日別アーカイブ: 2010年9月15日

蜘蛛の糸

蜘蛛の糸 作: 芥川龍之介 絵: 遠山 繁年 出版社: 偕成社 税込価格: \1,680 (本体価格:\1,600) 発行日: 1994年 ISBN: 9784039636706 芥川龍之介は好きな作家です。この蜘蛛の糸はやや教訓的に見えるかもしれませんが、人間の業を短編の中にぎっしり詰まっています。主人公のカンダタは人間界にいるときは確かに悪党だったけど、蜘蛛を一匹助けます。誰でも人間は完全な悪党はいないし、完全な善人もいません。死んでもし地獄や極楽があったら、どの人間にも両方の道が待っているのです。もし地獄に落ちて、血の池地獄であっぷあっぷしていて、蜘蛛の糸が垂れたらだれでも助かりたいから同じことをします。私も同じことをするのじゃないかなぁ。そして地獄落ちするのです。人間の業を宗教臭くなく物語として見事に描いた傑作です。

カテゴリー: 04_絵本 | コメントは受け付けていません。