日別アーカイブ: 2015年2月23日

ゲド戦記

ゲド戦記といっても指輪物語のような戦いの描写もでてこないし、ゲドが主人公として出てくるのは一巻の影との戦いだけである。 ジブリのゲド戦記は最悪の脚本であった。同じ少年少女に見せるのならゲド戦記一巻をそのまま脚本にして上映させればそこそこの人気が出たろうにおもう。 それはそれで、最後の5巻目の「アースシーの風」で、ゲド戦記そのものが崩壊しています。今まであってもよいことだと思っていた魔法が実は邪悪なものであり、魔法使いは死んだ後も(日本流で言えば成仏)天国にいけることはない。私がゲドだったら今までやってきたことは何だったの? と自己崩壊してしまいそうな物語であった。 ル=グィンもゲド戦記にはそこそこ力を注いでいたはずなのに、ゲド戦記=自己の物語として書いたはずなのに、自分の物語を全否定するような物語をよく書くものだと思った。 今は亡き心理学者の河合 隼雄先生(ユング派分析家)にゲド戦記の最終巻についてどう思うか本音のところを聞いてみたいところである。

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