作成者別アーカイブ: 雀部 陽一郎

雀部 陽一郎 の紹介

SF関係では、東野司さん、橋元淳一郎さん、久美沙織さん、平谷美樹さん、石黒達昌さん、上杉那郎さん、伊藤致雄さんのオンライン・ファンクラブ管理人してます。どうぞ、よろしく。また、懐かしいSFについて語ろうというメーリング・リストも主宰してます。昔は良くSFを読んだが、最近はさっぱりという方は、ぜひどうぞ!(笑) http://www.sasabe.com/SF/

久永実木彦先生著者インタビュー関連本

『七十四秒の旋律と孤独』久永実木彦著、最上さちこ装画 2020.12.25、東京創元社、1800円、1710円(Kindle版) 収録作: 「七十四秒の旋律と孤独」 以下《マ・フ クロニクル》シリーズ 「一万年の午後」「口風琴」「恵まれ号 Ⅰ」「恵まれ号 Ⅱ」「巡礼の終わりに」 第八回創元SF短編賞受賞作「七十四秒の旋律と孤独」をはじめ、人類が滅亡したあとの宇宙で、ヒトの遺した教えと掟に従って宇宙を観測し続けるロボットたちの日々を綴る連作〈マフ クロニクル〉の全六編を収録。永遠の時を生きる美しいロボットたちと、創造主である人間をめぐる新たな神話がここに。 「七十四秒の旋律と孤独」久永実木彦著、加藤直之イラスト 第8回創元SF短編賞受賞作 2017.7.28、東京創元社、kindle版、198円〈空間めくり(リーフ・スルー)〉と呼ばれる時空転移技術が開発され、宇宙交易が活発になった未来。 紅葉は宇宙貨物船グルトップ号に搭載された朱鷺型のAIを搭載された人型戦闘兵器。 〈空間めくり〉の際の人間が認識できない七十四秒の閉じられた時間、貨物船を襲撃から守っている。しかし、運行開始から一度も襲撃を受けたことのないグルトップ号の乗組員たちは、紅葉のことを“空焚きのポット”と揶揄し、その存在をほとんど無視していた。自らの存在意義に疑問を持つ紅葉だったが、あるときグルトップ号が〈空間めくり〉中に海賊に襲われた。 加藤画伯による、表紙画がなんとも格好良いですね。この戦闘タイプのロボットと、短編集の書影(最上さちこ装画)からうかがえる可愛らしいロボットとの対比が内容にどう関係しているかも読みどころの一つです。 「第42回日本SF大賞: 選評冊子」日本SF作家クラブ編 2022.4.17、日本SF作家クラブ出版、Kindle版、500円 目次 第四十二回日本SF大賞『大奥』 第四十二回日本SF大賞 最終候補作品(作品名五十音順) 『暗闇にレンズ』高山羽根子(東京創元社) 『ゴジラS.P〈シンギュラポイント〉』TVアニメ・高橋敦史監督(東宝) 『七十四秒の旋律と孤独』久永実木彦(東京創元社) 『ポストコロナのSF』日本SF作家クラブ編(早川書房) 『まぜるな危険』高野史緒(早川書房) 「第四十二回 日本SF大賞」選評 草上仁、小谷真理、白井弓子、三雲岳斗 『ウカイロ9「THE END IS THE BEGINNING IS THE END」』 2019.8.11、スミダカズキ、2000円 収録作: 菅野ぽんた「illustration」、おがわさとし「It is no use … 続きを読む

カテゴリー: 未分類 | コメントは受け付けていません。

杉村修先生著者インタビュー関連(年代順)

『注文の多いカウンセラー』杉村修著 2016.12.16、北の杜編集工房、556円 宮沢賢治のような童話作家になりたかった引きこもりの主人公の成長譚。佐藤司、27 歳の前に突然可憐な美少女が現れた。彼女は「ひきこもりカウンセラー」を名乗り、司にあれこれと注文をつけ始める。彼女の注文に嫌々ながらも応じていくうちに、司の生活に変化が訪れていく。 『イーハトーブの風の音に』杉村修著 2028.4.10、北の杜編集工房、556円 収録作: 「坂口書店」童話作家を目指す若き書店の店主と彼をめぐる二人の少女のお話。 「僕は知らない」ある国からやってきたハーフの少女と出会った少年の学校生活と『星の王子さま』。 「イーハトーブの風の音に」イーハトーブ行きの列車で不思議な出来事に苦悩する青年の姿を描く。 『神話世界のプロローグ』杉村修著、ノブメイラスト 2019.3.13、マイナビ出版、Kindle版、550円 これは神話世界、『最後』で『最初』の物語……。 堕天使として地上へと下ったルシフェル=式部蓮の任務は、神に逆らった「落」を狩ることだった。 VRヘッドセット型の宝具を携え、リリスやベルゼブルと共に世界の敵アイオーンと戦い続ける。 「さあ、始めよう」 蓮が勢いよく剣を振ると、大気がはじけた。 『Jigsaw』岩手文芸サークル「一本桜の会」同人誌 2019.6.11、(有)ツーワンライフ、1000円 収録作: 「始まりは雪のように」杉村修 「心臓の寝坊」藍沢篠 「シンガー」今和立 「はじまりの壁ー坂本麗介」琴葉 「レンタル後輩」下ヶ谷ひろし 『始まりのフェルメイユ』杉村修著、岩村月子イラスト 2020.8.7、ボイジャープレス、Kindle版、275円 人間とアンドロイドの戦争が終わり、気の遠くなるほどの時間が経った世界。 カメラマンのドレ・リクサーはフェルメイユ行きの汽車に乗り、千年の旅を続けてきた。 戦争を終わらせた街『フェルメイユ』まであと少し。 ドレは人間とは何かアンドロイドとは何かについて考える。 しかし、そんな考えを揺するような事件が幾度となく彼に襲いかかる。 『雫町ジュークボックス』杉村修著 2020.20.1、ツーワンライフ出版、450円 収録作:「ベッドタウン」SF-天才研究者と彼女の作ったアンドロイド 「雫町ジュークボックス」プロローグ 「過去日記」恋愛-“想い”を過去に飛ばす過去日記 「始まりは雪のように」青春-想うひと、想われるひと 「水龍伝説」ライトミステリー先輩とめぐる水龍伝説の地 「色づく人生をもう一度」現代ドラマ-受賞後ぱっとしない僕の元にやってきた天使(笑) … 続きを読む

カテゴリー: 著者インタビュー関連書籍 | コメントは受け付けていません。

 『夏の丘 ロケットの空』岡本俊弥著

『夏の丘 ロケットの空』岡本俊弥著 表紙: Photo: iStock by Getty Images/ Deklofenak 2022.3.28、スモールベアプレス、Kindle版、380円 収録作: 「子どもの時間」「銀色の魚」「空襲」「ネームレス」「パラドクス」「ソーシャルネットワーク」 「インターセクション」「さまよえる都」「スクライブ」「夏の丘ロケットの空」 以下、ネタバレを含む理系ネタをくだくだと書いてますので苦手な方はパスして下さい(汗;) あと、粗筋等はあまり書いてません。あくまで読了後の感想と独断と偏見の解説に特化してます。岡本先生とは歳が近いしSFファンということでの共通体験もあるので、それによって想起される思い出話が多いです。すみません(汗;) 岡本俊弥先生著者インタビュー、前編はこちら。後編はこちら。 「子どもの時間」 最近地元でロケハン(二回見に行きました。遠くから(笑))した映画『とんび』が話題になってますが、原作者の重松清先生は岡山県出身。重松先生の話題作でドラマ化された作品に『流星ワゴン』というタイムスリップ物があります。「子どもの時間」は、テイストとしては似ているのですけれど、最新の時空理論(量子力学も)が併記されることによって、一挙にSF的様相を呈してきます。その意味では、エントロピーとは関係ないけれど、岡本版の「宇宙の熱死」(パミラ・ゾリーン)とも言えると思います。 時間と空間の関係については、橋元先生からも“誤解を恐れずに言えば、時間が虚数になるということは、基本的には時間が空間に変わると言うことである”とうかがっているので納得できるところではありました。 しかし、岡本先生が書かれているストーリーの裏には、文化人類学者の野村直樹先生の提唱されている、マクタガードの時間系列を敷衍したE系列時間があるのではないでしょうか。なぜかというと、物理的な時間がどうであれ、社会的動物である人間には、他者との関わりのある生きた時間こそが必要だと思うからです。(例えるならオーケストラの演奏会において、指揮者と演奏者と聴衆のそれぞれ時間、参加者全員に共通する客観的時間、共通の楽譜、演奏者・聴衆・楽器・まわりの空気まで調和し、同調した生きた時間がある) 作中では、時間とは絶対的な物ではないことが例を挙げて説明されてますが、実は空間の方が絶対的ではないという説もあるわけです。そもそも総てが、光速度は一定で何者も光速を超えることが出来ないという大前提から導きだされているのは、ご存じの通り。 有名な「E=mc^2」という公式は、エネルギーがジュール、質量がkg、光速度がkm/sと様々な単位が一つの式に詰め込まれたもので、こんな式を書くと小学校の先生には怒られます(笑) この式から導き出されたものがミンコフスキー空間(相対論的空間)というもので、実際には三次元ですが便宜上左のような二次元の図として書くことも出来ます(図は橋元淳一郎先生の著書より引用) 図中の「非因果領域」というのは、光速度を超える世界線が含まれる領域です。人類には知覚できない領域ですね。←「あの世」? 左の図が意味しているところは、光の時間線の長さが”0″になるとしたら、時間か空間かどちらかが「虚数」にならないといけないことを現しています(図は橋元淳一郎先生の著書より引用) どちらを虚数として扱っても良いということですけど、詳しくは橋元淳一郎先生の著者インタビューを参照して下さい。1,2,3,4 そういう意味では、カントが『純粋理性批判』で“時間と空間は感性による直感(ア・プリオリ)に過ぎない”としたのはさすがですね。 本文中に出てくる「ループ量子重力理論」はここが上手くまとめられていると思います。 上記、「E系列の時間」に関してはここから。 「銀色の魚」 ある日突然全人類が失読失書になってしまう。いかに現代文明が文字(記号も含む)に依存しているかが、これでもかという具体例と共に描かれます。文字が失われた世界で口承によって知識を伝えようとするくだりは、「華氏451度」を彷彿とさせますが、さらに深刻な事態ですね。蔵書を誇るSFファンなんかは、もう死にたくなるでしょう←私もですが(汗;) 「空襲」 ある日、旧式(第二次世界大戦当時)の爆撃機が日本上空に現れ市街地を爆撃する事件が勃発する。どうもそれは大戦当時に海軍が採用していた九十六式陸攻ではないかと判明する。 岡本先生の「二〇三八年から来た兵士」は、言ってみれば未来に復讐される話でしたが、こちらは過去に復讐される話と言えます。残留思念のなせるワザだとしたら怖い。 爆撃機はそれほどでもないですが、戦闘機は小学生時代に読んでいた少年誌によく特集されてました。零戦、隼、マイナーどころでは鍾馗・桜花とか。もちろん米国機とか欧州機も。マンガ「紫電改のタカ」とかやたら格好良かった。零戦は今でも描ける。上空の零戦を見上げたアングルが好き(笑) 「ネームレス」 “日本空飛ぶ円盤研究会”の集まりを皮切りに、様々なSF関係の会合や大阪万博のパーティーの写真にまで写る一人の女性。誰ともわからないその謎の女性は、歳もとらないようだった。コンベンションとか例会の熱気は、参加した者にしか分かち合えないというのはよく分かります。もう一つの短編「インターセクション」を読んだ時にも強く感じたのですが、その頃の仲間の記憶はいったん失われてしまうと永久に不明になってしまいます。その昔「日経MIX」という商用BBSに参加していて途中からsf会議の議長役を引き継いだのですが、そのオフミでメンバーのgakio_01(なかじまたかお)さんとタクシーが一緒になりました。車中の会話が小松左京論から高橋和巳に飛び、なぜかゲーデルの「不完全性定理」の話になりました。この時からgakio_01さんは、私の中では「ゲーデルを語る銀行員」として印象づけられたのです。しかし独居生活で闘病中だった彼は、昨年故人となってしまいました。ゲーデルを語る銀行員だったことを知る人間は私ひとりになったかも知れません。 それと、関西・関東の老舗ファンクラブの会員のかたにインタビューさせてもらう機会があったのですが、創立当時のことは詳しく覚えてないとか。他の古株の会員の方に聞いて頂いてもやはり同じで、この短編を読んでいて切なくなってしまいました(私自身は学生時代のファン活動は皆無なのですが) 「パラドクス」 タキオンによる未来からの通信というと『タイムスケープ』(グレゴリイ・ベンフォード)がありましたが、困るのは情報の質を確認しようが無いと言うこと。本当に未来からの通信かどうかもわからないし。本文中にもそれらしき言及がありますが、その時点で最善と思われることをやるしかないですねえ(汗;) 「ソーシャルネットワーク」 … 続きを読む

カテゴリー: 著者インタビュー関連書籍 | コメントは受け付けていません。

榛見あきる先生著者インタビュー関連資料

『虹霓のかたがわ』榛見あきる著、蔵西装画 2022.1.15、株式会社ゲンロン、Kindle版、440円 第4回ゲンロンSF新人賞受賞作 やむなき妥協策から観光都市と化した近未来のチベット。そこには世界最大の仏教学院(ラルンガル・ゴンパ)があり、赤い無数の僧房が山の斜面を埋めつくしている。そこでは、一万人以上の学員が暮らし、仏教 を学んでいる。14歳の少年僧ペーマは、同地を襲った大火で左手を失って以来、どこか周囲から隔絶された感覚を抱いていた。その欠落を埋めるように、彼はひそかにダンス教室に通い、貸与された「羅刹女」のアバターを身にまとってストリートで踊り続けていた。ある日、そのアバターのライセンスを返さなくてはならない事態が起こり、彼はやむなく僧院主催のダンスオーディションに参加し、その使用権利を取り戻そうとするが…… 『SCI-FIRE 2021』特集:アルコール 【目次】 ★ゲンロンSF新人賞正賞 全作家の書下し 高木ケイ「進化し損ねた猿たち」 天沢時生「ナキオ」 琴柱遥「悪魔から盗んだ女」 榛見あきる「大学六年生。密造酒、泥酔オセロ、」 田場狩「酩酊」 河野咲子「みそかごとめく」 ★謎のマイクロノベル「食パン小説」 食パンにかな文字をスタンプする―― 雑誌『小学一年生』ふろく「ドラえもんアンキパンメーカー」で、食パンが小説になった!? 北野勇作・飛浩隆・久永実木彦 ★書き下ろしアルコール小説・酩酊編 佐川恭一「職、絶ゆ」、今野明広「恋愛レボリューション12」 ★書き下ろしアルコール小説・酒怪編 久永実木彦「ガラス人間の恐怖」、吉羽善「或ルチュパカブラ」、藍銅ツバメ「蛇酒なんて置いてかないで」 ★書き下ろしアルコール小説・無重力 谷田貝和男「星を飲んだ話」、中野伶理「金魚酒」、揚羽はな「Pity is akin to Love」 ★書き下ろしアルコール小説・禁酒法 進藤尚典「お酒かな」、常森裕介「酔いどれ探偵vs泥酔した容疑者たちvsアルコール検知器」、遠野よあけ「しゅ」 ★書き下ろしアルコール小説・壺中天 井上宮「魔法博士と弟子」、稲田一声「掌の怨念」、名倉編「酒売りの少女(ディオニュソス・ガール)」、櫻木みわ「ジョッキー」 ★高丘哲次「実録ゴッドガンレディオ VS. サイファイア抗争史」 遠野よあけ「ぼくがダールグレンラジオで果たしたこと」 第5期生卒業文集 ★テーマ短編 … 続きを読む

カテゴリー: ゲンロンSF関連, 著者インタビュー関連書籍 | コメントは受け付けていません。

福江純先生著者インタビュー関連

『やさしいアンドロイドの作り方―SFはどこまで現実になるのか』福江純著、福田武比呂装画 1996.3.5、大和書房、1500円 タイムマシンの作り方・宇宙移住の実現性から遺伝子操作・不老不死、ロボットが持つ可能性まで、科学の「今」を解説する。わかり易く、滅法面白い、ロマンに満ちた本。 1,宇宙人はどこにいるのか? 2,宇宙旅行はどこまで可能なのか? 3,人類が宇宙に住む日はくるのか? 4,タイムマシンは可能なのか? 5,異次元の扉は開くのか? 6,ロボットはヒトの心がもてるのか? 7,遺伝子操作はモンスターを生み出すのか? 8,人類はどこまで進化するのか? 9,不老不死は実現するのか? 10,まとめに代えて―われわれは理解しあえるのか? 『アインシュタインの宿題』福江純著、モリナガ・ヨウ挿画、図版、オブジェ 2000.8.5、大和書房、1600円 「神はサイコロ遊びなどしない」「世界が理解できるという事実こそ、ひとつの奇跡だ」 アインシュタインの残した数々の言葉を入口に、相対性理論からブラックホール、量子力学から宇宙論までをやさしく解説。 1,あなたの時間、私の時間 相対性とはどういうことか 2,光と一緒に走る 光速度不変という原理について 3,エレベータの内と外 等価原理という考え方 4,なぜ星が見えるのか? 光量子仮説 5,時間と空間の統一 時空のダイアグラム 6,ウラシマ効果 同時性と時間の遅れ 7,最も有名なアインシュタインの式 E=mc^2 8,時空のカタチ 曲がった空間 9,ブラックホールなんか怖くない 謎の天体の秘密 10,生涯最大の過ち 静止宇宙とビッグバン 11,アインシュタインの夢 世界の法則の統一と理解 『科学の国のアリス―★入門!ニュートン物理学』福江純著、モリナガ・ヨウ図版、挿画、オブジェ 2005.6.10、大和書房、1600円 クラシックサイエンス=ニュートン物理学の世界をアリスが楽しくナビゲート。知っているようで知らない、“身近な不思議”を科学する本。 1,虹の国 ハートは何色? 2,光の国 光は一人二役 3,運動の国 自然のルール・運動の法則 4,重力の国 宇宙のルールと万有引力 5,電磁の国 電気と磁気の合体 6,熱の国 温度って何? 7,水の国 木の葉の行方 8,時空の国/真理の国 ニュートンの宇宙とアインシュタインの宇宙 『90分でブラックホールがわかる本』福江純著、カサハラテツロー:コミック・イラスト … 続きを読む

カテゴリー: 著者インタビュー関連書籍 | コメントは受け付けていません。

松崎有理先生著者インタビュー関連本

『イヴの末裔たちの明日』松崎有理著、カシワイ装画 2019.11.29、東京創元社、Kindle版、1777円 【収録作】「未来への脱獄」刑務所で同室の男はタイムマシンを作ろうとしていた……「ひとを惹きつけてやまないもの」長く未解決だった数学予想の証明に取り憑かれた青年と、暗号解読に人生のすべてを捧げた宝探し人の行く末を追う「イヴの末裔たちの明日」ロボットが労働の大半を担うようになった未来、首を言い渡された男の行く末は……「まごうかたなき」遠い未来。温暖化のすえ荒れ果てた大地でどうにか命を繋いでいる人の集落に怪物がやってくる……「方舟の座席」異星人によって人類の大半が滅亡させられた時、衛星軌道で生き残った人は…… 『Genesis 白昼夢通信』創元日本SFアンソロジー Kindle版、2019.12.20、1980円 【収録作】 高島雄哉「配信世界のイデアたち」 石川宗生「モンステリウム」 空木春宵「地獄を縫い取る」 中村融〔エッセイ〕「アンソロジーの極意」 川野芽生「白昼夢通信」 門田充宏「コーラルとロータス」 西崎憲〔エッセイ〕「アンソロジストの個人的事情」 松崎有理「痩せたくないひとは読まないでください。」 水見稜「調律師」 『Genesis されど星は流れる』 創元日本SFアンソロジーKindle版、2020/8/28、東京創元社、2090円 【収録作】 宮澤伊織「エレファントな宇宙」 空木春宵「メタモルフォシスの龍」 オキシタケヒコ「止まり木の暖簾」 池澤春菜×下山吉光〔対談〕「プロの覚悟を届けたい――朗読という仕事」 松崎有理「数学ぎらいの女子高生が異世界にきたら危険人物あつかいです」 堀晃「循環」 宮西建礼「されど星は流れる」 折輝真透「蒼の上海」 『小説宝石』2021年7月号 2021.6.22、光文社、818円 “主人公が●●〈擬人小説〉特集” 黒木あるじ「春と殺し屋と七不思議」七不思議を処分する そえだ信「いみじく」カラオケマシンが…… 藤崎翔「勇者たちのオフ」ゲームキャラクタたちのオフタイム 松崎有理「山手線が転生して加速器になりました。」 松崎さんのが一番のおバカSFですなあ(笑) SFマガジン2021年6月号 2021.6.1、早川書房、1200円 《異常論文特集》【収録作】 「INTERNET2」木澤佐登志 「裏アカシック・レコード」柞刈湯葉 … 続きを読む

カテゴリー: 著者インタビュー関連書籍 | コメントは受け付けていません。

《草紙屋薬楽堂ふしぎ始末》シリーズ完結記念著者インタビュー(丹地陽子作品集)

『草紙屋薬楽堂ふしぎ始末』平谷美樹著、丹地陽子カバーイラスト 2016/10/15、大和書房、680円 「謎を解いて、見事に怪異を鎮めてみせるよ」 時は文政、江戸の通油町にある本屋・草紙屋薬楽堂に戯作を持ちこんだのは、地味な三筋格子の着物を粋に着こなした、鉢野金魚。薬楽堂に居候する貧乏戯作者・本能寺無念とともに巻き込まれるのは、あやかしの仕業とも囁かれる怪事件…… 『草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 絆の煙草入れ』平谷美樹著、丹地陽子カバーイラスト 2017/5/15、大和書房、680円 「気の強ぇ女が二人――こいつぁ危ねぇ組み合わせが出来上がっちまったな」 時は文政。江戸の通油町にある本屋、草紙屋薬楽堂の面々に、曲亭馬琴に認められた武家の女、只野真葛が加わった。売出し中の女戯作者・鉢野金魚(はちのきんとと)と貧乏戯作者・本能寺無念(ほんのうじむねん)、もと御庭番の読売屋・北野貫兵衛らとともに、真葛は怪異がらみの噂と企みの背後の闇を探り始めるが…… 『草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 唐紅色の約束』平谷美樹著、丹地陽子カバーイラスト 2017/12/15、大和書房、680円 「あたしはあんたがどこへ行ったって、必ず見つけてあげる」 時は文政、江戸の通油町にある本屋・草紙屋薬楽堂が特別に誂えた大切な表紙紙が盗まれた。知恵者の売れっ子戯作者・鉢野金魚と貧乏戯作者・本能寺無念は、金魚の遠き友への想いがこもった唐紅色の紙を取り戻すために、現場となった表紙仕立屋・播磨屋を訪ねるが……。 『草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 月下狐の舞』平谷美樹著、丹地陽子カバーイラスト 2018/10/15、大和書房、680円 「見えないかい? 月明かりの中の妖しく美しい狐の舞が」 時は文政、ある雨の日、江戸の本屋・草紙屋薬楽堂に持ち込まれたありふれた人情噺の裏には、禍々しくも哀れな狐憑きの噂が……。 推当物を得意とする女戯作者・鉢野金魚と貧乏戯作者・本能寺無念、武家の女・只野真葛、高名な父を持つ女絵師・葛飾応為ことお栄は、切ない出口なしの物語を「一番の結び」に導く大芝居を計画する。 『草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 名月怪談』平谷美樹著、丹地陽子カバーイラスト 2019/9/15、大和書房、680円 「次の百物語では必ず怪異が起こる」 時は文政、推当物が評判の女戯作者・鉢野金魚は、武家の女・只野真葛、貧乏戯作者・本能寺無念らとともに、怪異の謎を解き明かすべく、亡魂が現れるという百物語に参加するが……。 『草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 凍月の眠り』平谷美樹著、丹地陽子カバーイラスト 2022/1/15、大和書房、740円 「生ける屍 本所深川反魂の宴」 ──時は文政。推当物が人気の女戯作者・鉢野金魚と貧乏戯作者・本能寺無念は、墓に埋められた死体が生き返ったとの噂を聞き、その真相を探ろうとする。 「本草学者 未練の訪れ」 若き本草学者が亡くなったあと、書物屋に持ち込まれた蔵書。幽霊と書き込みの無い本をめぐる謎とは。 「丑の刻参り 呪いの行方」 許婚に裏切られた女の呪い。いったい女の身に何が起こったのか、裏切った侍の真意は…… 「雪女郎 凍月の眠り」 吹雪の日に姿を消した薬楽堂短右衛門の娘・けいの足取りを追い、六部の装束を纏った童女が誘う空き家に踏み込むが、そこに居たのは…… 『草紙屋薬楽堂ふしぎ始末 凍月の眠り』の帯をとったバージョンです。 著者インタビューの本文中にもある通り、金魚さんの艶姿は、「丑の刻参り 呪いの行方」での出で立ちと藁人形。「生ける屍 本所深川反魂の宴」のモチーフが右上のさらばえた両手。 「本草学者 未練の訪れ」は背景で散らばる和書、「雪女郎 凍月の眠り」はたぶん雪景色と黒い蝋燭と人魂かなあ 『丹地陽子画集』丹地陽子著 2121.10.20、パイインターナショナル、1800円 丹地先生から許可が出たので掲載 SF・ファンタジー系の装画がわりと多いような。 ○「アニマ・ソラリス」で取り上げたことのある本の装画 上記《草紙屋薬楽堂ふしぎ始末》シリーズ全6巻 … 続きを読む

カテゴリー: 時代小説, 著者インタビュー関連書籍 | コメントは受け付けていません。

ふくろうの本「野田SFコレクション」

『図説|ロボット 野田SFコレクション』野田昌宏著 2000.11.30、河出書房新社、ふくろうの本、1800円 序章:ロボットに託した人類の夢 1,ロボットSFの誕生 2,花開くパルプSFの時代 3,ロボットとアンドロイド 4,ロボット三原則の成立 5,戦後SF雑誌を飾ったロボットたち 別章|アメリカSF雑誌の歴史 おわりに|いじらしいロボットたちよ…… 『図説|ロケット 野田SFコレクション』野田昌宏著 2001.8.30、河出書房新社、ふくろうの本、1800円 はじめに|夢の船の航跡を追って…… 序章|宇宙ロケット開発史 1,現代宇宙船のゆりかご 2,ロケット新時代の到来 3,宇宙には美女がよく似合う 4,現実に追いつかれた宇宙船 5,宇宙船の考古学 おわりに|ロケットのさらなる進化を願い…… 『図説|異星人 野田SFコレクション』野田昌宏著 2002.5.30、河出書房新社、ふくろうの本、1800円 はじめに|聖徳太子も火星人をご存じだった! 1,最初に火星人ありき…… 2,パウルの描く異世界の生物 3,何でもありの異星人と美女 4,まともな異星人たちの肖像 5,エド・カーティアと星間生物圏(ディヴィド・カイル「星間生物圏」全訳) 6,異星人の考古学 「SF雑誌年表」 おわりに|異星人はSF雑誌から逃げた…… 故野田氏ご推薦のフィンレイのイラスト。 特に女性のヌードが絶品とか。 右はメリットの『黄金郷の蛇母神』のイラスト 『図説|異星人 野田SFコレクション』より引用 話題に出ていたフリースのイラストは、『火星人ゴーホーム』の表紙画が有名ですが、右はシマックのヒューゴー賞受賞作短編「大きな前庭」のイラスト 『図説|異星人 野田SFコレクション』より引用

カテゴリー: FC探訪用 | コメントは受け付けていません。

「宇宙気流」(SFFC探訪関連)

SFファンクラブ探訪「SFM同好会/宇宙気流」 現在入手可能な「宇宙気流」誌の表紙画です。 内容等については、森田裕氏の「宇宙気流のページ」にリンクしてます。 「宇宙気流チェックリスト」 SFファンクラブ探訪「SFM同好会/宇宙気流」前編(森田裕氏へのインタビュー) SFファンクラブ探訪「SFM同好会/宇宙気流」後編(林芳隆氏へのインタビュー) 84号の内容 85号の内容 86号の内容 87号の内容 88号の内容 89号の内容 90号の内容 91号の内容 92号の内容 93号の内容 欠品中。再刊予定あり。→2022.02月再刊されました。 94号の内容 「宇宙気流 No.95」発行:SFマガジン同好会、編集:林芳隆、500円 (復刻)横田順彌 初期作品集(5) サイレントスター篇(3)   「黄金の天馬」  1969 (復刻)題名未定新コラム 第三回A 1969 印刷人その三 (復刻)題名未定新コラム 第三回B 1969 加賀見 旭 (復刻)KYUCON特集(第8回SF大会)    KYUCON顛末記          加藤義行    小松左京答える         「宇宙気流」特別取材班    インサイド・Qコン特集!!      インサイド執筆者一同軽薄    九コン駆け足ハイライト      三田皓司    第八回日本SF大会報告    てんたくるす57号 KYUCONレポート号    Qコン自己反省          松崎真治 (評論)「火星年代記」再び        中川龍夫 (翻訳連載)ブラックフレーム(5) スタンリイ・G・ワインボウム 古賀英治訳 SF気流(おたより) あとがき                林芳隆 『宇宙気流 No.96』August … 続きを読む

カテゴリー: FC探訪用 | コメントは受け付けていません。

「昭和50年男 特集『オレたちのリアルなSF』」

こんな雑誌が出ていたとは(汗;) 特集「オレたちのリアルなSF」 chap.1「遭遇」 ・SFの新たな地平を見せてくれた押井守 インタビュー記事です。押井監督とは生年が一緒(s26年)なので、おっしゃっていることは凄くよく分かる。同じ年頃にこういう文化を共有してたというのは影響大ですよね。映画のターニングポイントが「2001年宇宙への旅」「ブレードランナー」「エイリアン」の三作だというのも、全く同意です。 ・SFマインドを育んだ『大長編ドラえもん』 「映画版ドラえもん」面白いっす。TV放映を楽しみにしてます。関係ないけど、子供が小学生の頃、正月映画の「ゴジラ・シリーズ」にうちの子供たちと剣道のチームメートを引き連れて毎年(3年くらい)行ってました。 ・本格SFの世界への水先案内人 高千穂遙 「クラッシャージョウ」と「ダーティペア」は、ほんと名作。「ダーティペア」は、可愛い女の子のペア(グループ)が無茶苦茶するという設定の先駆けじゃないのかな。 ・昭和50年男のアニキ 大槻ケンヂ が語るのほほんSF講義 スチールを拝見すると風格が出てきたなあと。筋少のころは独特のメイクと相まってとにかく格好良かった。「くるぐる使い」の著者近影が、筋少のメイクに和服で、それが決まっていてもの凄く作家然としていた。 chap.2「人間」 ・現代社会の問題を照射する SFのチカラ 平野啓一郎 ・サイバー化が進んだ世界が提示する新しい価値観 攻殻機動隊シリーズ ・現実に根ざした描写が未来を予見 神山健治 の眼 ・鍛えられた肉体が非現実な世界と見事に調和 A・シュワルツェネッガー ・筋電義手 i-limb quantum「日本第1号」ユーザーに聞く 映画『T2』で描かれた未来は今!? chap.3「技術」 ・できるのか? 何が大切なのか? サイエンス作家・竹内 薫が解説 SFで描かれた科学技術。現実には? ・時間旅行を夢見させてくれる『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 ・賢い、強い、速い! 夢のクルマ『ナイトライダー』 chap.4「新世界」 ・宮崎 … 続きを読む

カテゴリー: 未分類 | コメントは受け付けていません。