ナミヤ雑貨店の奇蹟
作 東野圭吾
角川文庫
今一番旬を迎えている東野圭吾の本です。自社の本を売ることとそれを映画化することで二重の利益を得ようとする角川文庫の戦略はいまだに続いています。
最初この本のことは知らなかったのですが、へいせいジャンプの大ファンであるうちの妹と姪っ子が出演の男の子めあてにこの映画を見にいって、わけわかんないから原作本読んで意味を教えてというので、図書館から借りることにしました。
映画は見ていないけど、原作本を見て、中の内容がオムニバス状態で、児童養護施設と雑貨店のつながりが少しずつ工夫をこらして読者をじらすように出ているので、原作本を読んでいない二人にはつながりがわかりにくかったのだと思いました。
さて感想ですが、最初の章でいきなり重いテーマでがつんときました。これはもしかしたら傑作じゃないのかとも思いました。食事でいってみれば空腹時にいきなりステーキ定食を食わされたようなものです。第1章を読んだだけで涙腺が流れそうになりました。その後も同じような解答に困るような問題を抱えて、人の住んでいないナミヤ雑貨店にしのびこんだ何やら悪いことをしたような少年三人がいろいろ考えて解答を出します。それに意味をみいだして、人生を考える質問者。どの章も重いテーマですが、どの章も豪華料理でお腹満腹感ありありです。
最後に少年たちが誰から悪いことをしたのかわかりますし、その後どうなるかもうすうすわかるし、うまくいけば少年たちは雑貨店に入ったことで未来はやや明るいものに変わることを予想されます。
読んでいて楽しい本でした。
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