日別アーカイブ: 2013年5月22日

児童書>いつか夜明けに

いつか夜明けに 中島信子 作  三由真理 画 表紙にはちょっと寂しそうな顔をした少女のラフスケッチが描かれています。最初のページでテレビから自殺報道が流れている。このニュースがこの本の未来を予測して暗いものであるとなんとなくわかる。主人公の少女は、背中に赤いあざがある家族のものはそれは薔薇のようだといったが、意地の悪い女の子はそれは蛇がどくろを巻いたようであると言い、少女は心をとざしてしまう。その後、両親の不和、中学生日記でも題材にしそうなめのうが教室でなくなった事件。そしてラストに両親の離婚。この本が1979年発行された本ということで、児童書にこれだけ読んでいるものが暗くなる本も珍しいなと思った。 この本が何十年もたっても忘れられなかった私自身も少女時代暗かったので、本を読むことで誰でも一緒なんだと軽いカタルシスを得たのかもしれない。 ただこの本で救いだったのは、担任の男の先生が少女を心配して影に日向になり、少女をかばったことかな。最後には学校をやめてフィジーに行くのだけど、少女が大きくなったらお嫁さんになりたいと願うことで、少し明るく締めくくられています。

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