カテゴリー別アーカイブ: ゲンロンSF関連

長谷川京先生著者インタビュー関連本

『障害報告:システム不具合により、内閣総理大臣が40万人に激増した事象について』長谷川京著 2023.8.2、anon press、Kindle版660円(税込) 「障害報告:システム不具合により、内閣総理大臣が40万人に激増した事象について」 「エイリアンステイツ・51からの大統領選遊説」 「極道會襲名式〈ヤクザバース・トランザクション〉」 「EXO2100決勝_五年目の真実_最終版_本当の決定稿_完成バージョン.xls」 「太古から現代に紡がれる日本文化の歴史シリーズ:第抵シ撰シ托シ回 死亡遊戯〈デスゲーム〉」 『小説すばる』2022年12月号 Japasese Flash Fiction(千字一話)、日本初のフラッシュフィクション連載!ということで、 「帰ってくれタキオン」(長谷川京作)が掲載されてます。 SFファンにはお馴染みの、あの“タキオン”が登場した顛末となぜ「帰ってくれ」なのかについての考察(笑) 『小説すばる』誌は、ポツリポツリとしか購入してないのですが、SF系も結構掲載されることが多いです。 12月号の「帰ってくれタキオン」の前後も、後ろは「令和元年生まれルリカ50歳」(王谷晶作)という老年問題を扱った触手(笑)&ディザスターもの。前は「ソコレの最終便」(霧島兵庫作)という架空戦記。 もう一つ前が今祥枝女史による「海外ドラマ考現学」で、“中高年向けコンテンツは新たな鉱脈となるのか”ということで、ニュータイプ西部劇「イエローストーン」(←見てました)が俎上に。そ、そうだったのか!。ということは最近スカパーで第二シーズンの放映が始まった「WALKER/ウォーカー」も同じ系統なのかな。 普段読んでない雑誌を読むと新たな発見があって面白いけど、なかなか毎号は読めません(汗;) 『&6 解き放たれたSF誌』SF創作講座第6期有志、第6期からの脱出 2023.11.11、邸和歌(やんぐはうす)、いしかわ装画、1500円 「異界からのスーパーライク」長谷川京 マッチングアプリSF(笑)。「エロは金になる」ということで多種の異星人向けアダルトサービスを立ち上げた二人。 上手く行かない二人に届いた起業家成長プログラムは、成功しなければ船ごと廃棄される悪魔のシステムだった! 『5GⅡ 接続されたSF誌』第五期生成長報告、邸和歌発行(やんぐはうす)、いしかわ装画 X(@141shkw) 「ルーザーズカンパニー」長谷川京 “勝者が勝者となるのに理由はなく、敗者が敗者になるのには必ず理由がある”。敗者を仮想空間で何度もの失敗の末に成功を抽出するのが“ルーザーズカンパニー”のビジネスモデルだ! 『5G 接続されたSF誌』第5期生卒業文集、邸和歌発行(やんぐはうす)、いしかわ装画 ★座談会『SF創作講座黄金世代のつどい』河野咲子×新川帆立×竹田人造×田場狩 長谷川京先生はインタビュアーとして参加 ★テーマ短編 : チャレンジ編 ★テーマ短編:リベンジ編 「夢の海に亰」長谷川京  凶暴な熱射で蒸散してしまったいにしえの「亰」の街。そして神経素子で脳内に構築されたネットワーク集合体である「脳海嘯」に亰都を模して作られた仮想世界「京都」があった。 ★フリー短編 … 続きを読む

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竹田人造先生著者インタビュー関連本

『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』竹田人造著、ttl装画 2020.11.25、ハヤカワ文庫JA、Kindle版、970円(税込) 首都圏ビッグデータ保安システム特別法が施行され、凶悪犯罪は激減――にもかかわらず、親の借金で臓器を売られる瀬戸際だった人工知能技術者の三ノ瀬。彼は人工知能の心を読み、認識を欺く技術――Adversarial Example――をフリーランス犯罪者の五嶋に見込まれ、自動運転現金輸送車の強奪に参加するが……。人生逆転&一攫千金、ギークなふたりのサイバー・ギャングSF 『AI法廷のハッカー弁護士』竹田人造著、shirakaba装画 2022.5.25、ハヤカワ文庫JA、Kindle版、2200円(税込) AIは人を裁けるか。第8回ハヤカワSFコンテスト受賞後第1作! 近未来日本。複雑化していく訴訟社会にあって、法務省鳴り物入りで導入されたAI裁判官が法廷を仕切るようになっていた。そんななかで不敗とされる弁護士は、実はハッキングによって勝訴を勝ち取る「魔法使い」で……? すぐそこに迫る新時代の法廷エンタメ ★『10億ゲット作者の思う『編集者は敵なのか』2020.11.19 エッセイ:改題の衝撃『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』 ★「AI技術者、SFを書く。竹田人造インタビュー」2022.5.24 早川書房によるインタビュー記事 ★竹田先生|「note」 『AIとSF』日本SF作家クラブ編 2023.5.23、早川書房、1452円Kindle版1307円(税込) 「まえがき」大澤博隆 「準備がいつまで経っても終わらない件」長谷敏司 「没友」高山羽根子 「Forget me, bot」柞刈湯葉 「形態学としての病理診断の終わり」揚羽はな 「シンジツ」荻野目悠樹 「AIになったさやか」人間六度 「ゴッド・ブレス・ユー」品田 遊 「愛の人」粕谷知世 「秘密」高野史緒 「預言者の微笑」福田和代 「シークレット・プロンプト」安野貴博 「友愛決定境界」津久井五月 「オルフェウスの子どもたち」斧田小夜 「智慧練糸」野﨑まど 「表情は人の為ならず」麦原遼 「人類はシンギュラリティをいかに迎えるべきか」松崎有理 「覚悟の一句」菅 浩江 「月下組討仏師」竹田人造 「チェインギャング」十三不塔 … 続きを読む

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 田場狩先生著者インタビュー関連

「秘伝隠岐七番歌合」田場狩著 2023.2.10、(株)ゲンロン、Kindle版385円 第5回ゲンロンSF新人賞受賞作品 時は1236年、隠岐島に転送された藤原定家。審判を命じられた歌合、その驚きの相手とは── エイリアンvs.後鳥羽上皇、ついに対決。 「最終課題:第5回ゲンロンSF新人賞【実作】」受賞作 「秘伝隠岐七番歌合」(ひでんおきななばんうたあわせ) これ、和歌の部分非常にご苦労されて詠まれたことと思います。 私は全くそっち方面の素養が無いので、以前に笹公人先生にインタビューさせて頂いたときには助っ人を呼んだくらいです(汗;) 『SCI-FIRE 2021』特集:アルコール 【目次】 ★ゲンロンSF新人賞正賞 全作家の書下し 田場狩「酩酊」 酒がまったく飲めなかった数学者の級友の変死。急性アルコール中毒にも似たその死因は、本当に数学に酔った結果だったのか…… 第5期生卒業文集 ★テーマ短編 : チャレンジ編 田場狩「縁のメモリア」 交通事故によって失われた若いカップルの命。それをダウンロードして擬体に記憶として付与したら、それは人間の権利を有するのか。静謐な短編です。 平たく言うと、「攻殻機動隊」の素子隊員は人間なのかどうかという問題でもあります。 第5期生卒業文集 ★座談会『SF創作講座黄金世代のつどい』河野咲子×新川帆立×竹田人造×田場狩 田場狩先生「note」 【内容】 [第1回梗概]返り点を打つ [第2回実作]雷の道 ラジオドラマ「」 『文藝 90th』2023年春期号 創刊90周年記念号「文学の最前線がここにある」 「【連載】文芸季評『たったひとり、私だけの部屋で』2021年10月~2022年11月 問いかけと文学(水上文著)」のなかで、「水溶性のダンス」と「秘伝隠岐七番歌合」について言及があります。 ゲンロンスクール超・SF作家育成サイト【実作】 第二回課題:「小説つばる「新人SF作家特集号」の依頼」 「統一宇宙マナー講師 シイ・スミカの受難」 第三回課題:「自分の得意なものを書きなさい」 … 続きを読む

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河野咲子先生関連本

河野咲子先生の作品・活動記録は、ご自身の「note」にまとめられてます。 ここを見れば、見落とすことはないので便利です。 ということで、各作品へのリンクは、「note」を参照下さい。 「水溶性のダンス」河野咲子著 2023.2.10、(株)ゲンロン、Kindle版385円 第5回ゲンロンSF新人賞受賞作品 からくり仕掛けの骨格に、パルプ鉱でできた肉をまとった人びとが暮らす街。 ある雨夜、からだの修復を行う「人体師」のわたしは、 体内に「強い言葉」を持つ踊り子に出逢う──。 敢えて分類するとすればハイ・ファンタジー。水分に弱いからだを纏う人形たちの生命活動はどうなっているのだろうかとか、タバコを吸う行為はいかにしてなしうるのかとか、そこらあたりの末梢はどうでもよく、作者の描く不可思議な世界にどっぷりとはままり、紡ぎだされたイメージが予想外に絡み合い展開していく様に身を任せる心地よさ。 ことさらシンボリックな意味合いを考えなくても十分に楽しめる物語の強度を持った作品だと思います。 『SCI-FIRE 2022』特集:インフレーション/陰謀論 【創作:陰謀論編】 「安らかなる彗星」河野咲子著  宇宙空間で死を迎えることを望んだ乗客だけが乗り組んだ宇宙船<彗星>での物語。  主人公は乗客の中ではひときわ若い年齢の女性なのですが、右上の奥歯のあたりに欠落の感覚があり、いつもそこを舌でまさぐるのが癖になっています。その感覚と居たのか居なかったのか定かではなくなっていく夫の存在との対比が面白い。歯が欠落した後、喪失感というかぽっかり穴の空いた感覚が長い間残っていて慣れるのに時間がかかるというのは比較的よくみられる症状なのですが、口腔内の空間が記憶(実際は舌と頬の内側でしょうが)しているような感じがあります。著者は、この感覚を突き詰めていくことによって元の存在がどうであれ、喪失の記憶を緊密に積み上げることによってそこにあった(あるべきな)姿形を構築でき、それはかつて実際にあったものとして認識できるのではないかという問いかけを呈示しています。これは凄い。こんな風に考えたことはなかった…… 第5期生卒業文集 ★座談会『SF創作講座黄金世代のつどい』河野咲子×新川帆立×竹田人造×田場狩 うかがいたいことは大体出てきているような気がしてます(汗;) 河野さんと新川帆立さんが同じ大学出身ということは、お二人とも東大なんですね。ご専攻がどういう分野だったのかがちょっと気になります。 ★テーマ短編 : チャレンジ編 ★テーマ短編:リベンジ編 ★フリー短編 「みそかあめのよ」河野咲子 冒頭“年にいちどの真夏の夜、谷におしゃべりな雨が降る”ということで、比喩的表現ではなく、喋る雨が降る里のお話しです。SFぼい設定だと、今年一年のスマホでのすべての人間のすべての会話が渾然一体となってスピーカーから聞こえてくる感じということになるのだろうか。 もちろん河野さんはそういう野暮な設定にはせず、「みそか雨」という詩的な現象を紡ぎ出してくる。そういう不思議な自然現象に身を任せて溺れていく心地よさがあります。 『文藝 90th』2023年春期号 創刊90周年記念号「文学の最前線がここにある」 「【連載】文芸季評『たったひとり、私だけの部屋で』2021年10月~2022年11月 問いかけと文学(水上文著)」のなかで、「水溶性のダンス」と「秘伝隠岐七番歌合」について言及があります。 『小説すばる』2022年10月号 【コラム】のりがたり「エイになった男の子」河野咲子著 同級生の弟が、どうしても水族館に行きたくてとった行動が…… ユリイカ 2021年12月号 特集=フレデリック・ワイズマン … 続きを読む

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藍銅ツバメ先生著者インタビュー関連

『鯉姫婚姻譚』藍銅ツバメ著、Minoru装画 2022.6.30、新潮社、Kindle版1584円 若隠居した大店の跡取り息子・孫一郎は、人魚のおたつに求婚されてしまう。諦めさせるためにも、おたつにねだられるままに御伽話を語る孫一郎だったが、次第にその心は変化していく。人魚と人間が夫婦として暮らせる未来はやってくるのだろうか……。 目次: 一、猿婿 二、八百比丘尼 三、つらら女 四、蛇女房 五、馬婿 六、鯉姫 『鯉姫婚姻譚』ソフトカバー、藍銅ツバメ著、Minoru装画・挿絵 2022.6.30、新潮社、1600円 ソフトカバー版の書影と、中扉の挿絵(下の方に次の頁の鯉の影が透けて見えてます)、表紙の鱗を模した装幀を並べてみました。 小説新潮2021年12月号、特集:ファンタジー 日本ファンタジーノベル大賞2021決定発表:『鯉姫婚姻譚』(抄)藍銅ツバメ 選評:恩田陸、森見登美彦、ヤマザキマリ 『SCI-FIRE 2021』特集:アルコール 【目次】 ★ゲンロンSF新人賞正賞 全作家の書下し 高木ケイ「進化し損ねた猿たち」 天沢時生「ナキオ」 琴柱遥「悪魔から盗んだ女」 榛見あきる「大学六年生。密造酒、泥酔オセロ、」 田場狩「酩酊」 河野咲子「みそかごとめく」 ★謎のマイクロノベル「食パン小説」 食パンにかな文字をスタンプする―― 雑誌『小学一年生』ふろく「ドラえもんアンキパンメーカー」で、食パンが小説になった!? 北野勇作・飛浩隆・久永実木彦 ★書き下ろしアルコール小説・酩酊編 佐川恭一「職、絶ゆ」、今野明広「恋愛レボリューション12」 ★書き下ろしアルコール小説・酒怪編 久永実木彦「ガラス人間の恐怖」、吉羽善「或ルチュパカブラ」、 藍銅ツバメ「蛇酒なんて置いてかないで」 ★書き下ろしアルコール小説・無重力 谷田貝和男「星を飲んだ話」、中野伶理「金魚酒」、揚羽はな「Pity is akin … 続きを読む

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榛見あきる先生著者インタビュー関連資料

『虹霓のかたがわ』榛見あきる著、蔵西装画 2022.1.15、株式会社ゲンロン、Kindle版、440円 第4回ゲンロンSF新人賞受賞作 やむなき妥協策から観光都市と化した近未来のチベット。そこには世界最大の仏教学院(ラルンガル・ゴンパ)があり、赤い無数の僧房が山の斜面を埋めつくしている。そこでは、一万人以上の学員が暮らし、仏教 を学んでいる。14歳の少年僧ペーマは、同地を襲った大火で左手を失って以来、どこか周囲から隔絶された感覚を抱いていた。その欠落を埋めるように、彼はひそかにダンス教室に通い、貸与された「羅刹女」のアバターを身にまとってストリートで踊り続けていた。ある日、そのアバターのライセンスを返さなくてはならない事態が起こり、彼はやむなく僧院主催のダンスオーディションに参加し、その使用権利を取り戻そうとするが…… 『SCI-FIRE 2021』特集:アルコール 【目次】 ★ゲンロンSF新人賞正賞 全作家の書下し 高木ケイ「進化し損ねた猿たち」 天沢時生「ナキオ」 琴柱遥「悪魔から盗んだ女」 榛見あきる「大学六年生。密造酒、泥酔オセロ、」 田場狩「酩酊」 河野咲子「みそかごとめく」 ★謎のマイクロノベル「食パン小説」 食パンにかな文字をスタンプする―― 雑誌『小学一年生』ふろく「ドラえもんアンキパンメーカー」で、食パンが小説になった!? 北野勇作・飛浩隆・久永実木彦 ★書き下ろしアルコール小説・酩酊編 佐川恭一「職、絶ゆ」、今野明広「恋愛レボリューション12」 ★書き下ろしアルコール小説・酒怪編 久永実木彦「ガラス人間の恐怖」、吉羽善「或ルチュパカブラ」、藍銅ツバメ「蛇酒なんて置いてかないで」 ★書き下ろしアルコール小説・無重力 谷田貝和男「星を飲んだ話」、中野伶理「金魚酒」、揚羽はな「Pity is akin to Love」 ★書き下ろしアルコール小説・禁酒法 進藤尚典「お酒かな」、常森裕介「酔いどれ探偵vs泥酔した容疑者たちvsアルコール検知器」、遠野よあけ「しゅ」 ★書き下ろしアルコール小説・壺中天 井上宮「魔法博士と弟子」、稲田一声「掌の怨念」、名倉編「酒売りの少女(ディオニュソス・ガール)」、櫻木みわ「ジョッキー」 ★高丘哲次「実録ゴッドガンレディオ VS. サイファイア抗争史」 遠野よあけ「ぼくがダールグレンラジオで果たしたこと」 第5期生卒業文集 ★テーマ短編 … 続きを読む

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高丘哲次先生著者インタビュー関連書籍

関連書籍に関しては、高丘哲次先生のTwitter(@TetsujiTakaoka)の固定ツイートを参考にしました。 ネタバレしている箇所が多々ありますので、未読の方はお気をつけ下さい! 新潮社「波」(2020.3.25)、売り切れですが、内容は新潮社のサイトで読めます。今号の表紙は阿川佐和子先生です。 「留守番電話」(エッセイ)高丘哲次著 奥様が癌の疑い有りと診断され、そこからの数日間で創作への取り組み方も変わったと記されています。奥様のその後の経過についても、著者インタビューでうかがっています。 「小説新潮」2020年6月号(2020.5.22) 「円の終端」高丘哲次著 大規模な温暖化と海底の地殻変動が組み合わさった結果、地球の表面は海で覆い尽くされていた。 その空を四億羽の鳥の群れが飛び続けていた。彼らは羽を休める陸地が無いため一生空を飛び続けなければならないのだ。 人間とハクセキレイの遺伝子交雑により生まれた人に近い知性を持つ鳥たち。一羽一羽が脳細胞だとしたら、鳥のさえずりが神経間の伝達を司る集団知性なのだ。 遺伝子の均一化を防ぎ劣性遺伝子が出現しないように、彼らは一年に一度、ツメナガセキレイの集団と逢瀬を重ねるのだった。 「小説すばる」2020年6・7月合併号(2020.6.17)集英社 「私的偉人伝」(エッセイ)高丘哲次著 “傑王罷りて母の土産話と相成らむ” 中国語を習っている母親が、中国から送ってくれた記念写真の中に、黄金の彫像が顎をそらせて虚空を睨めつけているものがあった。それが「傑王之像」で、彼の高潔な生き様は敵軍も感銘を受けて像が造られたという。 「別冊文藝春秋」2020年7月号(6/19) 「新刊インタビュー」(高丘哲次先生インタビュー) デビューまでの道のりと、『約束の果て 黒と紫の国』がどのようにして着想されたかを語られています。 「野生時代」2020年8月号(2020.7.13) コラム「告白と赦し」“告白します” 高丘哲次著 高丘先生の犬のうんちにまつわる中学時代の話。 『後宮小説』酒見賢一著 冒頭“腹上死であった、と記載されている”から始まる、第一回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品 時は槐暦元年、腹上死した先帝の後を継いで素乾国の帝王となった槐宗の後宮に田舎娘の銀河が入宮することにあいなった。物おじしないこの銀河、女大学での奇抜な講義を修めるや、みごと正妃の座を射止めた。ところが折り悪しく、反乱軍の蜂起が勃発し、銀河は後宮軍隊を組織して反乱軍に立ち向かうはめに……。 『約束の果て 黒と紫の国』高丘哲次著、久島優装画 2020.3.25、新潮社、1600円 以下、完全にネタバレしているので、未読の方はお気をつけ下さい! “すみれは、種子にエライオソームと呼ばれる蟻が好む誘因物質をくっつけていて、運搬行動を誘発し、その種子を散布させる”というのは、元々メインのアイデアひとつではないかと考えていたのですが、著者インタビューでうかがったところ、実は「長編化するにあたり、蟻の集合による大知性体を倒すものは何かと考えたとき、菫に辿り着いたかたちです。」とのことでしたので、元々アイデアとしては持たれていたものが、長編化する際にうまく結実したということみたいです。 この蟻⇔菫の関係性は『約束の果て 黒と紫の国』の構成そのものに深く関わってきているような気がします。 表の帯の煽りに“「悲劇」を超克する鍵は二冊の書物”とあり、裏でも“伝説の国、壙と臷南の王を巡る、ある「悲劇」が記されていた”とあります。 この「悲劇」とは何が原因だったのでしょう。それはその王二人が、蟻の識人と菫の識人であったためなのではないでしょうか。 「識人」というのは、神によって創り出された知性体で、ブリン氏の《知性化シリーズ》でいうと「類属(クライアント・レース)」に相当かな。蟻の識人というと蟻の性質を備えたヒューマノイドとの認識で良いかも。 【第一章 旅立ちの諸相】 梁斉河、伍州で「壙国の螞九なる人物が、臷南国の瑤花にこの矢を捧げるので受け取って欲しい」という意味の銘文が刻まれている“青銅の矢を象った装身具”を発掘し、当該国がいずれの史書にも記録されておらず、わずかに『南朱列国演義』(小説)と『歴世神王拾記』(偽史)に記されているのみだということを知る。 『南朱列国演義』 伍州を統べる壙王・螞帝の第四三二〇一王子・真气が、祭祀をおこなうため、はるか南の臷南国に赴くところから始まるのですが、臷南国の女王である瑤花が、たった一人で出迎えにやってきます 真气は、蟻の識人である螞九の一部が操る人間であり、瑤花は菫の識人であったのでそれとは知らず引かれ合ったのではないかと推測。 瑤花は、植物全般を自由に操ることの出来る菫の識人であり、しかも先代の記憶を代々受け継いでいるという、梶尾真治氏の「エマノン」のような設定であることはラストで明らかになります。 瑤花は天真爛漫で身の安全にもかまわない童女ぶりを発揮してますが、それはその知識と圧倒的な能力により、ほぼ恐れる事象がないので危険にも無頓着になってしまったと推測されます。 実は次の『歴世神王拾記』のパートの方が時代が前になるのですが、最初読んだ時は全く気づかず。 … 続きを読む

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『うつくしい繭』櫻木みわ著

今年になって連続して著者インタビューをお願いしている「ゲンロン 大森望 SF創作講座」受講生関連書籍の紹介です。 櫻木みわ著、ササキエイコ装画 講談社 (2018/12/19)、Kindle版、1,404円 収録作: 「苦い花と甘い花」 「うつくしい繭」 「マグネティック・ジャーニー」 「夏光結晶」 関連リンク先: 発行元の講談社のサイト:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000318321 朝日新聞「好書好日」:https://book.asahi.com/article/12089861 NEWSポストセブン:https://www.news-postseven.com/archives/20190118_850492.html 東ティモール(Wiki):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB 日本東ティモール協会:http://www.lorosae.org/ 外務省(東ティモール):https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/easttimor/index.html 在東ティモール日本国大使館:https://www.timor-leste.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html 大使館員の見た東ティモール:https://www.timor-leste.emb-japan.go.jp/column.htm 私の見た東ティモール:https://www.timor-leste.emb-japan.go.jp/column2.htm 今月のイチオシ本(文/大森 望):https://www.shosetsu-maru.com/storybox/book_review/1145 すみません、GWの頃に一度アップしていた、『うつくしい繭』『異セカイ系』『乙女文藝ハッカソン(1)(2)』の三冊まとめて紹介していた記事は、櫻木みわ先生著者インタビューが決まったので、仕切り直しします。『うつくしい繭』は、読む人によって様々な貌を見せる懐の深い短編集だと気がついたからなのですが…… 取りあえず「苦い花と甘い花」から始めます。 以下、インタビュー記事中には書けないネタバレ多々につき、未読の方はお読みにならないで下さいませ。というか読んでいることを前提として書いてます。 —————————ここから————————– 「苦い花と甘い花」 東ティモールで「死者の<声>」を聞くことができる少女が主人公。ラストで少女の選んだ選択が「わたしを双子の妹に」ということで、今まで聞こえていた<声>が聞こえなくなってしまう。私も最初は、今まで苦しい生活をしてきたのだから、この苦渋の選択は責められないなぁと思っていたのですが…… 収録されている他の短編も読んでいくにつれ、ん?違うなあ、違和感があるぞと。どの短編もこれから物語が進んでいく余地を残して終わっているんですね。 この短編に限って言うと、特にラストの一行は、ピンと張りつめた耐え難いような「静寂と余韻」を感じさせ、さらにそこまでの決意を持ってアニータが手に入れたかったものとは何かということも考えさせられるんですね。それと、昔アルピニストの野口さんがTVのインタビューで、シェルパの娘さんとの結婚(?)について語られていたのを見ていたからなのです。 アルピニストとシェルパの娘との、世にも奇妙な「結婚生活」:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52512?page=2 で、物語の今までの背景と展開から私が予想した結末は…… —————————ここから————————– 双子の妹になったアニータは、大統領に頼み込んでキューバへの国費留学生となり、医師になって東ティモールへ帰ってくる。他の東ティモール出身の医師と共に地域医療に奮闘するアニータ。その努力が世間にも認められるようになり、東ティモール初の女性大臣に(厚生大臣)。やがて大統領にという声も民衆からわき上がるが、アニータはそれを固辞する。 そしてアニータが天に召された時、<声>たちが戻ってくる。 「お帰り、アニータ」 「みんな心配していたんだよ」 「ひょっとして、“双子の妹に”と言ったときからこうすることを決意していたの?」 「当たり前でしょ(ニッコリ)」 … 続きを読む

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