遠隔戦闘もの三作品

マージナルオペレーション

原作:芝村裕吏
漫画:キムラダイスケ
2013.11.22、講談社、kindle版
三〇歳のニート、アラタが選んだ新しい仕事、それは民間軍事会社―つまり、傭兵だった。住み慣れたTOKYOを遠く離れた中央アジアの地で、秘められていた軍事的才能を開花させていくアラタ。しかし、点数稼ぎを優先させた判断で、ひとつの村を滅ぼしてしまう。モニターの向こう側で生身の人間が血を流す本物の戦場で、傷を乗り越えたアラタが下した決断とは―?


バトル グラウンド ワーカーズ

『バトル グラウンド ワーカーズ』
竹良実著
2019.8.30、小学館、kindle版、605円
“失業中に30歳を迎えた平仁一郎は、未知の生命体「亞害体」と戦う人型兵器「RIZE」を遠隔操縦する職に就いた。”
遠隔操縦中に繋がったままRIZEが完全破壊されると、操縦者の生命も失われるので強制離断できるが、その回数に制限があり、そこが読みどころとなっています。
青年誌の〈ビッグコミックスピリッツ〉にて連載中。最近「亞害体」に関して意外な展開を迎えてますが、今週号(24.25合併号)ではさらに??な展開に(汗;)
これ、作者はどう落とし前をつけるのでしょう。興味津々です(笑)


『在宅戦闘員』中条卓著

http://www.sf-fantasy.com/magazine/serials/nakajo/index.shtml

凄腕のゲーマーであるカオル君が迷い込んだ怪しげなゲームサイト。クイズを解いてゲームが進行するにつれ、益々込み入ったディティールが現れ、ゲーム内容も現実さながらの戦闘を模したものに。無事一次選抜を通過したカオル君の元に、ピッタリとフィットしたVR操作機器も送られてきたのだ……

作者の中条卓さんによると「当時から在宅勤務にあこがれていた私は“究極の在宅勤務ってなんだろう!”という、わりとしょーもない自問に対する答えとして在宅のまま戦争に参加する兵士というのを考え出したようです。」とのこと。

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江戸幕府役職他(笑)

最近江戸時代の時代小説を読む機会が増えたので、江戸の幕府組織を知るために資料を買ってみました。参考にしたのは上田秀人先生の『武士の職分』です。上田先生ありがとうございます。


『武士の職分』中田秀人著

『武士の職分』上田秀人著、西のぼるカバーイラスト
2016/10/25、600円、角川文庫

役目を減らすことは、役人の席を奪うこと。己の存在意義と既得権益をめぐり、武士たちは熾烈な競争を繰り広げた。世襲を旨とする幕府が、唯一実力主義を徹底した医師。大名・旗本が敵に回すことを最も恐れた奥右筆。親兄弟であろうと罪を暴き、なりふりかまわぬ手柄を求めた目付。人も羨む出世と引き替えに、お手討ちもありえた小納戸等々。
歯科医でもある上田先生の変わった役職についての考察(笑)。実はこの本の前書きに記された資料から、以下の本を購入したのでありました。上田先生には、同業のよしみもあり、ぜひインタビューをさせて頂きたいものです。ファンになった切っ掛けは《奥右筆秘帳》シリーズを読んでからです。


『江戸町奉行』

『江戸町奉行』横倉辰次著、鈴木一誌+武井貴行装幀
2003/11/1、2000円、雄山閣
俗にいう八丁堀風の髪を毎日床屋に結わせ、朝風呂に入り、江戸八百八町を肩で風切って歩く。相撲取り、火消頭とともに江戸三男といわれた与力およびその下役、同心、目明し。彼らの日々の活動と生活を幕末名与力佐久間長敬の記録や豊富な史料によってその実像を紹介する。


『江戸の町奉行』石井良介著

『江戸の町奉行』石井良介著
2011/11/25、1800円、明石書店
大岡越前は本当に名奉行だったのか。町奉行、与力、同心、目明、火盗改、辻番、代官…南北に別れる江戸時代の警察裁判を司る町奉行システムから当時の江戸の治安システム、さらには庶民の日常までを紹介・解説する。
折り込みに、「江戸の朱引絵図」あり。


『江戸幕府』

『江戸幕府役職集成』笹間良彦著
1965/7/10、2500円、雄山閣
江戸時代の武家の社会組織、職制、生活のしきたりなどについて、さし絵を用いてわかりやすく、ていねいに解説。武家社会を知るための入門書。
江戸城勤番武士の生活(勤番の意味;武士の給与;旗本と御家人の生活;大名の生活)
江戸城勤番武士の職制(幕臣の身分の区別;役方の区分;老中支配の諸役;若年寄支配の諸役;幕末動乱期の職制)
「黒鍬頭」将軍が遊獵に使い、平時はもろもろの触達に使ったもので、470人もおり、三名の頭が支配したと記述があります。「御掃除頭」と同じく、台所前廊下席、御譜代で百俵高であるとのこと。


『江戸町奉行所事情』

『図説・江戸町奉行所事典』笹間良彦著
1991/1/25、3800円、柏書房
八百八町にはびこる犯罪と、派手な捕物、牢獄のしきたり、過酷な拷問、刑罰の諸々…。江戸の行政・司法・警察のいっさいを管轄した町奉行所の全貌を、綿密な考証と豊富な図版で再現する。

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「《はぐれ名医》シリーズ」和田はつ子著

☆『大江戸ドクター』と《はぐれ名医》シリーズ
「アニマ・ソラリス」の「和田はつ子先生『大江戸ドクター』インタビュー」で、和田先生は、
“わたしの初期の作品に、医者、据物師、同心の三人が力を合わせて事件を解決する《やさぐれ三匹事件帖》シリーズというものがあります。実は『大江戸ドクター』は、彼らの十年後を設定し、医者ー克生中心に描いたものです。ですから三人にはかなりの思い入れがあります。現在、この《やさぐれシリーズ》を改変して、『大江戸ドクター エピソードゼロ』として刊行してはという話をいただいています。”
と発言されています。
この言葉通り、『大江戸ドクター』は、《はぐれ名医》シリーズとして刷新されたとも言えましょう。まあ、これから読まれる方は《はぐれ名医》シリーズ だけ読めば事足りると思いますが、ファンの方は『大江戸ドクター』+『やさぐれ三匹事件帖1,2』と、《はぐれ名医》シリーズを読み比べて、どこが改稿されているかチェックされるのも一興でしょう(笑)


『はぐれ名医事件暦』和田はつ子著

『はぐれ名医 事件暦』和田はつ子著、浅野隆広装画
2014.6.10、幻冬舎時代小説文庫、580円
「江戸に住む辰年生まれの者を、五日の内に殺める」という脅迫状が南町奉行所に届いた。木挽町で治療庵をひらく蘭方医・里永克生は、医学の豊富な知識と並外れた洞察力を奉行所に買われ、相次いで殺された辰年生まれの変死体を検分することに。人付き合いの苦手な医者が、死体から得た僅かな手がかかりを基に真相を明らかにする謎解きシリーズ第1弾。
ベスト時代文庫の『恋刀 やさぐれ三匹事件帖』と『三匹の侍捕り物控』を大幅に加筆修正。再構成したもの。


『はぐれ名医事件暦 女雛月』和田はつ子著

『はぐれ名医事件暦 女雛月』和田はつ子著、浅野隆広装画2015.6.10、幻冬舎時代小説文庫、600円

出産直後に殺された若い女の骸が発見される。赤子が消えているにもかかわらず自死と片付ける奉行所に不審を抱く蘭方医・里永克生。玉の輿を狙った娘達が足繁く通う甘酒屋をつきとめるが、女将はすでに殺され、訪れていた町娘達は行方知れずとなっていた。解明に乗り出す克生の前に立ちはだかったのは、名門武家が糸を引く非道な稼業だった。
ベスト時代文庫の『雪中花 やさぐれ三匹事件帖』を改題し、大幅に加筆修正したもの。


『はぐれ名医事件暦 女雛月』和田はつ子著

『はぐれ名医診療暦 春思の人』和田はつ子著、浅野隆広装画
2015.12.5、幻冬舎時代小説文庫、580円
十年ぶりに江戸に帰還した蘭方医・里永克生 は、神薬と呼ばれる麻酔を使った治療に奔走 していた。舌癌に苦しむ贅沢三昧の両替商、 痔瘻をひた隠しにする人気噺家、梅毒で鼻を 失った大名家のお世継ぎ……。冴え渡る医術 と並外れた洞察力で、一筋縄ではいかない過 去を抱えた患者たちの人生を蘇らせる。
幻冬舎の『大江戸ドクター』を改題したもの。

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藤田雅矢先生短編収録電子版『万象』


万象

日本ファンタジーノベル大賞受賞作家21人の書き下ろしアンソロジー、井村恭一表紙画
「ZOO」藤田雅矢著
四国から決死の思いで、京都の動物園に象を見るためにやってきた吾郎は、窓口の料金表を見て途方にくれた。大阪でお金を盗まれたため、ポケットに穴あきの五万円銅貨と一万円のアルミ貨を何枚かしか持ってないのに、そこには「小人五十万円」と書いてあるのだ。園内の掃除を条件にどうにか象を見ることが出来た吾郎の知った驚きの事実とは……
藤田先生以外の収録作:
北野勇作「掌上現象」
南條竹則「動物園にて」
井村恭一「直し屋」
山之口洋「ナチュラル・ウォリアーズ」
沢村 凜「優しい手」
涼元悠一「停電の話?カッくんとデンバネ・白い車」
森青花「夢色いろ」
斉藤直子「リヴァイアさん」
粕谷知世「象になりたかった少年」
西崎憲「東京の鈴木」
渡辺球「仕える人々」
仁木英之「千秋楽」
堀川アサコ「からっぽの宇宙」
久保寺健彦「ファーストデート大作戦」
小田雅久仁「よぎりの船」
石野晶「かたわれ」
勝山海百合「ドライブイン・ヘルシンキ」
日野俊太郎「ヒトノムコトリ」
三國青葉「爆裂しすたーず」
冴崎伸「死を降らす星」
斉藤直子「まとめ人日記」
斉藤直子さんの「まとめ人日記」によると、2004年頃に始動した計画だったようだ。藤田雅矢さんは初期の頃からこの計画に参加されていたみたいですね。

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『糞袋』『蚤のサーカス』『星の綿毛』藤田雅矢著(kindle版)

『糞袋』『蚤のサーカス』『星の綿毛』に関する著者インタビューは、以下で読めます。
http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/040701.shtml


糞袋

『糞袋』藤田雅矢著、
2018.8.28、惑星と口笛ブックス、kindle版、800円
時は江戸、舞台は京都。「肥えとりはん」見習い中のイチは、ひょんな行きがかりから花街のお女郎さんの小水を所望する大店の旦那はんに 頼まれ、その配達係を引き受けることに。やがて糞尿全般スカトロ系事業に関わり、思わぬ運命に翻弄される……
蘊蓄ならぬ「ウンチくぅ」物語。
第7回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。


『蚤のサーカス』書影『蚤のサーカス』藤田雅矢著、土橋とし子装画
2014.4.16、アドレナライズ、kindle版、495円
さあお立ち会い、世にも珍しい蚤のサーカスだ。1970年、大阪万博が延期された架空の世界が舞台。田舎の虫好き少年二人が、謎の「蚤のサーカス」の団長の罠にかかり、横浜まで解毒剤を取りに行く羽目に。二人はその資金調達のために、巨大な蝶と雌雄が合体した蝶を生み出す計画を実行しようとするが……
蘊蓄ならぬ昆蓄話かも(笑)


『星の綿毛』書影『星の綿毛』藤田雅矢著、菊池健装画
2014.5.1、アドレナライズ、kindle版、495円
どことも知れぬ砂漠の惑星。<ハハ>と呼ばれる銀色の物体の通った後には、緑を貯えた土地が砂漠の中を帯のように延びていき、人間たちはそこにまとわりついて収穫し、暮らしを営んでいた。そうしたムラのひとつに住むニジダマは、その緑の帯の端っこ、再び土地が干からびて砂漠に帰っていくところで、他の子ども達と落ち穂拾いをしていた。
道具を作るというトシという存在にあこがれるニジダマは、ある日砂漠を越えてやってきた交易人の世話をする役に指名される。過酷な環境を耐え抜くために全身の皮膚をウロコで覆った異形の男ツキカゲは、ニジダマの心を見透かしたかのように交易人になって一緒にトシに行こうと持ちかけた……

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藤田雅矢先生電子版著書『エンゼルフレンチ』


エンゼルフレンチ

『エンゼルフレンチ』<宇宙篇>藤田雅矢著、ウエタケヨーコ装画
2018.8.21、株式会社アドレナライズ、Kindle版、495円
「奇跡の石」(SFマガジン読者賞国内部門一位)
机の上のガラス瓶。そこにはドリスがくれた小さな雲母に似た半透明な結晶が入っている。あの姉妹は今はどうしているのだろうと私は思いをはせた。とある電機メーカーの、閉鎖になったエスパー研究所に所属していた私は、様々な超能力を持った人たちと出会う機会があった。ある時、東欧のロベリア共和国を訪ねる機会を得た私は、そこで類い希な能力を持った姉妹と出会うが……
「エンゼルフレンチ」
いつものようにミスドでデートしたすばるとダイチ。喘息持ちのダイチが宇宙飛行士に選ばれたというのだ。驚くすばるに、無人探査機にダイチの分身が搭乗するという計画を聞かされる。人工知能にダイチの個性が転写されるというのだ……
ミスドに始まりミスド終わるお話なんですが、なんとこれが壮大な宇宙空間と悠久の時の流れと愛情を紡ぎ出すという心温まる短編になっているとは!
「飛行螺子(ねじ)」
人力飛行機の制作にのめり込んでいた拓司は、どうにか大学の飛行工学実験棟に研究生として潜り込んでいた。そこで友達となったドルハンは、飛行機部品を主要輸出産品としていたマニ王国からの留学生だった。そのドルハンは、コップの中の紙切れを自由に動かすという不思議な手品を披露していた。そして、マニ王国に招待された拓司に明かされた驚愕の真実とは……
「地球の裏側」
アポロ8号が帰還の際に撮影されたとする画像、そこにはぼんやりした象の目らしきものが写っていたのだ。そしてアポロ十一号が撮影したのは、大地を支えている象の鼻や胴体、さらに三頭の象が乗っている亀らしきものだった!!
「こだま」
何年かぶりに田舎で林業を営む両親の元に帰ったダイキは、山がきれいになっていて驚く。山で働く父のところへ向かうと、どうも自動機械が山の手入れを手伝っているとのことだった。
「RAIN」
雨女・雨男を集めて雨を降らそうという組織にスカウトされた雨森益男の働きとは…… ラストの一行にずっこけると共に納得(笑)
「SHS88」
火星に繁栄をもたらすキーワード、それが「88」だった。火星に設置された八十八カ所の札所と、地球の四国遍路との関係とは……
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藤田雅矢先生電子版著書『鬼になる』


鬼になる

『鬼になる』<怪奇篇>藤田雅矢著、ウエタケヨーコ装画
2018.8.21、株式会社アドレナライズ、Kindle版、495円
初出《異形コレクション》、SFマガジン他から
収録作:
「鬼になる」
天保四年、水口村。度重なる飢饉で村民は疲弊していた。医者である宇根次さまの屋敷には異人が出入りし、飢えた子どもを預ければ“一年間”は食べさせてもらえるという噂があった。最後の一行がグサリときます。
「暖かなテント」
サーカスを見に来たマサルは、そこで不思議な体験をする。象やライオンがいるとは思えない、一見するとみすぼらしいそのサーカス団にはある秘密があった。
「引きだし刑」
ダリの《引き出しのあるミロのビーナス》に感化された作品。
「引きだし刑」に処された男が送り込まれる『引きだし等により構築された迷路世界』。そこから帰還したものはまだ居ないが、コードネーム<シーラカンス>という貴重なものを探し出せれば解放されるという。そこは暗黒の世界で、男は辺りを照らす小さな<太陽>とロッカーのカギを渡された。
「幻肢(ファントム)の左手」
火葬場の責任者である俺の左手が疼く。俺は、かつて同級生だった淳と美紀子の三人でよく山登りに行ったものだった。しかし大学時代に登った冬山で雪崩に襲われ、淳は助かったものの左手と左足を失ってしまった。そして美紀子はなんと一年半後に白骨死体となって見つかったのだが……
「釘拾い」
藤田さんの生まれ育った京の町のはなし。
石像寺の釘抜地蔵、釘ではない「釘」を踏んだマーちゃんは、祖母に連れられて百恵ばあちゃんに「釘」を抜いて貰いに行った。その「釘」が見える人は歳をとったら「釘拾い」をすることになるという。
「舞花」
英国のキュー植物園には、高名なノース女史が描いた植物画があり、その中には存在を確認されてない浮遊する植物が描かれていた。植物園が契約している世界を駆けめぐるブラント・ハンターが、その「舞花」を持ち帰ったというが……
「Dovey Junction」
ウェールズ地方を旅行した際に乗り換えた名も無き駅での不可思議な話。
「最後の象」
最新型のドローンを使って像を狩る密猟者。それを暗視ゴーグルで見つめる男の正体と象の秘密とは……
「おちゃめ」
「おちゃめ」を見た日には、ちょっといいことがある……
「銀のあしの象」
象専用パワードスーツをつけた動物園のシルバーは、何か悪いことが起こりそうだと嫌な匂いを感じるのだった。
小学5年生向けた作品。
「歯神社」
第二回大阪てのひら怪談投稿作品。
「鉄塔の記憶」
鉄塔のある風景を詠んだ句集。
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藤田雅矢先生電子版著書『植物標本』


植物標本

『植物標本(ハーバリウム)』<植物篇>藤田雅矢著、ウエタケヨーコ装画
2018.8.21、株式会社アドレナライズ、Kindle版、495円
収録作:
「ダーフの島」(SFマガジン読者賞国内部門一位)
ホピ族のカチーナ人形にインスパイアされた作品。
ゲラマ島には、ガラパゴス島にも似た島独自の生物群が存在する。ゲラマ島にのみ棲息する豚に似たゲラマブー、外界とは断絶した独自の文化を持つ土着の住民、ダーフと呼ばれる不思議な小人。久しぶりに島を訪れたヌマタは、刺青をした住民のリュマと再会し、島に上陸するのだが、そこには驚くべきダーフの生態が……
「世界玉」
高校で同級生だった晃司から届いた手紙、それはネパールからだった。そこにはネパールから来た留学生が持っていた掌に乗るくらいの大きさの「世界玉」のことが書かれていた。その中には世界があるという。私は、帰国できなくなった晃司を訪ねてカトマンドゥに向かうことにした。
「口紅桜」
植物園の私宛に届いた四国の虚空寺の和尚からの手紙、そこには山寺にある弱った口紅桜を養生してくれないかというものだった。
「トキノフウセンカズラ」
植物園に勤める私は、近所のフウセンカズラが普通とはちょっと違うことに気がつく。おばあさんにお願いして調べさせてもらうと、その実は中が空っぽだった。おばあさんは気づいてくれたことに喜び、不思議な由来を話し出した……
「植物標本集(ハーバリウム)」
解体される予定の植物園で一番古い木造の温室、そこから出てきたのは南方熊楠や牧野富太郎と並び称される野々山博士の残したハーバリウム(植物標本集)だった。野々山博士は、「ヤマワタリ」や「トビスミレ」など、これまでの植物学の常識を覆すような新種の植物を発表し、しかもその採取場所を明らかにしないことでも物議を醸してた人物だった。
「ブルームーン」
月初めに満月があって、月末にもう一度ある満月ときそれをブルームーンと呼ぶ。土砂降りの雨の夜、たまたま入ったバー「ブルームーン」、そこには同名の青紫の薔薇とカクテルがあった。
「計算の季節」
夏になると、複雑な計算を必要とする科学者たちがやって来る村。畑には多くの電算草が茂り、それを使って複雑なデータ演算が出来るのだ。大型電算機を使う代わりに、電算草と精神感応して必要とされる複雑な計算に没頭する科学者と、それを世話する少年の交流を描いた作品。
「スヴァールバルからの便り」
世界種子貯蔵庫のあるスヴァールバル諸島からの手紙、それは植物とのコミュニケーションを研究しているプラントドリトル研究所で働く旧知の秋野希林さんからだった。
ジュヴナイル小説の『クサヨミ』(http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/140102.shtml)の後日譚。
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☆祝!★和田はつ子著《口中医桂助事件帖》シリーズ完結

《口中医桂助事件帖》シリーズ堂々の完結!

和田はつ子先生渾身の作:公式サイト http://hatsukowada.s9.xrea.com/
装画は、安里英晴先生作:わくわく挿絵帖 https://sashieari.exblog.jp/
発行は小学館:【自著を語る】歯医者さん大好き――和田はつ子『口中医桂助事件帖 さくら坂の未来へ』
粗筋は、いずれも文庫の表4の粗筋を引用しました。


シリーズ第一巻

『南天うさぎ』
2005.11.1発行
571円(税別)
虫歯で命を失うこともあった江戸時代、庶民たちに歯の大切さを説き、虫歯で悩む者たちを長崎仕込みの知識で次々と救う口中医・藤屋桂助。その幼なじみで薬草の知識を持つ志保と、江戸の歯ブラシ・房楊枝職人の鋼次は、ともに力を合わせる若き仲間同士である。しかし、桂助のまわりでは謎の事件が次々と起こり、得体の知れない大きな流れに巻き込まれていく。大奥まで巻き込んで続発する事件の真相とは…。口中医桂助事件帖シリーズ第一作


手鞠花おゆう『手鞠花おゆう』
2006.3.1発刊
571円(税別)
歯の治療に訪れたおゆうは、女手一つで呉服屋を切り盛りする、あでやかな美女だった。おゆうは、店から独立して小間物屋をはじめるお紺のために、房楊枝を作ってほしいと桂助に頼んできた。ある日起こった火事の焼け跡から、その房楊枝を入れる袋が見つかり、下手人としておゆうが捕らえられた。彼女に好意を寄せる桂助と、それを心配する仲間の鋼次や志保も協力して、おゆうの嫌疑を晴らすために動くのだったが…。果たして、おゆう背後には!?『口中医桂助事件帖 南天うさぎ』に続く、大人気書き下ろしシリーズ第二作。


花びら葵

『花びら葵』
2006.7.1発刊
571円(税別)
桂助の患者だった廻船問屋橘屋のお八重の突然の死をきっかけに、橘屋は店を畳むことに。背後に、かつて桂助の家族とも関わりのあった岩田屋勘助の存在が浮かび上がる。自分の商売を広げるためには、どんな汚い手を使うことも厭わない岩田屋が…。そして、桂助の出生にまつわる真実が明らかになる。それは、将軍家のこれからをも左右する重大なことだった。ある事件に関わることになった桂助は、自ら望んで、秘密をかぎつけた岩田屋と相対することに!『南天うさぎ』『手鞠花おゆう』に続く、口中医桂助シリーズの第三作。


葉桜慕情

『葉桜慕情』
2006.11.1発刊
571円(税別)
桂助の名を騙った者に治療されて子供が殺され、そのあと妻も自害したという武士が、仇を討つといってあらわれた。表乾一郎と名乗る男は、桂助と面会して誤解だと納得したが、上総屋のおいとが殺され、桂助は捕らえられる。いったん犯人が見つかったかに思えた偽口中医の事件だったが、犯行はさらに広がりを見せた。そして、桂助がついに突き止めた真犯人から、意外な絡繰りと背後に潜む悪の存在が明らかになる。今回は、熱心に求婚を迫る男が登場することで、桂助への思いとの間で揺れ動く志保の微妙な女ごころも描かれている。書き下ろし人気時代小説第四弾。


すみれ便り

『すみれ便り』
2007.6.11発刊
571円(税別)
永久歯が生えてこないという娘おてるを診ることになった桂助。彼女は、桂助とともに長崎で学んだ斎藤久善の患者で、その見たては間違いなかった。斎藤のところには患者が多数詰めかけ、“いしゃ・は・くち”は閑散としていた。桂助はその前に、亡くなった恋人・彩花が、奇しくもおてると同じ病気だったことを知り、衝撃を受けていた。そこに、同心の友田からの依頼で、傷のない死体を診た桂助は、すみれの花の汁がついていたことを見つけ、その真相に迫っていくのだが…。新たに入れ歯師が仲間に加わることになる、人気シリーズ第五弾。

想いやなぎ

『想いやなぎ』
2007.12.11
552円(税別)
鋼次と“いしゃ・は・くち”を誹謗中傷する紙がばらまかれ、房楊枝が戻されてきた。おきわという女性と知り合った鋼次は、好意を抱くようになり、店を手伝いに出かけていく。ところが、その鋼次に身の危険が迫っていた。さらには、志保や妹のお房も狙われていく。その背後には、桂助の出生の秘密を知り、自らの権力拡大のため、桂助に口中医を辞めさせようとする者の存在があった。一方桂助は、実弟であることは伏せられたまま、将軍家定の歯の治療を直々に行ったのだった。さらなる激動を予感させる、人気シリーズ第六弾。


菜の花しぐれ
『菜の花しぐれ』
2009.4.12
533円(税別)
紬屋の太吉が、女房お悦の着物を仕立てるために藤屋に出入りするようになった。不幸にしてお悦は亡くなるが、そんな太吉を妹お房は慕うようになる。しかし、桂助の養父長右衛門と太吉の父親である貞右衛門との間には、今まで知らされていなかった過去があった。お房の気持ちを知り、ある日貞右衛門に呼び出された長右衛門だが、行方不明になる。貞右衛門もいなくなり、目撃証言が出て長右衛門に殺害容疑がかかる。それは、桂助を次期将軍にしようという岩田屋の陰謀だった!養父を守るために立ち上がった桂助の苦悩を描く、書き下ろし人気シリーズの第七作。


末期葵

『末期葵』
2009.5.13発刊
562円(税別)
貞右衛門殺しの容疑で捕らえられた義父・長右衛門。それは、岩田屋勘助の仕組んだ罠だった。岩田屋は自らの権力拡大のため、前の将軍のご落胤である桂助を、次期将軍にして自分の思うがままに動かそうとしていた。義父の命の鍵を握る岩田屋の命じるままに、次期将軍争いを繰り広げる南紀派と一橋派の両領袖の治療にあたった桂助。そして、側用人の岸田が襲われ、叔母とその孫が連れ去られるに至って、桂助は出生の証である“花びら葵”を、岩田屋に差し出すことを決意する。岩田屋の野望は達せられたかに見えた…。長年の因縁に決着が付く、シリーズ第八弾。


幽霊蕨『幽霊蕨』
2009.12.9発刊
514円(税別)
食が細くなった岡っ引きの岩蔵親分。それが人に言えない悩みを抱えていることだと桂助は見破った。岩蔵は、四千両を盗んで磔に処せられた御金蔵破りのふたりには、実は黒幕がいるのではないかと気にしていた。そして、桂助を訪ねてきたおまちの、結婚相手の辰三が行方不明になっていた。折しも、全焼した岩田屋の跡には、隠した金を探しに勘助の幽霊が出るという。幽霊の正体とは?そして、周辺で起こった事件の真相とは?一介の旗本に身をやつした一橋慶喜が、鋼次の長屋に越してきて、桂助とともに権力の動きを突き止める。人気書き下ろしシリーズ新展開。


淀君の黒ゆり

『淀君の黒ゆり』
2010.4.11発刊
552円(税別)
側用人の岸田正二郎が治療に訪れ、大名家で起きた不可解な事件の調べを桂助に命じてきた。堀井家江戸留守居役である、金井が殺害されたという。金井の両手足には五寸釘が打ち込まれており、なぜか歯にはお歯黒が塗られていた。岸田の知らせで、次いで善石寺を訪れた桂助は、毒殺された女性の骸と白いゆりの花を発見する。これを聞いた志保は、「絵本太閤記」に記された淀君と寧々を巡る黒ゆりの話をした。そして住職から、闇に葬られた藩の不祥事があったことを聞き、桂助は真相に迫っていく。表題作ほか、桂助の推理が冴え渡る、人気書き下ろしシリーズ第十弾。


かたみ薔薇

『かたみ薔薇』
2011.5.15発刊
552円(税別)
桂助に平穏な日々が訪れたと思ったのも束の間だった。側用人の岸田正二郎の指示で、桂助は旗本田島宗則のもとから十年前にいなくなった娘の行方を探し始める。一方、下っ引きの金五の恩人だった喜八が殺され、金五も足に大けがを負う。そして、手習塾の女師匠ゆりえが殺害される。また、長い間行方不明だった金五の両親が遺体で発見され、さらには志保の父・佐竹道順や横井宗甫に魔の手が!被害者の多くには、前歯に二本の黒い線が彫られていた。犯人捜しをする桂助だったが、不可解な印はなぜ付けられたのか。さらなる敵を予感させる、人気シリーズ第十一弾。


江戸菊美人

『江戸菊美人』
2011.11.13発刊
552円(税別)
志保が、父親の殺害をきっかけに桂助の元に来なくなって半年が経っていた。寂しくなった“いしゃ・は・くち”だが、歯の治療だけではなく、事件の解決を求めて訪れる人たちもいた。桂助は、湊屋松右衛門から後添えにする約束をしていたお菊がなぜ死体で発見されたのかを調べて欲しいと頼まれた。お菊の親友であるお奈津から、米問屋の山形屋につき合っている男がいたと言われる。その男佐吉から話を聞いた桂助は、悲劇の真相に迫っていく。表題作の「江戸菊美人」ほか全四編。鋼次や本橋ら仲間と奮闘する桂助の活躍を描く、人気書き下ろしシリーズ第十二弾。


春告げ花

『春告げ花』
2014.1.9発刊
552円(税別)
桂助のもとに人気絵師・喜代麿が訪れる。喜代麿が探しているという“呉服橋のお美”が、銘茶問屋芳田屋の娘・美鈴であることがわかり、それをきっかけに桂助のもとを訪れることになった美鈴。女手がなくなり、鋼次とふたりで慌ただしい日々を送っていた“いしゃ・は・くち”の手伝いに美鈴は通うようになる。当初は、名前を偽り装いも変えていた美鈴に、鋼次は厳しい目を向けていた。桂助は、彼女の回りで起きたいくつかの事件を解決していくうちに、美鈴の思いに気付くのだった。新たな恋の行方を描いて新展開のシリーズ第十三弾!


恋文の樹

『恋文の樹』
2016.2.10発刊
650円(税別)
治療所の薬草園荒らしの科人探しをきっかけに、桂助は口中医の田辺成緒を訪ねた。成緒の伯父は、志保の父佐竹道順と一緒に殺害されており、成緒は桂助をその下手人と疑っていた。しかし、成緒には脅迫状が届けられ飼い猫が殺された。一方、岸田正二郎には実の父親がいて牧瀬基良という医師であることが判ったが、牧瀬は恋文の中に驚くべき事実を遺していた。華岡青洲流の麻酔薬を改良して歯抜き用に使う配合を突き止めていたというのだ。桂助は、その配合を知る者として狙われていたのだった。驚愕の真犯人と黒幕の正体とは!二年ぶりとなるシリーズ第十四弾。


毒花伝

『毒花伝』
2018.5.1発刊
610円(税別)
桂助は、虫歯によって歯無しになった人々が生きる希望を失ってしまうことに心を痛めていた。品川の宿から骸で見つかった男は千住品三郎といい、桂助が手当てして歯を抜いた患者だった。その品川では同じ頃、ツクヒ(破傷風)で死んだ男が見つかり、その遺体を焼いた男も不審な死をとげていた。続いて、投げ込み寺で見つかった八つの不審死体にも、全員歯が無かった。調べを進める内に、鋼次が何者かに連れて行かれ、そこに記憶を失った志保が現れる!一連の事件の背後には、歯無しになった人々の苦しみにつけ込んだ、某藩の恐るべき計画があった―。シリーズ終盤となる、第十五弾!


さくら坂の未来へ

『さくら坂の未来へ』
2019.4.10発刊
650円(税別)
桂助と鋼次は、虫歯の治療に行くという妹のお房に横浜の居留地まで同行した。そこで、エーテル麻酔で痛みを感じさせずに、機械で虫歯を取り除くという最新治療を目の当たりにする。歯科医のウエストレーキから、日本の木床義歯の優秀さと、医療用以外で阿片の使用が広まる懸念を告げられた桂助は、謎の死を遂げた同心の友田が阿片密輸の大本に迫っていたことを知って、その真相に迫っていく。そして遂に、探し求めていた志保と再会を果たした桂助は、できるだけ抜歯をしない歯科治療を目指して、新たな世界に旅立つのだった。大人気シリーズ、感動の最終巻!

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飛鳥Ⅱの図書室

日本丸に続き、飛鳥Ⅱの図書室です。
SFはほぼ無し。円城塔先生と梶尾真治先生の著書が散らばって置かれていたのでまとめてパシャ(笑)
飛鳥Ⅱは、来年(2020)の3月に、図書室を含んだスイート系の客室を改装するそうなので、ちょっと期待。まあ、SF・ファンタジーファンは、好きな本を持ち込むでしょうけど。
飛鳥図書室

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