日別アーカイブ: 2014年12月26日

『うどん キツネつきの』高山羽根子著

『うどん キツネつきの』高山羽根子著、クリハラタカシカバーイラスト ’14/11/28、創元SF叢書、1700円 第一回創元SF短篇賞佳作 収録作: 「 うどん キツネつきの」 「シキ零レイ零 ミドリ荘」 「母のいる島」 「おやすみラジオ」 「巨きなものの還る場所」 創元社のサイン本販売でゲットしました。サインの左横のうっすらしているのは、同梱のお名前にちなんだ”鳥の羽根”です。 『原色の想像力 1』の項でも書きましたが、まあヘンテコな小説です。もちろんSFにおいてヘンテコというのは誉め言葉なんですが。ベイリー氏みたいなお馬鹿な(これも誉め言葉)話とはちょっと傾向が違いますが、変な話ということでは共通点があるのかな?(笑) インタビューさせて頂くことが出来たら、そこらへんも聞いてみたいと思います。  以下ネタバレが入ってますので、fontの色を白に変えてます。反転させてお読み下さい。 「シキ零レイ零 ミドリ荘」  グェンさん:宙に浮く。体の中心が光る。  キクイムシは、喰い跡で叙事詩を紡ぎ出すのかも(笑)  犬=グーグルストリートビュー撮影車 「母のいる島」  優れた視覚神経とそれを活かす運動能力(投擲力とか)の遺伝子  落ちは、たぶん「数で上回る」(笑) 「おやすみラジオ」  情報の洪水を乗り切る方舟と希望を運ぶ鳩  3.11と怪情報・放射脳 「巨きなものの還る場所」  人の作ったでかいもんは、古くなると命を持つ・学天測  オシラサマ(女と馬の姿で一対のご神体)  田中舘愛橘(地震・地磁気の研究)  自分の居場所と一族を想う想い・国引き・沖縄返還・シャガール・3.11  魂は、自分自身の中ではなくて、所属している集団・場所にあるのでは。  凄くヘンテコだけどとても面白い短編集。ヘンテコなことが起きているんだけど、普通に日常生活はおくれるよ的なところあり。そういう点から言うと、北野勇作さんがお好きな方には大推薦。  共通の設定・背景があるかなと思い書き出してみましたが、あまり無さそうではあります。  ゆるやかな心地良いまとまり感はあるんですけどね。  しいて言うなら、SFでは良く語られる「人間とは、つまるところ情報である」という観点からすると、「巨大な情報はそれ自体が命を持つ」と(ビッグデータとは違うけど)  学天測とか巨大ねぶたとか巨大オシラサマとか。  「シキ零レイ零 ミドリ荘」でも何かがデータ集めているみたいだし。  「おやすみラジオ」では、怪情報自体が一人歩きして混乱をもたらしている。  「母のいる島」では、数(情報量)で勝負してるけど(笑)  

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