タイラー・ジレット監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 裏社会の大物の娘・アビゲイルが誘拐された。犯人達は簡単に5000万ドルの身代金を得られるもの考えていたが、実は彼女の正体は吸血鬼であり、犯人達は徐々に追い詰められていく。
 ちょっとお笑いが入ってます。 アビゲイルの父親は吸血鬼の大物でもあるのです(笑)

2025年5月24日

『フューチャー・ウォーズ』『デイ・アフター・トゥモロー・ウォー』『インデペンデンス・デイ2025』

『フューチャー・ウォーズ』2024年5月公開、フランソワ・デスクラック監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆ フランス映画
 2555年の未来。地球は荒廃し人類絶滅が迫っていた。その未来からやってきたタイムトラベラーが、荒廃のきっかけとなった原発のメルトダウンを阻止しようとするが、歴史改変を阻止しようとする時空警察の妨害が。タイムトラベラーが、きっかけとなる事故の責任者(悪徳社長)とその娘を過去から未来へと拉致してきて、原発阻止を要請するのだがというお話し。
 昔、西暦2525年(ぜーガーとエバンス)というヒット曲がありました(笑)

『デイ・アフター・トゥモロー・ウォー』2021年製作日本公開予定無し、ハビエル・デル・シド監督作品
「デイ・アフター・トゥモロー」+「トゥモロー・ウォー」の有名作品のお題拝借低予算作品
 ちょっと珍しいグアテマラ映画。
 荒廃した近未来。「ジ・アイ」と呼ばれる超越的存在に自らの支配を委ねた人類は、豊かな北米世界と壁に囲まれた貧しい南米世界に別れ、自由を求める人々はレジスタンスを続けていた……
 南米からの脱出がメインテーマなのかなあ。主人公の目的がはっきりしてないし、突如ポルノ撮影が始まったりして、なんじゃこれはと(笑)

『インデペンデンス・デイ2025』2024年製作日本公開予定無し、エイドリアン・アビラ監督作
 有名作品のお題拝借作品ですな。いかにも低予算らしく、お金のかからないあまり重要で無いシーンの時間が長い(笑)エイリアン(モンスター?)は一瞬登場するが、制作費の関係(笑)ですぐに居なくなるという。
 ニューヨーク上空に巨大な球体型の飛行物体が出現し、丁度宇宙を観測していたのが宇宙学者のモロー博士の息子。それを報告したモロー博士が手腕を買われ、ヘリで調査を行なうことに。球体は電波や赤外線には無反応だったが、レーザーを照射した途端、ヘリを攻撃し始める。しかもその球体が多数地球に接近しつつあることが判明し……。

2025年5月24日

『映画 妖怪人間ベム』『マリアの乳房』『斉木楠雄のΨ難』

『映画 妖怪人間ベム』2012年12月公開、狩山俊輔監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
原作:1968-69年放映のTVアニメ『妖怪人間ベム』
 高校生の頃、毎週見てました。同時期に観ていたのは『アウター・リミッツ』や『ウルトラマン』があって、次に『ウルトラセブン』とかがあり、その次が『妖怪人間ベム』だったかな。
「はやく人間になりたい」は、友人の間で流行りました(笑)

『マリアの乳房』2014年6月、瀬々敬久監督作品
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 かつての超能力少女真生は、触れると死期の迫った人が見分けられるという特殊能力を活かし、死期が迫っている男性相手の売春を続け、相手を死の恐怖から救おうとしていた。その彼女の前に教師だという男がつきまとうが……
 いまわの際のセックスというユニークな発想が光る作品。元ネタが、宮沢賢治の『ひかりの素足』みたいで、ちょっと驚き。

『斉木楠雄のΨ難』2017年10月公開、福田雄一監督作品
原作:マンガ『斉木楠雄のΨ難』麻生周一著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 超能力者の高校生・斉木楠雄を主人公とするコメディ映画。橋本環奈がヒロインを演じているが、これが相当イタイ性格という設定で、大げさな演技で笑わせてくれます(笑)

2025年5月16日

『四月怪談』『夏へのトンネル、さよならの出口』

『四月怪談』1988年3月公開、小中和哉監督作品
原作:大島弓子のコミック「四月怪談」
高校生の国下初子は、下校中に立ち寄った廃工場で、落下してきた鉄骨に当たりそうになったはずみで幽霊になってしまう。←なんでや(笑)
姿が見えないことや瞬間移動の能力を面白がる初子は、先輩幽霊の弦之丞から色々忠告を受けるが、なかなか耳を貸そうとしない。そして初恋の人にフラれたショックで初子は「生き返らない!」と自暴自棄になってしまう……
 日本ビクターがVHD普及のため、他のメディアでは視聴できないVHDオリジナル作品として制作した。
 同じく大島弓子のコミック「綿の国星」もVHDオリジナル作品としてアニメ化されました。
 VHDプレーヤー持ってました。著者インタビューで時々お世話になっている浅野さんは、ビクターでVHDの開発に携わってらっしゃった方です(最近では和田はつ子先生の著者インタビュー)

『夏へのトンネル、さよならの出口』2022年9月公開、田口智久監督作品
原作:『夏へのトンネル、さよならの出口』八目迷著
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
ラストで、おっとそう来たかと納得。(^o^)/
詳しくは、迷子@岡山さんのアニメレビューを見て下さい(笑)

2025年2月13日

『不死身ラヴァーズ』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『やがて海へと届く』

『不死身ラヴァーズ』2022年4月公開、松居大悟監督作品
原作:高木ユーナ『不死身ラヴァーズ』
 幼い頃入院していたのりは、優しくしてくれた甲野じゅんを運命の人として心に決める。そして中学生になったのりは、後輩のじゅんと再開するが両思いになった瞬間、彼は消えてしまう。やがて、りのの前にあらわれる「こうのじゅん」に対して、りのは全力で恋に落ちていくが、その度彼は消えてしまう。←ファンタジーかと思ったら違った(笑)

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』2017年2月公開、石井裕也監督作品
原作:最果タヒの詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
 子どもの頃に母を亡くし、死に対する不安を感じながら育った美香は看護師として働いている。一方社会に適応できず日雇い労働者として働く慎二はある日、同僚とともに美香がアルバイトで働くガールズバーにやってくる。
 慎二が仕事中に怪我をし、治療のため病院に行くとそこで看護師の美香と再会、やがてお互いを意識するようになるが。

『やがて海へと届く』2022年4月公開、中川龍太郎監督作品
原作:彩瀬まる『やがて海へと届く』
 大学の入学式で親友と巡り会った女性。親友が震災に遭ったらしくひとり旅から帰らなくなって5年、彼女は親友を捜すため旅立つ。
 ううむ。小説のほうが好きかなあ。
対談:彩瀬まる×住野よる

2025年2月13日

『狼の紋章』『キューティハニー』

『狼の紋章』1973年9月公開、松本正志監督作品
原作:平井和正《ウルフガイ》シリーズ
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆
原作に沿って映画化されているので、SF者にも楽しめます。懐かしい。
松田優作のデビュー作(敵役)としても知られてます。

『キューティハニー』2004年5月公開、庵野秀明!監督作品
原作:永井豪の漫画『キューティーハニー』、主題歌: 倖田來未
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
 低予算ながらも楽しめました。主役のサトエリ嬢を愛でる映画です(笑)

2025年2月13日

『スティーヴン・キング エイジ・オブ・パンデミック』『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』

『スティーヴン・キング エイジ・オブ・パンデミック』2020年10月公開、カート・ウィマー監督作品
原作:スティーブン・キング「トウモロコシ畑の子供たち」
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 ライルストーンの町人は、ある企業の強引な薦めによって導入された、遺伝子組み換えトウモロコシの不作によって頭を悩ませていた。大人たちは畑を焼いて賠償金を得る計画を立てるが、それを知った孤児の少女たちは大人たちに反旗を翻す。ファンタジー要素もある普通のホラーです。ラストは牧野修先生もかくやという……牧野先生だったらもっとスマートな筋立てにするか(汗;)

『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』2024年2月公開、エマ・タミー監督作品
原作:同名のコンピュータゲーム
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
 妹のアビーとの暮らしを守るために、廃墟と化したレストラン<フレディ・ファズベアーズ・ピザ>の夜間警備員として勤務したマイク。それは、モニターを監視する”だけ”という触れ込みの簡単な仕事のはずだったが……
 普通のホラーかと思って見始めましたが、ファンタジー要素はありませんでした。なるほど、そういうことか……

2025年2月7日

『インベージョン』『フィフス・ウェイブ』

『インベージョン』2007年10月公開、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督作品
原作:ジャック・フィニイ『盗まれた街』 四度目の映画化
独断と偏見のお薦め度☆☆☆1/2
宇宙から飛来した未知のウイルスが、世界中で謎の感染症を引き起こす。感染すると睡眠中に分泌されるホルモンをきっかけにして、記憶は受け継ぐものの感情を失った何者かに変貌してしまう。
睡魔と闘いながら息子を探す主人公キャロル役のニコール・キッドマンが、凄みも感じさせる美しさ。美人です(笑)
でも、あの甘々なラストでプラマイゼロかなあ(笑)

『フィフス・ウェイブ』2016年4月公開、J・ブレイクソン監督作品
原作:リック・ヤンシー『フィフス・ウェイブ』
独断と偏見のお薦め度☆☆☆
ある日、異星人の宇宙船が突然地球に現れる。その《アザーズ》と呼ばれる異星人の攻撃により壊滅状態になった人類を描いた作品。第五波とは、異星人が仕掛けてきた様々な攻撃で、五段階目のものを指すが、その実態は最後に明かされる。異星人に対抗し、弟を救出するために闘う少女が主人公です。
 色々と詰めが甘いけど、それを言う種類の映画ではない(笑)
 

2025年2月7日

『止められるか、俺たちを』『青春ジャック 止められるか、俺たちを』

『止められるか、俺たちを』2018年10月公開、白石和彌監督作品
1969年の若松プロダクションを舞台とした青春映画。若松監督と1969年に若松プロに入社して助監督となり、1972年に自死した吉積めぐみを主人公に描く。若手というだけでなく女性ということでもかなりのプレッシャーとストレスがあったのでしょうか。
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆

『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』2024年3月公開、井上淳一監督作品
『止められるか、俺たちを』から10年後を舞台とした作品。
若松孝二監督と若松監督に請われて名古屋のミニシアター(若松プロ自前の映画館)の支配人になった木全純治氏を主人公として描いた群像劇。若松監督が自前の映画館を持っていたと初めて知りました。
独断と偏見のお薦め度☆☆☆☆

ピンク映画の黒澤明と言われた若松監督と若松プロの若手監督たちのエピソードの映画化。
取り組み方は様々ですが、まあ登場人物全員が映画好きで、映画が好きな方にはお薦め。
ピンク映画の「甘い罠」とか「犯された白衣」、衝撃的でした。
『寝盗られ宗介』『キャタピラー』『水のないプール』も問題作で面白かったです。

2025年2月5日